Home > サブカルチャー

スマホ表示はこちら


隔週火曜

鈴木詩子のゆるゆるベイスターズファン

毎週水曜

エスムラルダの勝手にワイドショー

隔週金曜

さよなら、くまさん

隔週金曜

100本の映画

予定変更することがあります

▼連載コラムバックナンバー▼

ブッチNEWS連載バックナンバーまとめ


 
■更新情報をいち早く通知するブッチNEWSメールマガジンへ登録!


最新号
  • 実話BUNKAタブー 2023年5月号
    実話BUNKAタブー2023年5月号

    3/16発売 通常毎月16日コンビニ・書店で発売 特別定価670円(税込)

    カリスマ教祖大川隆法の死で幸福の科学はどうなる?▼寿司ペロDQNが集う回転寿司スシロー全品実食調査▼日本人が目を背ける分断された底辺層の実態 下級国民とは何か?▼死者15万人超のウクライナ国土全面奪還は無理▼独身のままで生きるおっさんが全く将来を心配する必要ない▼元参議院議員松浦大悟がLGBT関連の議論を危惧する理由▼就職氷河期世代vsZ世代どっちが凶悪▼WBCでも大活躍の大谷翔平その実態は唾棄すべきエゴイスト▼徳川家康の戦が雑魚すぎる▼進化を続けるVRのAVでSEXいらずの時代が到来!▼未成年淫行男が働いていたメンズコンカフェに潜入してみた ほか

    連載中『ロマン優光の好かれない力』は「さようなら大川隆法」

  • 実話BUNKA超タブー2023年3月号
    実話BUNKA超タブー2023年3月号

    コンビニ・書店で2/2より発売中 偶数月2日発売(次号は4月2日発売) 特別定価650円(税込)

    ▼降雪地帯、海・川の近く、足立区、沖縄ほか 住みたくない場所▼古いだけなのにノスタルジーだと通ぶるバカから大絶賛 超老舗ラーメン全部まずい▼女性がマスクを付ける最大の目的はキモいおっさんに顔を見られたくないから▼ガーシー参院議員・FC2高橋理洋・与沢翼なども潜伏…詐欺師たちの楽園ドバイ▼温泉むすめ・たわわ・AV新法 ほか「女性の尊厳」を盾に他者を攻撃するツイフェミの暴走▼元共産党員・篠原常一郎が語る 仁藤夢乃代表Colabo問題&共産党と貧困支援事業の関係▼女を喰い物にして生き抜くホストの集金方法とは▼存在感ない野党のラストチャンスは理念なき野合▼山上のテロが招いた歪な社会 統一教会バッシングで日本は信教の自由がない暗黒社会に▼織田信長VS徳川家康クズ比較▼ヤクザが怒鳴りあうだけのクソ映画『仁義なき戦い』がつまらなさすぎる

     

グラビアギャラリー
サブカルチャー 2022.06.10(金)

西原理恵子の「暴力」性:ロマン優光連載214

 

ロマン優光のさよなら、くまさん

連載第214回 西原理恵子の「暴力」性

 生身の人間に関することを書いて人に読ませるという行為には「暴力」が内包されている。ここでしているのは、対象に対して攻撃的だったり批判的であることを不特定多数の前で発言すると相手を傷つけるというような話でもないし、ネットリテラシーとかコンプライアンス的な問題の話でもない。それはまた別に語られるべき話ではあるが、ここで語っているのは違う話だ。
 人間について書くということは、その人を外部から勝手に規定することに他ならない。それは意味を与えることであり、役割を与えることだ。書く側の動機が善意に溢れたものであろうが、本人の意にそぐわないものであれば相手を苦しませることになるだろう。本人が喜んで受け入れたとしても、それが相手の資質にそぐわないものであれば、結果として相手の人生を悪い方に導いてしまうことにもなりかねない。世間に流布された自分ではない「自分」像に苦しんだり、他人が規定した「自分」を自分として受け入れて道を誤ってしまう人がどれだけいることか。書くということは混沌に目鼻をつける行為に陥ってしまいがちであり、対象を褒めていようが愛情がそこにあろうが「暴力」がそこに内包されていることはかわらない。愛情は書くということの無垢や無謬性の担保にはなり得ない。

