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社会・経済 2023.03.10(金)

柴田英里がフェミニズムの歴史から読み解くフェミニズムとは何か?フェミニストとは何か?現在の“フェミニズム”の問題点

 

Colabo問題を読み解くためにも

 現在、インターネットでは、10代女性支援活動を行う一般社団法人「Colabo(コラボ)」とその代表である仁藤夢乃氏を中心として、連日炎上が起きている。東京都の若年女性支援事業委託団体の不適切な会計問題や、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(略称『困難女性支援法』)」などが主なトピックだ。

 コラボと仁藤氏を擁護する弁護団は、昨年11月29日の記者会見において、コラボに向けられた疑念や批判を、「女性差別」であり、「フェミニストに対する反発」であり、「女性に対する暴力そのもの」であるとしていたが、本当にそうなのだろうか?

 筆者は、フェミニストを自認しているが、コラボに向けられた疑念や批判を、「女性差別」、「フェミニストに対する反発」、「女性に対する暴力そのもの」とは思わなかった。確かにコラボや仁藤氏への誹謗中傷の中には女性蔑視的なものもあり、それ自体は遺憾であるのだが、批判の全てがアンチフェミニズムではない。

 コラボに向けられる疑念は、第一に公金の不正・不適切使用の疑い、第二に保護した10代の女性たちを政治活動に動員している疑いであり、それらの視点はフェミニズムと矛盾しない。筆者はむしろ、仁藤氏らが批判者をアンチフェミニストであると決めつけることに、安易な自己正当化や、問題を有耶無耶にして「悪い男たちに嫌がらせされる可哀想な女性」というストーリーを仕立てあげるような不誠実さを感じた。

 仁藤氏は確かにフェミニストであるかもしれないが、仁藤氏のような思想や活動だけがフェミニズムではない。フェミニズムは様々な流派があり、対立や論争とともに拡大していった思想・運動なのだ。

 前置きが長くなったが、今回は、「フェミニズムとは何か? フェミニストとは何か?」を、初めて触れる人にも伝わるよう、大まかに整理した上で、現代のフェミニズムが抱える問題を提示したい。フェミニズムに興味はないがコラボ問題に注目している人にとっても、理解の補助線となれば幸いである。


フェミニズムとは何か?

「フェミニズム」とは何か? デジタル大辞泉の解説によれば、

1 女性の社会的、政治的、経済的権利を男性と同等にし、女性の能力や役割の発展を目ざす主張および運動。女権拡張論。女性解放論。

2 女性尊重主義。

 とあるが、女性を「解放」することと「尊重」することにはズレがありそうだし、「女性を尊重」することと、女性の権利を「男性と同等」にすることの間にも、矛盾が起こりそうである。一読して、わかるようなわからないような? という印象を抱く人も多いかもしれない。

 事実、フェミニズムには様々な流派が存在し、「女性を男性と異なるものとして賛美するか、女性性や男性性といった社会でつくられた性差そのものを解体していくか」「ポルノやセックスワークを否定するか肯定するか」など、異なる主張による対立や論争が繰り返されてきた。

 フェミニズムの大まかな傾向としては、女性個人の自由を希求する新自由主義的な価値観を根幹にする流派と、資本主義経済のもたらす格差を国家による再配分によって是正する社会民主主義的な価値観を根幹にする流派が多い。また、アカデミックな領域では左派的な思想・運動だと考えられることが多く、日本の大学では基本的に英米からの輸入学問という位置づけである。

 出版されている書籍にもそうした傾向があるが、アメリカの禁酒運動を牽引した福音派フェミニズムや、日本で廃娼運動を行った日本キリスト教婦人矯風会など、宗教的な価値観や保守的な規範を重視する流派や運動も数多く存在しており、仁藤氏やコラボの活動は、どちらかといえば保守的な婦人保護活動に近い。

 フェミニズムが起こった背景には、19世紀ヨーロッパのブルジョワ革命期に成立した近代家族の「家庭内(私的)領域と公的領域の分離」という性質がある。近代化によって、共同体における相互監視を通じた介入の力が弱まり、女性は選挙権だけでなく、財産権も親権も、離婚の自由も持たない無権利状態に陥ってしまったのだ。噛み砕いていうと、妻子を殴ったり、飲む・打つ・買うで大きな借金をつくったり、遊び歩いて帰ってこないようなろくでもない男は、前近代ではご近所や共同体から制裁を受けたが、近代化により外から干渉を受けない独立した家庭ができた結果、男性に対し弱い立場になりやすい女子供の平穏が保障されにくくなったのだ。比較的裕福で教養もある女性を中心に、そうした状況から脱却を図ろうとしたことが、「フェミニズム」のはじまりである。


