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サブカルチャー 2018.12.14(金)

SNSでの被害者ぶったやつ:ロマン優光連載124

 

ロマン優光のさよなら、くまさん

連載第124回 SNSでの被害者ぶったやつ

 ほら、世の中にはSNS上でちょっと話題にされたくらいで過剰に被害者ぶる人がいるじゃないですか。本人の言動に疑問視される部分があって、それに対して普通のトーンで批判している人が大半で、別に罵倒リプが押し寄せてるわけでもないし、RTガンガンされてるわけでもない(せいぜい二桁)のに「炎上した!」「正義に酔った大衆による集団リンチ」みたいなことを言い出す人です。有名無名プロアマ問わずいますよね。
 ああいう人は「自分が世間に見られたい自分の姿以外は受け入れたくない人」なんですかね? そういう人って、自分が不利だと(かってに)感じると被害者ぶるのに、自分が優位だと(かってに)思い込んでる時はエゴサしてはガンガン絡んでいくじゃないですか。しかも、別にあからさまな悪口とか、その人にまつわる事実と反するデマとかでなくて、単なる感想レベルのことでも。
 あからさまな悪質な誹謗中傷とか、デマとか、家族のこと持ち出してバカにするとかだったら、見つけたら絡んでいってもいいと思いますが、そういうものでないなら、単なる感想とか、意見の相違でしかないわけで、わざわざ向こうがリプ飛ばしてこない限り、こちらから知らない人に絡んでいって攻撃しても意味がないと思うんですよ。そこは、取り締まろうとしても取り締まれるもんじゃないじゃないですか。感想だもん。まあ、そういう取り締まりたい人に限って、自分が批判されると、取り締まられたとか、悪人に仕立てあげられたとか言い出すわけですが。

 プライドが異常に高いけど、根が小心で被害妄想気味の人なのかなあと思います。読解力がなくて文脈を読みとることができないように見える人でもあります。わざと読まないのか、読めないのかはわからないですが、批判に対しても何か違う解釈をして絡んでいくことが多いのです。相手が「そうではなくて、こうですよ」と反論したり、議題を理解してないようなのでわかりやすく説明したりすると、「話をすり替えた」みたいなことを言い出すんですよ。わざとやってるにしろ、そういう風に自然になってしまうにしろ、自分は絶対に正しい、絶対に謝りたくないという固くな気持ちが根底にあるということだけは何となく理解できます。

 相手をその場で「論破」できたら、それでいいという人たちなんでしょう。めちゃくちゃなことを言って強引に押し迫って、相手が呆れて黙ると本気で勝った気になる人。自分の支持者に自分が相手を「論破」しているように見せることができれば、それだけでいい人。どちらのタイプも存在しますが、両方とも自分が勝ってるというイメージが重要なんでしょうね。
 とはいえ、こうやって勝った気になっても、客観的に見れば単にバカなことをいってごねてるだけの人でしかなく、バカにされるだけなんですよね。たいして話題にもなってないのに炎上の被害者ぶる人、たいしたことも言われてないのに顔色をかえて攻撃しにいく人、こういう人たちは憎まれているというより、バカにされてるだけの場合が大半だと思うのです。「アンチが!」「○○の一味が!」みたいなことを言いがちな人たちでもありますが、そういったレベルの騒ぎに実際に存在しているのはバカにしながら観察している人と野次馬がほとんどだと思います。
 まあ、憎まれていることにしたり、理不尽な敵対者がいるということにしないとプライドが保てないのでしょうね。バカにされて笑われてたり、言動を軽蔑されてる自分を認めたることが、苦しくて悔しくて、どうしてもできないのでしょう。自分の言動に好意的でない人間が百人いた時に、たった一人の理不尽なアンチを見つけて、全ての人を理不尽なアンチのような言い方をして自己正当化を企てるようなやり方は、さらに好意的でない人を増やすだけなんですけどね。

 しかも、こういう人に限ってバズりたい欲も強かったり、他者にもの申したい欲が強かったりするんですよ。まあ、自己評価が異常に高くて、自分の正しさを疑わない人なら、必然かもしれませんな。実際に能力値が高ければ上手くいくんでしょうけど、能力値以上のことをやろうとする人が欲にかられて頑張った結果、やらかす機会も多くなって観察対象になっていくんですよね。

 自分の手落ちが原因で、一部でバカにされる存在になってることを認められず、やっきになって相手を叩きにいって、ウザがられるだけで余計にバカにされる。ただ、名前をだすと絡んできてウザいから、名前をだされないようになる。
 否定的な文脈で名前を出されなくなる状態、SNS上から自分の批判が消えるということは一見勝利のように見えるけど、実際は危険な状態です。なぜなら、世間的に自分がどう見られているかわからなくなるからです。見えないだけで、どんどんバカにされるようになっていってたり、自分に対する世間の反感が膨らんでいっているかもしれません。わからないのって怖くないですか?わからないところで、自分に対する反感が高まっていってるのも怖いし、誰が自分に反感を持ってるのかもわからないんですよ?
 そこまでいかなくても、人間というのは間違える生き物だから、ある部分で自分の言動を疑っていくことは必要なのです。直接関係のない人の目にどう映っているかを知ることは、自分を客観的に見る手助けになるわけです。そういうものを潰してしまうのは、大きな目で見たらマイナスでしかなく、その意見があってるにしろ、間違ってるにしろ、参考にできるという点で大切なものなのです。
 表面上は肯定的な意見しかない状態で、自分の正しさを過信して振る舞ってると、高確率で間違った方向にいくわけで、何年かかるかわからないけれど気づいた時にはとんでもない状態になってるんですよね、引き返せないくらいに。

 今年もそういう人を何人も見かけて、「なんだかなあ」と思っていたのですが、確実に言えることが一つあります。そういうタイプの人って、これを読んでも自分のこととは絶対に認めないということですね。

(隔週金曜連載)

図版:SNSのデフォルトアイコン(イメージ)

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ろまんゆうこう…ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『日本人の99.9%はバカ』『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。現在は、里咲りさに夢中とのこと。twitter:@punkuboizz

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