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激レアインタビュー『テコンダー朴』原作者・白正男の謎に包まれた半生が明らかに 取材・文/高野房道 イラスト/山戸大輔

2022.10.21(金)



人権派格闘技漫画の金字塔『テコンダー朴』の原作者である白正男の、作品開始15周年記念特別インタビュー。今までまったく情報を公開してこなかった氏がついに誌面に登場、僕らの質問に答えてくれた。珠玉の激レアインタビューに刮目せよ!


あえて皇帝に即位しなかった

――今年でテコンダー朴は15周年を迎えますね。先生おめでとうございます。
 正しい歴史認識では休止期間があったから実質7年くらいだろうか。
――2007年に最初の掲載誌『スレッド』(晋遊舎)が休刊、15年に『ジャパニズム』(青林堂)で連載再開、19年に『実話BUNKAタブー』(コアマガジン)に移籍。約7年ですね。
 7年も続けられたのは読者の応援があったからだ。この場を借りて読者にお礼を申し上げたい。
――今日は作品についてだけでなく、先生の人となりについてもお話を伺えたら幸いです。
 職業は義士。日本生まれの日本育ち。実用レベルの言語は日本語だけ。英語、ドイツ語も少し。ヒンディー語は罵倒語だけ。タイ語は料理名だけ。
――先生、韓国語は?
 自分は国の発展度をゲーセンと食文化で判断する。タイは後進国という風潮だが、首都バンコクのゲーセンはなかなかの活況だった。食文化のレベルは世界最高峰の先進国と言っても過言ではない。好きなタイ料理はソムタムとナムトック。ナムトックは普通の豚肉ではなくコームーヤーン(豚トロの炙り焼き)を使った方が美味い。
――なるほど。それで韓国語は?
 自分は知識人としての嗜みでドイツの詩文をいくつか丸暗記している。ドイツ人を威嚇する手段として非常に有効。ハイネなどの暗唱を披露して、ドイツ女子にチヤホヤされたことも一度や二度ではない。
――もしかして韓国語は話せない? 韓国に行ったことは?
 いきなりヘイトスピーチかよ?
――し、失礼しました。先生は海外旅行が趣味ということでしょうか?
 趣味というわけではない。定期的に海外に赴いていたのはあくまで義士活動の為だ。
――義士活動ですか? それはどのような活動なのでしょうか?

 日本帝国主義の打倒、資本主義の打倒、そして世界革命の成就。その為に万国のプロレタリアートに、特に後進国の人民に、人権思想を啓蒙して……。
――なるほど、よく分かりました。ご回答ありがとうございました。単行本の著者紹介によると先生のご職業は「義士、漫画原作者」とあります。義士と漫画原作の兼業なのですね?
 便宜上そのように表記したが、漫画は義士活動の一環として位置付けている。漫画は人権思想を広める手段の1つでしかない。
――その手段として漫画という表現方法を選んだのはなぜでしょうか?
 難解な文章を書いてもインテリにしか届かない。正しい歴史認識と人権思想を幅広い層に広宣流布するには漫画が最適と考えた。人権派格闘技漫画というスタイルにすることでインテリ層だけでなく、これまで人権思想と無縁だった非インテリ層にも届く可能性が高くなると考えたのだ。
――劣等民族の知的レベルに合わせて漫画にしたということですか?
 いきなり差別かよ? 漫画はテキストと絵を組み合わせた高度な総合芸術。漫画を無礼るなよ。
――し、失礼しました。漫画原作はともかく、義士って仕事なんですか?
 金銭を得る為の労働だけが仕事ではない。男子が何か大事を成し遂げる為の行動も広義の仕事と言える。義士とは職業と言うよりは生き様と言った方が正鵠を射ているかもしれない。
――生き様ですか? そう言えば先生はいつから義士になられたのでしょうか?
 自分が義士として生きる決意を固めたのは18歳の時。場所は北京、紫禁城。
――紫禁城ですか? 『ラストエンペラー』の舞台にもなった清朝の皇居の?
 そうだ。かつて皇帝の居城だった紫禁城は今は一般開放されていて、観光客も中に入ることができる。皇帝の玉座を見学していた時、1人だけいた警備員が急にどこかに行ってしまった。周囲の観光客は何も気がつかない。しかし白正男に電流走る――! その瞬間、天啓を得た。自分は天に皇帝として選ばれたのだとはっきりと理解した。
――え? どういうことですか?
 玉座と自分を隔てる物は一本のロープのみ。警備員がいない隙にそれを乗り越えて玉座に座れば、皇帝に即位できるのだ。
――……先生は中国人ではないですよね? 中国の皇帝にはなれないのでは?
 無識な●●●●●【編注・伏せ字とさせていただきます】は『大義覚迷録』も読んでないのか? 中国では天意によって選ばれた聖人君子が天子となる。孟子も「舜は東夷の人であり、文王は西夷の人である」と言っている。漢人であることは天子の必要条件ではないのだ。チンギスハンやヌルハチにできたことが俺にできないと思うか?
――なるほど。それで先生は皇帝に即位されたのですか?
 結論から言うと自分は玉座に座ることをせず、皇帝にならなかった。天下万民を救う為に義士として生きることを選んだのだ。皇帝となって中原に覇を唱える道よりも、漫画で日本人に正しい歴史認識と人権思想を広め、SNSでキッズに塗り意識を啓蒙する道を選んだ。
――先生が皇帝に即位しなかったおかげで『テコンダー朴』が読めるわけですね。先生のご決断には感謝しかありません。ところで塗り意識って何ですか?
 スプラトゥーンはキルゲーではなく塗りゲー。塗り意識が何より大切なのだ。つまり塗りは……【編注・白先生はゲーム論を1時間くらい語ってくださいましたが誌面の都合上カットします】