フェミニズムの大まかな流れ

 西洋で近代家族システムへの不満から始まったフェミニズムであるが、時間を軸に大きく分類すると、19世紀に始まった第一波から現在の第四波といわれている時期の4区分にわけられ、主張を軸に分類すると「マルクス主義」「ラディカル」「ブラック」「ポストモダン」「リベラル」など様々な流派がある。現在進行系で多様な立場、主義主張が展開されているが、総じて、セックス/ジェンダーの社会的変容を目指す思想であり、かつ、個人や集団による実践・運動という性質をもっている。

 以下、第一波から現在までの大まかな流れと、現在のフェミニズムが抱える問題を提示していく。


〈第一波フェミニズム〉
 1860年代から1920年代にかけ、欧米中心に広がった第一波フェミニズムは、参政権、財産相続権など、公的領域において男性と同等の権利を求めるものであり、ガヴァネスといわれる住み込み女家庭教師や、医師や弁護士などの女性専門職業人といった中産階級女性が主な担い手となった。この時期のフェミニストたちの課題認識は、生物学的な男女の性差(セックス)を階級格差と位置づけ、劣位に置かれた「女性」という階級を、「男性」と同等の位置に上昇させることにあった。


〈戦争による実質的な女権拡張〉
 第一次世界大戦・第二次世界大戦など、戦争による男性労働者不足は女性の雇用を促進し、社会進出を後押しした。文化・芸術の分野でもそうだ。例えば、イギリス文学界では男性作家の徴兵や戦死が女性作家の紙面占有率を底上げした。

 また、戦争協力によって女性の地位向上を目指すフェミニストもいた。投石や爆破など、英国の戦闘的な女性参政権運動を組織し、度々批判されたエメリン・パンクハーストは、女性の戦争努力への貢献を参政権獲得のための礎にしようとしたし、婦人参政権獲得を目指した市川房枝は、大政翼賛会の活動に邁進し、戦争協力を惜しまなかった。


〈第二波フェミニズム〉
 1960年代から70年代に広がった第二波フェミニズムは、戦後の生産力の向上による大量消費社会の到来に際し、家庭こそが社会道徳の解体に対する最後の防波堤とみなされたことへのフラストレーションや、公民権運動や反核、ベトナム反戦運動に参加していた女性たちによるブルジョア的価値・道徳の否定と、妊娠・中絶の自己決定、性役割への異議申し立てが中心であり、高学歴中産階級主婦や高学歴女子学生が主な担い手となった。

 この時期のフェミニストたちの課題認識は、生物学的な性差(男性、女性)であるセックスと、その上で組み立てられる社会文化的な意味づけ(男性性、女性性)であるジェンダーという二元的な区分を採用し、セックスに対してジェンダーを優位に位置づけること。男女の社会的性差(ジェンダー)を階級格差と位置づけ、劣位に置かれた「女性」という階級の解放を求めることにあった。アン・オークリーは、「妊娠と授乳ができる」ことが、それ以上のことを女性に要求するための正当化に用いられていると批判し、ケイト・ミレットは「父権制」が支配的な構造を作り上げていることを立証しようとし、フェミニズムの問題領域を生物学的な基盤から文化の領域へと移行させた。

 フェミニストたちがセックスに対してジェンダーを優位に位置づける傾向は現在まで続いている。


〈第三波フェミニズム〉
 1980年代後半から広がった第三波フェミニズムは、冷戦終結以後、グローバル化と脱産業化、個人主義の時代を背景にする。公的権利の獲得や雇用機会の均等など、名目上の男女平等が達成され、日本においても、フェミニズムはアカデミズムで確固とした地位を獲得し、第二波までのフェミニストが要求してきた政策課題は法律や行政に組み込まれるようになった。

 フェミニズムは目的を終えもう必要ないとする動きも出る一方で、フェミニストの関心は、より個人主義的でミクロな問題に移行し、サブカルチャーやポップカルチャー、メディアを通じてフェミニズムを広げる活動が活発化する。

