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9本目『怪奇!幽霊スナック殴り込み』その6:杉作J太郎のDVDレンタル屋の棚に残したい100本の映画…連載20

2021.12.03(金)


杉作J太郎の
DVDレンタル屋の棚に残したい100本の映画

9本目その6・『怪奇!幽霊スナック殴り込み』

 真夜中に炎の球を釣り竿の先からぶら下げてふらふらさせているのだから見た人が怒るのは当たり前の話であった。
 すぐに水をかけて消すことと、建物には近づけていないと説明して理解してもらった。
 火の玉の撮影は困難だとやってみて初めてわかった。
 燃えるか燃えないかではない。
 なにかに燃え移る可能性がある場所で、やってはいけない撮影だったのだ。
 考えてみれば花火と一緒なのだ。真夜中に住宅街の路地で花火をする人はいないだろう。部屋の中で花火をする人はいないだろう。それと同じだ。いや、花火よりも安全性は低いだろう。炎の大きさは花火よりはるかに大きい。
 火の玉の撮影を円滑に進めるには消火班、燃え移らないように監視する班だけで十人ぐらいの人員がいて実現できるものなのだとやってみてわかった。いや、撮影所とか、万一燃えてもいい場所とか、そうでなければやってはいけない。やってみてわかった。
 だが。
 火の玉の撮影はまだ残っていた。
 今度は室内であった。
 さっき記したが、部屋の中で花火をする人はいない、それは間違いない。
 撮影は中止するべきかと思ったが、タナダさん演じるスナックのママさんが幽霊たちと仲良くなる。仲良くなったママさんと幽霊たちは巨大権力、巨大暴力に立ち向かっていく。その仲良くなった様子を敵が覗き見する。敵の目に映ったのは火の玉三個を相手に楽しそうに話しているママさんであった、というたいせつな場面なのだ。全体の中で最も大事な場面であった。どうするか。欠番にするか。撮らずに「これこれこんなことがありました」と、見た男が報告するだけにするか。とも思ったがそれでは話にならない。絵で見せるから映画なのだ。この絵はどうしても見せたい。
 撮影場所はママさんの経営するスナック店内。
 阿佐ヶ谷駅からすぐ近くの喫茶店『よるのひるね』をママさんのスナック『キャニオン』として撮影はもう進んでいた。同じような店内をどこかに作って火の玉の撮影をするという手段も当然ある。ちゃんとした会社で作る映画ならそうする。
 だが、この映画の撮影費はすべて私の自費であった。
『よるのひるね』の主人は門田克彦さん。出版社『よるひるプロ』を経営しながら漫画雑誌『アックス』でおなじみ青林工藝舎の営業の仕事もしていた。
『よるのひるね』は温かみのあるウッディなお店。ほっこりという言葉は『よるのひるね』のためにあると思う。店内には書籍や雑誌もたくさんある。
 ある日。門田さんが言った。
「まさか、店内で火の玉の撮影しないでしょうね」
(この項、つづく)

『怪奇!幽霊スナック殴り込み』(2006年・男の墓場プロダクション)
出演/タナダユキ、リリー・フランキー、島口哲朗、鈴木一功、横山剣、大槻ケンヂ、漁港、古澤裕介、DJオショウ、田口敬、内藤研、石熊勝巳、モンロー、井上則人、せきまさ、希和、奥平イラ、田原章雄、DJタキシット、ナイス橋本、高谷洋平、山田ゴメス、ごっしー、篠本634、高木JET晋一郎、有村昆、岩岡としえ、黒ゴマ♂、山田広野、大森昌宏、伴ジャクソン、藤崎望、福田高士、桐原史子、佐々木洋、上本輝雄(男の墓場ニューフェイス)、能地祐子、浅川満寛、手塚能理子、山田五郎、安斎肇、川勝正幸、みうらじゅん
監督・脚本・撮影/杉作J太郎
音楽/柳家小春
恐怖効果音/ファンク入道(ダースレイダー)
主題歌/クレイジーケンバンド『まっぴらロック』

<隔週金曜日掲載>

記事バックナンバー:https://wp.me/p95UoP-ik

写真:『怪奇!!幽霊スナック殴り込み!』DVD
販売・キングレコード
https://books.rakuten.co.jp/rb/4103775/ 
※編集部注:配信上の都合でリンクが貼れないのですが、「A」がつくネット通販では中古商品のみとなりますが入手可能です。また、SHIBUYA TSUTAYA等で正規レンタルが可能です。

杉作J太郎(杉作J太狼XE) twitterアカウント
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【杉作J太郎:プロフィール】
すぎさく・じぇいたろう
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める(男の墓場改め)狼の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。

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