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サブカルチャー 2022.06.24(金)

「会えばわかる」は嘘:ロマン優光連載215

 

ロマン優光のさよなら、くまさん

連載第215回 「会えばわかる」は嘘

「SNSで揉めていても、当人同士で直接(対面・通話)話せば解決できる・仲良くなれる」みたいなことをいう人いるじゃないですか。あれ、半分くらい嘘だと思うんですよね。
 それで解決する場合もあるでしょうけど、それは友人間のいさかいとか、何らかの信頼関係がある場合が大半ですよね。
 しかし、そうでない場合も沢山あるわけですよ。直接会話をしたところで相互理解が得られないようなケースも沢山あると思います。

 自分よりも年長の方が冒頭にあげたようなことを書いているのを見ることが多いのですが、今のインターネットに対応できてなかったり、インターネットが嫌いだったりするというのがあると思うんですよね。
 ネットの書き込みでのやり取りは相手の表情や声のトーンがわからないので不安になるとか、Twitterの短いスパンでの短文のやりとり(これも本当はゆっくりと文章を読んで考えてから返信すればいいだけなんですか)が苦手だという人がいるのはわかります。
 知り合いにネットで揉める(その人に原因がある)と「直接会おう」とか「電話で話そう」と言い出す人がいて、それに対応したことがあるんですよ。
 結果としては全然解決できてないんですよね。直接会話して、問題がある部分について説明しても、本人は理解したと言うんですけど全然理解してなくて、同じことをくり返すんですよ。
 それだけでなくて、向こうに明らかに非があることも、なかなか、ちゃんと謝らないし。遠回しに非は認めるようなことは言うので、何か悪いとは思ってるというのは伝わってくるし、ある程度たててあげないと向こうは頑なになるだろうし、根は善良な人だとは思うんで何となくおさめてきたんですよ。でも、一度言ってることがあまりに色々な意味で失礼なんで、年長者だから気を使いつつ電話口で敬語で怒鳴ったら、数年越しにまともな謝罪がやっときたんですけどね。でも、なんで怒鳴られたかよくわかってないと思います。
 この人の場合、直接会ったり、電話で話すと安心するんだと思うんですよね。ネットだと必要以上に悪意を感じてしまうんでしょう。本人は直接会話できた時点で感情が収まって落ち着くんだと思うんです。相手もわざわざ喧嘩をしたいわけじゃないし、おさめようとするじゃないですか。だから表面的には和解は成立するんですよ。でも、そこで話されたことの根本を理解しないから、同じようなことをくり返す。
 その場その場の機嫌をとってあげてるようなもんで、何も解決されてないんですよ。

 また、別の話です。Twitter上で数年に渡り、私に関して事実でないことを書いては誹謗中傷したり、私の著作に関して事実でないことを書いて貶すということをくり返している人物がいます。
 そういう人物と直接会って話し合いとかありえないですよね。ネットだろうが、リアルだろうがそういうことを自分にしてきた人物に和解を前提に会うとかないと思うんですよ。自分だけではなく、多くの人に同じようなことをやってる人間ですし。そんな人と和解して仲良くしたいとは思いますか? 私は思いません。
 ネットだからトラブルが起きたのではなくて、その人物に問題があるのだと思います。本人は実際の自分は善良な人間、実際に会ったらいい人みたいなことを言っていて、ネットで悪く言われているのは誤解みたいな主張をしてるわけです。なんといいますか、ふつうはネットだろうがリアルだろうが、この人みたいなことはやりません。

 Twitterは誤解を招きがち・Twitterは議論に向かないということは言われがちです。文字数の少なさなどの条件から確かにそういう部分はあります。だけど、何か問題になるようなことを書き込んで批難された後にそれを書いて議論・対話を拒否する人って、Twitter以外でも同じような感じで問題になることを言ってる人が多くないですか? 長文だろうが、紙媒体だろうが、動画だろうが。そして、誤解じゃないことの方が多くないですか?
 Twitterが議論に向かないと主張して議論を拒否するんなら、議論になりそうなことを書かなければいいんですよ。そういうことをいう人に限って、自分に賛同者が多い、自分が有利な場合は他人にどんどんふっかけていくし。それはズルいのではないかと思います。

 ネットの現状では何か問題発言・問題行動をした人が大勢に過剰に叩かれたり、誹謗中傷されたりする構図があります。それは考えていかなければならないところです。
 しかし、他人に対しては攻撃的な批判を繰り返しているのに、自分がわずかばかりの批判をあびるとネットリンチだと言い出す人がいます。それもズルい話です。

 どんなに正しい考察でも、それを盾として利用しようとする人間がでてきます。「SNSで揉めていても、当人同士で直接(対面・通話)話せば互いに理解しあえる・仲良くなれる」というのも、個別の事案が抱えている問題から目を反らすために使われがちな言葉、しかも原因となる言動をとった側に使われがちな言葉だと思います。

(隔週金曜連載)

【画像】イラスト:ウォビット/素材提供:イラストAC
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=hOS8PnWq

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