 これは原則的な話であって、書く側・書かれる側それぞれの資質・才能・方法論・関係性によって、さまざまな着地点があり、たいていは無難なところに落ち着く、あるいは問題に双方も周囲も気づかないまま特にトラブルになることもなく進んでいく。
 西原理恵子氏という人は他人について書くことが内包する「暴力」性に自覚的であり、それを活用してきた人間だと思う。西原氏の場合、他者を描く際に傍観者として描いているわけではなく、自分を中心とした関係性の中で漫画のキャラクターとしての自分を輝かせるためのサブ・キャラクターとして周囲の人間を上手く描いてきた。漫画のキャラクター・サイバラのイメージは現実の西原にフィードバックされる。エッセイ漫画のたぐいはそういう一面があったりするものだが、自分のイメージを現実社会で利益化するための道具として他者を描くことに近年もっとも長けていて、もっとも自覚的にそれをおこなってきた一人は彼女なのではないだろうか?
 そこに描かれているのはキャラクターであって本人ではない。あくまで作者・西原理恵子が都合がよいように脚色され演出された存在だ。その中でももっともいいように使われたのが前夫・鴨志田穣氏だったように私は思っていた。こう見られたいという彼女の願望、彼女のその時々の都合によって、彼は色々な風に描かれてきた。よい話も悪い話も、全て彼に関する事実が反映されているというのはそうだろう。加害者としての鴨志田氏も実際にいたのだろう。しかし、それは事実ではなく、西原氏の都合によって脚色され演出されたものだ。よく描いている時も、悪く描いている時も、その時の彼女の見られたい自分を提示するための小道具として描いているわけで、鴨志田氏自体を描いているわけではない。
 人間・西原理恵子と人間・鴨志田穣の間には色々な想いが互いにあったことだろう。ただ、漫画家・西原理恵子が描いているのは、そういった想いから生まれてくる良いところも悪いところも愛情も憎しみも踏まえた立体的な人間・鴨志田穣の姿ではなく、キャラクター・鴨志田穣がその時々の与えられた役割をはたしている姿のように見える。漫画という表現形態の特色というだけではないように感じる。鴨志田氏自身が書いた文章を読んだり、彼が歩んだ軌跡を思い出すたびに哀しい人だったなと思うし、いつも切ない気持ちになる。彼がやってしまったことで苦しんだ人はいただろうし、許せない人がいるのも仕方ない。ただ、そういう風に生きてしまったこと、生きざるを得なかったことがただ哀しい。

 最近、西原氏・鴨志田氏二人の間に生まれた鴨志田ひよ氏(氏は舞台役者であったり、音源にも参加するなど活動している人であり、今回のTwitterでの対応を見るに、人前に出るという意思のもと現在行動していると感じたので名前を記す)のblogがSNS上で話題になった。西原氏のヒット作『毎日かあさん』で描かれていた家族像を否定する、告発めいた内容であった。話題になったエントリーは消去されているが、その他のエントリーからも母や家族に対する想いはうかがうことができる。
 ひよ氏の書いたものからは色々なことが読みとれるし、様々な立場の人が言及している。普遍的な事象をそこに見いだして社会に問題提起することもできるが、それは多くの人がやっているので、自分はそれをやろうとは思わない。自分が彼女の文章から感じたことは、ただ単に自分の意思と関係なく(拒絶しても勝手に)プライベートを晒され続けたということの辛さだけではなく、自分ではない「自分」が勝手に流布され、そういう「自分」として扱われていくことへの恐怖、自分でない何かとして生きていくことを強いられることへの恐怖だ。それは彼女の父がされてきたことだと彼女は感じているし、彼の死後もそれがなされていると感じているだろう。父は彼女にとって大きな支えであり、自分の良き部分の象徴であるのではないだろうか。彼女の抱いている鴨志田氏像が事実と照らし合わせてどうかということはわからない、しかし彼女にとってはそれは生きていくために必要なものなのだろう。
 一つのエントリーで、彼女は父と血が繋がってないかもしれないということを書いている。それが事実かどうかとかそんなことはわからないし、彼女が何を理由にそう感じたのかもわからない。ただ、重要なのは彼女がそのような言葉をblogに書き付け、人に読んでもらおうとしたことだ。大きな支えである父との関係性への不安を吐露してしまうほどの母に対する苛烈で悲痛な感情に対して、私は言語化して解釈しようとすることもできない。ただ、たちすくむだけだ。

