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サブカルチャー 2018.08.28(火)

この映画がすごい:ロマン優光連載116

 

ロマン優光のさよなら、くまさん

連載第116回 この映画がすごい

 日本のハードコア・パンクの黎明期を記録したドキュメンタリーとしてとらえると『ちょっとの雨ならがまん』にZELDAのサヨコや町田町蔵と人民オリンピックショウ、すきすきスウィッチの佐藤幸雄が出演していることを不思議に感じる人もいるだろう。これは今の感覚で見るから不思議に感じてしまうのではなくて、当時の人たちの方が強く感じたかもしれない。初期の東京のハードコア・シーンというのは、それ以前の旧世代のパンクバンドや他のシーンに対して断絶を図っているイメージが非常に強く、実際は人脈的な繋がりがあったりするのだけど、姿勢としてはそういうイメージを打ち出していた。そういう観点から見てしまうと、本来同じ器に盛られるはずのないものが一緒に盛られてきた気分になる。
 しかし、視点を変えてみると、冒頭のナレーションをはじめ、安田潤司監督の演出意図があるパートの多くは「初期衝動とそこから変わっていくこと」についてのものであり、今まさに初期衝動の時代を終えようとしているハードコア・パンクの面々と、そこを通過し変化を続けている最中のサヨコや町蔵が同時に取り上げられるのは監督の中では必然的なものであったということはうかがえる。
 そんな中にあって、横山SAKEVIと佐藤幸雄の何がなんだかわからない異様なエネルギーの放出は異質なものがある。初期衝動とかそういう言葉では片付けられない、何がなんだかわからない凄みに溢れている。それにしても、当時まだ20代前半であっただろう佐藤幸雄の荒ぶる大人感は何なのだろう。怒れる若者ではなく荒ぶる大人なのだ。ただ、普通に喋ってるだけなのに。40代半ばに差し掛かった今の自分から見ても、何がなんだかわからない怖さと大人感がある。
 安田監督が後に東京グランギニョル、雀鬼・桜井章一といった面々と関わっていくことから考えると、監督は得体の知れないスゴいものにどうしようもなく惹かれてしまう人なのではないだろうか。初期衝動の終わりという問題と何がなんだかわからない凄さを求めていった結果、作品において、当時のハードコアパンクの占める割合が大きくなってしまったのだろうなと感じる。

 それはさておき、なんだかんだいっても見る人の興味の大半は正式な記録映像に乏しいハードコア・パンク勢のライヴやインタビューにあるのは間違いないわけで、自分もやっぱり普通に興奮して見ちゃいました。
  '83年の寿町フリーコンサートでの映像。ラフィン・ノーズをバックに『ゲット・ザ・グローリー』を歌う横山さんという名シーンは多くの人の心を掴んで離さないわけです。
 個人的にはモホークスのライヴが綺麗な画質で見れたことに感動。ボーカルが後にLAST BOMBのボーカルになるLoonyさんでドラムがWantanさんというバウズな面子なので、モホークスがモブスとバウズに分裂する過渡期なのだと思われますが、Loonyさんの佇まいの不良っぽさがとにかくかっこいいです。バウズは曲が楽しそうでもボーカルの声が怖いのですが、ここでもドスが効いてて最高。YouTubeにこの日のライヴを別のカメラでとった映像があがっているのですが、後にモブスのレパートリーとなった曲とバウズのレパートリーになった曲の双方を演奏しているのが確認できます。『ハードコア不法集会』もまだ発売されてない時代なんですよね、この頃。
 あと、別カメラの映像で確認できるもめ事を、映像としてはインパクトのあるものになったはずなのに、あえて編集でカットしてナレーションで軽く触れるという手法をとっていることに、監督の作家性と繊細さを感じました。
 山崎春美のタコにインスパイアされてG.I.S.M.を始めたというランディさんの発言に驚いたり、ランディさんの自分のバンドやシーンに対する認識の冷静さに、「この人はこういう考え方をする人だったのか……。」と思わされたり、ランディさんのインタビューも惹き付けられるものがありますよね。
 あんま、こういうトーンでざっくばらんに書いてると、なんか飲みながら友達と話してるみたいになってくるので、少し切り替えますね。

 この映画を見た人の中には、あまりに青いバンドたちの刹那すぎる瞬間が切り取られている姿に「パンクの意義の終焉」とか「破壊・暴力の先には何があるのか」みたいなことをかってに語りだす人もいるだろうが、それは違うような気がする。我々は映画の中の本人たちが知らなかった未来を知っている。オリジナリティーをさらに突き進めたGAUZEが素晴らしい音源をつくり、すごいライヴをやり続けることも。THE COMESから離れた二人がLIP CREAMという新たな伝説を造ることも。数えだしたらきりがないくらい、ここにいた人たちが初期衝動を越えた先に豊穣な実りをもたらしたことを。
 そう考えると、この時点でオリジナリティーを完全に成立させていたG.I.S.M.というのは、やっぱり異質なバンドだ。あの名付けようがない衝動を人の中から引きずりだしてくるようなバンドを未だに私は他に知らない。 

(隔週金曜連載) 
※諸般の事情により今回火曜公開

イメージ・おすすめレコード:GET THE GLORY/LAUGHIN'NOSE(1983年/AAレコード)※入手困難

本文で紹介した映画『ちょっとの雨ならがまん』(安田潤司監督/配給P.P.P.project、silver gelatin)2018年8月18日より新宿K’s cinemaほかにてリバイバル上映
オフィシャルサイト
http://silvergelatin.main.jp/movie/chottonoame-feb/

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ろまんゆうこう…ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『日本人の99.9%はバカ』『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。現在は、里咲りさに夢中とのこと。twitter:@punkuboizz

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