
がんばれ加護ちゃん:ロマン優光連載29

ロマン優光のさよなら、くまさん
連載第29回 がんばれ加護ちゃん
ロマンポルシェ。として活動していく中で様々なバンドやアイドルと共演してきたのですが、今までで一番対バンするのが嫌だな、一緒にやるのが嫌だなと思ったのが、加護亜依さんでした。だって、そうじゃないですか。あの大スターの加護ちゃんが歌舞伎町のライブハウスで、ロマンポルシェ。のような微妙な立ち位置の中堅サブカルバンドと対バンするなんて、本来あってはいけないことでしょう! しかも、ロマンポルシェ。の企画に! そんなの許されるはずがないのに、なんであんなことに…。
加護ちゃんがブッキングされることになったことを最初に掟さんから聞いた時、めちゃくちゃ動揺したのですが、仕事に関することで我が儘を言うわけにもいかないので、受け入れたものの、やっぱり悲しくてしようがなかったです。掟さんも内心忸怩たるものがあったと思いますが。その時の加護ちゃんのスタイリストの人が選んだ服が、すごく微妙というか…はっきり言って変だったのも悲しかったし、加護ちゃんが気に入ってる感じも悲しかったです。その時やってた曲も微妙で…とにかく、自分たちのような下賤の輩と対バンする加護ちゃんは見たくなかったし、結局、自分がそこに関わっている立場でしかないというのも本当に嫌で、未だに悲しい思い出です。
その後も加護ちゃんの周りでは、色々とあまり芳しくないような事柄が起こり続け、今も離婚協議中だとか。なんでこんなことになってしまうんでしょう。「常に間違った選択をして生きてきた本人が悪い!」と言われてしまえば、それまでかもしれません。それにしたって、今の不幸と釣り合うぐらいの間違いを犯してきたわけじゃないじゃないですか。
頭の良い子供が陥りやすい生き方
かって、私は辻と加護なら断然加護派で、辻ちゃんはあまり好きではありませんでした。私は頭の悪い調子にのった子供はあまり好きではないからです。そのころに他の人と「辻はきっと大人になってもあのままかもしれないけど、あいぼんは思春期を通過するあたりで変わってしまうような気がする」という話をしていました。大人になった辻ちゃんに対して、持ち前の頭の悪さを善良な無垢さとして捉えられるようになり、今では私も辻ちゃんの揚げ足をとって叩くオバサンに対して殺意を感じるようになりました。
頭の回転の良い子供というのは、変に上手く世の中のことをこなしてしまうから、失敗することで身につけていく大人に必要な条件を習得しないまま年だけとっていってしまいがちです。大人になった時には、かって自分より頭が悪いと思っていた人たちが社会の成員としてちゃんと生きているのに、大人に成りきれずに不器用で生きづらい生き方をしている自分を発見してしまうことはよくあります。大人に成りきれないだけで、別に変わらぬイノセンスを持ち続けているわけでもない。子供の美徳も大人の美徳も持たない人になっていたりします。子供の頃に才気ほとばしりキラキラ輝いていた人がそうなっていくのを見るのは悲しいです。
今思うことは、あいぼんは何をやっててもいいから、あいぼんがアイドルだったとかそういうこと抜きにあいぼんを愛してくれる人と家庭を築いて幸せになってほしいということだけです。あの時期のあいぼんの姿に多大な恩を受けた私が今思うことはそれだけなのです。
【ロマン優光:プロフィール】
ろまんゆうこう…ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っている。好きなアイドルは、イニーミニーマニーモー。
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