(隔週金曜連載)

【画像】「毎日かあさん」12巻 母娘つんつか編(毎日新聞出版)
※リンク先は楽天ブックス
https://books.rakuten.co.jp/rb/13465558/

★ロマン優光のソロパンクユニット プンクボイのCD「stakefinger」★
https://books.rakuten.co.jp/rb/15176097/

★ロマン優光・既刊新書4作 すべて電子書籍版あります。主要電子書店スタンドで「ロマン優光」で検索を。また、コアマガジンでも近く新刊準備中です。

『90年代サブカルの呪い』
https://books.rakuten.co.jp/rb/15761771/
『SNSは権力に忠実なバカだらけ』https://books.rakuten.co.jp/rb/15204083/
『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』
http://books.rakuten.co.jp/rb/14537396/
『日本人の99.9%はバカ』
https://books.rakuten.co.jp/rb/13104590/

★「実話BUNKAタブー」では、『ロマン優光の好かれない力』引き続き連載中! 発売中7月号のテーマは『トンデモ団体・神真都Qはなぜ支持されるのか』。また、次号8月号は6月16日発売!コンビニや書店・ネット書店で!

★ロマン優光、太郎次郎社エディタスのWebマガジン「Edit-us」での連載からの単行本が2022年9月発売予定(延期されました)。以下から予約可能!
https://books.rakuten.co.jp/rb/16982369/

【ロマン優光:プロフィール】
ろまんゆうこう…ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『日本人の99.9%はバカ』『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。現在は、里咲りさに夢中とのこと。twitter:@punkuboizz

おすすめCD:『蠅の王、ソドムの市、その他全て』/PUNKUBOI(Less Than TV)
楽天ブックス
http://books.rakuten.co.jp/rb/13292302/

連載バックナンバーはこちら
https://wp.me/p95UoP-3N (コピペして検索窓に)


 


[PR]
★ロマン優光の新書9月新刊をAmazonで買う(電子もあるよ!)

嘘みたいな本当の話はだいたい嘘 (コア新書)

新品価格
¥1,000から
(2022/8/19 22:06時点)





アイドルとのつきあい方(仮)

新品価格
¥1,980から
(2021/12/10 21:05時点)



  • ★TOPページ・タグでは過去記事は10本だけしか表示されません。「芸能・エンタメ」などカテゴリ単位のタブではそれ以前の過去ログもごらんいただけます。
    ★そのためこちらからサイト内google検索を可能にしました。知りたい内容があればどうぞ。

    MONTHLY RANKING





関連記事

嘘みたいな本当の話はだいたい嘘 (コア新書)

新品価格
¥1,000から
(2022/8/19 22:06時点)





おすすめ記事
人気投票ランキング
ブログ
記事提供元




ブッチNEWSは「スマホ」と 
「PC」でお愉しみいただけます。 
(ガラケー非対応) 





募集のお知らせ…PC/スマホ配信提携先、アプリ制作業者、月額広告、広告供給業者を募集しております。右下「運営方針」をご参照下さい

 

[PR]

運営者情報
タグクラウド
おすすめ エスムラルダ 鈴木詩子 ロマン優光 杉作J太郎 美しさ勉強講座 男の偏差値がぐんとアップする美しさ勉強講座 ロコドル ローカルアイドル 杉作J太狼XE ゆるゆるベイスターズファン 瀬名あゆむ 山口明 新日本プロレス アイドル フジテレビ DVDレンタル 童貞 NHK
Powered by Vivvo CMS v4.6