
あなたは伝説のナンパ師、佐々木教を知っているか

佐々木教は80年代のヒーローだった
1980年の6月に発行された『写楽』(小学館)の創刊号。その片隅に上野、新宿を徘徊し、若い娘に声を掛けてナンパし、写真を撮影しているマニア氏が存在するという記事が紹介された。
写楽の編集部では皆が、これ、アダルト雑誌から絶対に問い合わせがあるよ…と語り合ったというが、まるで絵に描いたように予想は当たり、マニア氏は佐々木教と命名されて、ナンパ界の寵児になっていく。マシンガンの教とあだ名された佐々木は、無尽蔵のコレクションを公開すると共に、原宿を根城にしてナンパ撮影を始めた。
原宿の街に立ち、これは…というターゲットを追いかけ、声をかける。そんな佐々木に影響を受けた素人カメラマンや、ナンパ撮影を真似る軍団もどきが、街に急激に増えていった。アダルト雑誌は活況を呈し、ナンパの腕を競うコンテストまでが誌面に掲載されるようになっていく。そして、その頂点に君臨したのはやはり、佐々木教その人であった。
「マシンガンの教」の真骨頂
ナンパする娘に対する言いたい放題のボキャブラリー、気持ちをそらさずタイトルにしやすいフレーズを提供してくれる語彙の豊富さ。そして何より、ナンパしたすべての娘に確認書を書かせていたという事実はまさに天才の所業であった。
すっと歩を進めて娘の顔に接するぐらいに近づき、キャメラ撮らせてよ…と微笑う。まるで催眠術に罹ったように娘たちは言いなりになる。
彼女たちは最初から撮られたいって意識があるんだよ…というのが佐々木の口癖だった。
ナンパの天才と称される佐々木教は、ほとんどすべてのアダルト雑誌に連載を持つにとどまらず、深夜番組からも声がかかる。所ジョージとの掛け合いなど見事にこなしていた。
下に紹介するのは元アナウンサー吉田照美とリリーズがデュエットするシングルジャケット。話題作りだったのだろう、カメラマンとして佐々木教がキャスティングされたものだ。
佐々木は、自分のやり方で際どく狙ってリリーズの2人をナンパ写真らしく仕上げている。
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