 第三波において、フェミニストたちの課題認識に大きな変革が起こる。第二波までのフェミニズムが白人・中産階級・異性愛女性を「標準」と位置づけていたことの反省から、差別の複合的な構造に目を向けるインターセクショナリティ(交差性)が標榜されるようになり、意識的に有色女性や貧困女性、セクシャル・マイノリティを包摂するようになる。男女のセックスとジェンダーの他にも、人種や階級、セクシュアリティ、障害の有無など、複合的で男女の二元に還元できない問題があることを認識する中で、フェミニズムは「女性=被害者」という単純化されたモデルを手放さねばならなくなる。

 結果として、「女性」というカテゴリの複雑化と細分化が起こったものの、主な担い手が高学歴中産階級女性であることに大きな変化はなかった。


〈第四波フェミニズム〉
 2010年代後半以降の現在は、第四波フェミニズムといわれている。スマートフォンの普及と同時期に拡大した第四波は、基本的には第三波フェミニズムと同じ課題認識を持っているが、「性」とアイデンティティをめぐる様々な問題がより中心化している。インターネットの普及、とりわけSNSに代表される情報発信媒体(メディア)が増えたことで、個人のメディアへのアクセスが容易になり、フェミニズム自体がよりポピュラーなものになった。

 特筆すべきは、「#MeToo」を始めとした、SNSのタグ付け機能を活用したハッシュタグ・フェミニズムという手法である。SNSの双方向性と拡散性によって、個人の経験や問題意識の共有、コミュニティ形成、運動への参加を呼びかけるこの手法は、フェミニストたちの問題意識や議論だけでなく、対立や分断もおおいに可視化させる。


現在のフェミニズムの問題点

 第四波フェミニズムの問題は大きく3点、ポピュラー化と権威化、過剰な可視化にある。

 第三波以降、社会的地位が向上したフェミニズムは、大手メディアに「ブスのババアの僻み」と揶揄された第二波までとは異なり、日々メディアで肯定的に取り上げられ、企業はフェミニズムを「上昇志向」な消費者向けのPRに使うようになった。その一方で、自らの権威性に無自覚な有識者フェミニストなどが、SNSで頻繁に炎上するようになる。フェミニズムは対立や論争とともに拡大していった思想・運動であり、「女性」というカテゴリ自体が複合的な性質を持つ以上、論争が起こること自体は必然であるのだが、地位や権威を持ったフェミニストらが正当な批判に対しても「女性差別」「キモいおじさん」と被害者ポジションを取って応戦する様は、ネット民を大いに失笑させ、Twitter上でフェミニズム的な言動を展開する人々をやや侮蔑的に指す俗語として使われていた「ツイフェミ」と、「フェミニスト」という言葉の境界線は曖昧になる。

 キーワードマップ作成ツールに「フェミニズム」と「フェミニスト」を入力すると、その結果には大きな乖離がある。フェミニズムが「本」「論文」「歴史」といった一定の権威性を持つものとして認識される一方で、フェミニストは「炎上」「ひろゆき」「論破」など、香ばしい存在として認識されていることがわかる。フェミニズムは確固とした地位を獲得したが、フェミニストは歴史を通じて変わり者と思われているだけかもしれない。

「アテンション・エコノミー」とは、メディアの増加による情報過多の状態により、情報の質よりも人々の関心や注目を集めること自体が重視され、資源または交換財になることを指す言葉だが、アテンション・エコノミーがもたらす負の側面は第四波フェミニズムにおいても顕在化している。

 リツイートやいいねの数が多ければ「個人の経験」から「社会問題」になるハッシュタグ・フェミニズムの構造は、「最も可哀想な被害者」や「利他的な懲罰を与えるにふさわしい物語」を求める欲望を刺激する。告発者が美しいことも重要だ。結果、差別の複合的な構造に目を向けることよりも、情動を刺激する視覚や表現が優先され、第三波において手放されたはずの「女性=被害者」という単純なモデルが復活する。

 第四波フェミニズムの問題であるポピュラー化と権威化、過剰な可視化は、現在フェミニズムがインターネットで炎上する原因そのものなのである。


文/柴田英里
 

PROFILE:
柴田英里(しばた・えり)

現代美術家(彫刻中心)・文筆家。1984年生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科彫刻領域修士課程修了。著書に『欲望会議「超」ポリコレ宣言』(千葉雅也、二村ヒトシとの共著。KADOKAWA刊)。主な論考に「いつまで“被害者”でいるつもり?──性をめぐる欲望と表現の現在」(『早稲田文学増刊女性号』筑摩書房刊)など。
Twitter @erishibata


 


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