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サブカルチャー 2014.08.13(水)

いま「May J.問題」を考える:“ホラー系ドラァグクイーン”エスムラルダ連載11

 


エスムラルダの「勝手にワイドショー!」

連載第11回:いま「May J.問題」を考える

「『Let It Go』の歌い手の座を、松たか子から強奪した」と巷で話題のMay J.が、先日の「情熱大陸」に登場。みなさんはご覧になったかしら?

 番組では「May J.が『Let It Go』を歌うたびに、1億2千万人から『聴きたいのはお前じゃねえよ』とツッコまれている」点(やや誇張あり)に言及。May J.自身は「全世界で、劇中歌とエンドソングは別の人が歌っている。その仕組みが理解されていなくて残念」と語っていたんだけど……。ぶっちゃけ、「お前じゃない」と思われちまう原因は、仕組みが理解されていないからじゃなくて、May J.の「ごり押し感」と、あまりにも「正しすぎる歌い方」にあるんじゃないかしら……。

 おそらく多くの人と同様、アタシがMay J.を初めて観たのは「関ジャニに仕分け∞」のカラオケ得点対決。音程が正確でテクニックもあるのに、まったく感動しないどころか、ちょっぴりイラッとしちまったのを、今でもよく覚えているわ。
 洋楽だと、セリーヌ・ディオンなんかもそう。上手いのは確かなんだけど、押しつけがましいし、やたら抑揚をつけてるわりに一本調子感があるし、何曲も聴く気になれないのよね(そういえばセリーヌも、ディズニーの主題歌を歌っていたわ……)。

 ちなみに、この「上手いのに、異常なほど心に響かない」「正しい(正確な)ものが必ずしも愛されるとは限らない」現象を、アタシは勝手に「May J.問題」と呼んでいるの。
 歌(特にポップス)に限らず、小説や映画もそうだけど、きっちり破綻なくまとまっているものより、多少アラがあっても味や個性が強い方が愛されがちじゃない? あと、人間関係においても、ルールを守って真面目に生きてる優等生タイプは「面白味がない」「いい人だけど惹かれない」とか言われがちで、人気者になったりモテたりするのは、やんちゃな子とか、それこそ「ありのままに生きる」人だったりするのよね。
 アタシは、どちらかというと優等生タイプだったので、そんな世の中の理不尽さにずっとカリカリしながら生きてきたわ(だからますます嫌われる)。ハッ。そう考えるとアタシ、もうちょっとMay J.に肩入れするべきね……。May J.、優等生代表として頑張れ!(とってつけたような応援)

 まあ、とはいえアタシ、松たか子バージョンが特別いいと思っているわけでもないの。もちろん上手いのは確かなんだけど、今回はたまたまラッキー要素が重なった(海外で絶賛されたとか、比較対象がより優等生的なMay J.だったとか)のと、「あまり露出をしない」という戦略が功を奏しただけで、ちょっと評価高すぎるんじゃないかしら……。
 その点も含めて、実はアタシにとって、松たか子もさまざまな問題をはらんだ存在なんだけど、長くなるので、「松たか子問題」については、また改めて。

【エスムラルダ:プロフィール】
えすむらるだ…1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。
twitter:@esmralda001

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