安倍晋三の政策に最高の評価

――7月8日に安倍晋三元総理が銃撃されて亡くなりました。間が悪いことに7月25日発売の単行本第8巻のカバーイラストが阿倍野総理でした。何か影響はありましたか?
 まず前提として、本作品はフィクションです。登場するキャラクターは全て架空の人物です。実在の人物とは一切関係ありません。阿倍野のモデルが安倍元総理ではないかと一部で言われているらしいが、それは誤解であると明言しておく。
――そうなんですか。私も誤解してました。オリジナルのキャラなんですね。
 左様。完全オリジナルと言っても過言ではない。ともかく単行本第8巻の発売直前に暗殺事件が起きた。出版社が日和って発売延期するかもしれないと思い、事件当日に編集に問い合わせた。しかし編集の回答は「編集部も会社も誰も問題視してないので予定通り発売します」だった。

――さすがコアマガジン。良心的人権派出版社の看板に偽りなしですね。
 帯を差し替えて「追悼」の文字を入れることを編集部に提案したが、既に印刷が始まっていて無理だった。それで編集部から出された代案が「追悼ポップ」だった。

――ネットで話題になったやつですね。これは安倍元総理に対する追悼なのですか?
 少しネタバレになるが第8巻で阿倍野は死亡している。この「追悼」が誰に向けたものなのか、阿倍野か安倍元総理か、それは読者の判断に任せたいと思う。

――阿倍野はキャラクター人気投票で1位を取った人気キャラでしたね。
 『あしたのジョー』の力石徹や『北斗の拳』のラオウが作中で死亡した際には、ファンイベントとして葬儀が行われた。追悼ポップで阿倍野を追悼したとしても正しい歴史認識では問題ないはず。

――安倍元総理の暗殺事件については、どうお考えでしょうか? 一部では山上徹也容疑者を義士と称賛する向きもあるようですが。
 そもそも義士という言葉は軽々しく扱うべきではない。正しい歴史認識では、義士と呼ばれるのに相応しい人物は歴史上、安重根くらいしかいないと思う。
――先生も単行本の著者紹介で「職業:義士」と自称しているようですが?
 現代の日本、いや全アジアにおいて義士と呼べる人物は自分しかいないのは明らか。何か異論でも?
――いいえ、異論などございません。山上容疑者については?
 事件発生からまだ日が浅く、判断する材料が揃ってない。棺を蓋いて事定まる。公正な評価は後世の人間に委ねたい。現体制での裁判では単なる殺人犯として断罪されるだろうが、「歴史の法廷」でどのような評価が与えられるか、それは現在の我々には知る由もないこと。
――どこか山上容疑者の肩を持っているようにも聞こえますが?
 そんなことはない。自分はテロリズムには否定的。しかし国家権力に対する暴力的手段の行使は、場合によっては是認されることもあるだろう。国家権力の不法な行使に対して人民が抵抗する権利、いわゆる抵抗権には非合法的な手段も含まれているとされている。
――カルト宗教と癒着した日本政府に対して抵抗権を行使したと? そもそも日本国憲法に抵抗権の規定はありましたか?
 そもそも現在の日本の法はブルジョワ法であり、支配層であるブルジョワ階級に都合良くできている。だからプロレタリア階級の人民は現行の法律を遵守する必要はない。自分が遵守するのは朝鮮民主主義人民共和国の法だけ。無制限の絶対忠誠を誓うのは偉大なる金正恩元帥様だけ。
――なるほど、そうなんですか。安倍元総理についてはどうでしょうか?
 まずは凶弾に倒れた安倍元総理に哀悼の意を表したい。繰り返し述べるが自分はテロには否定的。テロという手段が非合法だから否定するのでなく、正しくないから否定する。正しくない手段で得られた結果に価値はない。時間がかかっても言論によって世の中を良い方向に変えていくべきだと思う。安倍元総理の業績については賛否あるが、これも「歴史の法廷」の審判を仰ぐべきだと思う。個人的には「憲政史上最高の大総理」と評価している。
――だ、大総理ですか? 一体何を評価されたのですしょうか?
 安倍政権の時にばら撒かれたコロナ給付金10万円。あれはまさしく憲政史上最高の政策だった。当時やっていたソシャゲのガチャを天井できたのは給付金のおかげ。基本的に自分はガチャに課金するのは抵抗感があるが、給付金とかいうあぶく銭なら気楽に使えた。欲しかったキャラをゲットできて感謝しかない。
――な、なるほど……もしかして高評価の理由はそれだけですか?
 キャラが立っていて漫画に使いやすかった。もちろん阿倍野と安倍元総理とは何も関係はないが。
――よく分かりました。ありがとうございました。

本記事で省略しました作品誕生のあらましや、白正男氏と『テコンダー朴』作画担当の山戸大輔先生との出会いについては、雑誌「実話BUNKAタブー」2022年12月号に完全版の記事が掲載されてます。興味のある方はぜひこの機会にお読みくださいますようお願いします。

PROFILE〈白正男〉
職業:義士、漫画原作者。出身成分:核心階層(抗日戦士)。正しい歴史認識と人権意識を啓蒙するため、本誌(実話BUNKAタブー)連載作品『テコンダー朴』の原作を担当。

取材・文/高野房道
イラスト/山戸大輔

[初出:実話BUNKAタブー2022年12月号]


 


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