
杉作先生は背広やスーツが苦手:杉作J太郎「美しさ勉強講座」連載27

軟弱な男たちの姿に見かねて、あの先生が立ち上がった!
杉作J太郎先生の「男の偏差値がぐんとアップする美しさ勉強講座」
27時限目・杉作先生は背広やスーツが苦手
さー、今回は話を本線に戻すよ。
後藤真希さんと加護亜依さんの応援をしていた頃の話だ。
長野までモーニング娘。のコンサートを見に行った。
俺は40歳をすこし過ぎた頃だったのかな。43歳ぐらいだったかもしれない。長野まで電車で行った。記憶にないが、たぶん新宿あたりで誰か仲間と待ち合わせて行ったのであろう。
説明するまでもないが、仲間というのはモーニング娘。を応援している知り合い、ともだち、つまり仲間である。説明するまでもないと思ったが説明しないと勘違いする人も世の中にはいるんだね。
当時、俺は劇団系の芸能事務所に所属していた。その事務所で俺のマネージャーだった人の結婚披露宴のとき。披露宴が終わって俺は礼服から普段着に着替えていた。礼服のまま家を出て、礼服のまま帰る人もいるだろうが俺はふだん背広とかスーツの類を一切着ないので窮屈でたまらない。夏だと暑苦しくて冬だと寒い。要するに俺は背広やスーツが苦手なんだね。
着心地がよくないというのもあるが、管理されている気がするんだな。管理されたほうが楽だ、という人もいるだろうし、管理してないと人間はなにをするかわからないという考えかたもあるだろうし、ま、どうでもいいけどとにかく苦手なんだね。
偉そうに見えるというのもある。こちらが甚平とか半ズボンで、背広姿のビジネスマン数名とエレベーターでいっしょになったりするとみじめな気持ちになることがある。
いや、なにも卑屈になることはないのだ。卑屈になるその気持ち自体が間違ってる、と言うか、負けている。俺が打者だったら球は前には飛んでいかないだろう。
三週間ぐらい前になるだろうか。
楽天イーグルスの枡田慎太郎が代打逆転ホームランを打った日のヒーローインタビューで、
「適当に振ったら飛んで行ったんです」
と言ったが、言った通りに適当ではあったのかもしれないが気持ちは負けてなかったはずだ。気持ちで負けたら球は前に飛ばない。
だから俺なんかは気持ちで負けてるんだね。
スーツの人間とエレベーターでいっしょになってもそれがどうした。
スーツならまだいい。
俺なんかはいい歳こいて結婚もしたことのない独身だから家族連れとかも厳しい。
小さな子供を連れた母親なんかになると買い物してるだけなのにまるで俺を誘拐犯みたいな目で見ている。
見てない?
俺が被害者意識が強いだけだと思う人もいるかもしれないけどね、この耳でよく聞くんだよ。
「危ないでしょ、こっち来なさい!」
みたいに小さな子供を呼ぶ母親の声を。
なんだなんだ、と思ってあたりを見ると俺のすぐそばに子供が遊んでたりする。おいー、なんで危ないんだよー、と思うけど、ま、思うほうの気持ちもわからないではない。わからないではないが、クソ婆だね、そいつらは。今日だからね。そう、この原稿を書いてるのは夜なんだが、今日の昼間にあったことなんだよ。
犯人よばわりされたわけなんだが、犯人でなくても肩身はとにかく狭い。
ショッピングモールとか店側からしても歓迎されない客は俺のほうでね。俺みたいな仕事してるとボーナスも出ないわけだからボーナス特売も関係ない。二十歳の頃、キャバレーの客引きのおっさんに遊んでいかないかと袖を引っ張られて、
「カネ持ってないんすよ」
と言ったら、
「なら街を歩くな」
と言われてもっともだと思ったことがあったが、それも気持ちで負けたね。若かったら仕方ないかもしれないが気持ちで負けたね。覚えてないけどたぶん客引きのおっさんは芦屋雁之助みたいな恐ろしい顔をしていたんだろう。ロッテの伊東監督みたいな顔だったかもしれない。いや、まったく覚えてないんだけど。
でも、ま、今日も気持ちで負けたんだね。
話がまったく進んでないように見えるかもしれないが、それはどうかな。とにかくこの先は次回だね。
(つづく)
<隔週金曜連載>
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【杉作J太郎:プロフィール】
すぎさく・じぇいたろう
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める男の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。
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