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『ゴースト刑事』:杉作J太郎のDVDレンタル屋の棚に残したい100本の映画…連載7

2021.05.28(金)


杉作J太郎の
DVDレンタル屋の棚に残したい100本の映画

4本目・『ゴースト刑事』

 むかし、町にはレンタルビデオ屋がたくさんあった。駅前の大型店から路地裏の木造モルタルアパート2階の超小型店まで。本当にいろいろ、たくさんあった。商店街の途中にいきなりあったり、郊外の寂しい道路沿いにぽつんとあったりもした。そのほとんどがなくなってしまった。まるで夢か嘘か魔法である。
 たとえば木造モルタルアパート2階にあった店。これはもうふつうの部屋を店舗にしているので6畳ぐらいの広さしかなかった。棚がふたつかみっつありビデオが全部で100本あっただろうか。100本はあったかもしれないが200本はなかった。ビデオをたくさん持っている友達の家みたいな感じだった。この中から見たいビデオを探す作業はほとんど無理やりである。ありきたりのものしかないのだがそのありきたりの中から選ばなければならない。ズバリ見たいものがあるわけではないので妥協点を見つけなければならない。借りずに出ていくというのも店が広くて客が私以外にもいれば簡単だが狭い6畳の部屋では難しい。店主が期待に満ち満ちた顔でこちらを見ている。
 最初、知らずに私はその小さなレンタルビデオ屋に飛び込んだのである。ある日突然、駅の近くのアパート2階にレンタルビデオ屋のカンバンが出ていたから。
「えーっ? こんな2階に?」
 とは思ったが、冒頭に記したように当時は本当にいろいろな規模のレンタルビデオ屋がたくさんあった。小さな駅で周辺に3店舗ぐらい。大きな駅だと大小合わせて5店舗ぐらいあっただうか。そしてそれぞれ置いてあるビデオの傾向が違っていた。なにからなにまで揃えるほどそれぞれ大きくない。おのずとタイトルを絞り込まなければならない。大昔のいわゆるクラシックが多い店、アニメや特撮といった子供向けが充実した店、やくざ映画が強い店、あー、この店の人はこういう映画が好きなんだな、というのが伺えてたのしかった。
 その頃、私はレンタルビデオ屋の業界誌にも連載を持っていた。業界誌の勧めるタイトルというのもはっきりあって、そういうタイトルにはポップやポスターだけでなく特典やおまけが付いてくることを知っていた。そういう特典付き、おまけ付きのタイトルを多く仕入れている店もあった。そういう店はなんか雰囲気が平板でつまらなかった。つまり個性に欠けてくるのであった。私は好きなタイトルが多い少ないよりも、偏りの強い個性的なレンタルビデオ屋に行くほうがたのしかった。好きなタイトルはすでに見ているわけだし、新しい映画との出会いをくれるのは偏りの強い店だからだ。そしてそういう店は外観、内装、雰囲気、どこか個性的でたのしかった。
 そうした個性は商売としてはあったほうがよかったのか、なかったほうがよかったのか。超大型チェーン以外、ほとんどが姿を消してしまったいま、どちらも結局同じ道を辿ったということではあるのだろうけれども。
 いや、まだ全国のどこかには小さな店だけど営業を続けておられるレンタルビデオ屋もあるのではないだろうか。あるような気もしてきた。そしてそれはやはり個性の強い店だろうという気はするのです。
 話戻して。木造モルタル2階のレンタルビデオ屋。その品揃えはどうだったかというと。大ヒットした洋画を中心に、いま、その時代に最も有名であろうタイトルを並べていた。そのほとんどは私が別に見たくない映画で、ほんのすこしでも興味のあるものはすでに見ていた。
 それでもなんとか一本選んでレジに持っていくと会員登録だがこれはなんと自分で会員登録ノートに住所氏名を書き込んで終わりだった。免許証を見せたかどうか。見せたかもしれないがコピーを取ることはなかった。目視確認であった。そして借りるタイトルは別のノートに店主がタイトルと日付を書き込む。
 こういう店も全国にあったんだろう。それからよせばいいのに返しに行ってまた借りた。何度か続いた記憶がありますがもう限界だと思ったのでしょう。家が近所だったので便利ではありましたが借りるのをやめた。やめても近所にはまあまあの大型店がひとつ、商店街にも小さなコンビニぐらいの大きさの店がひとつあったので困ることはなかった。
 レンタルビデオ屋が世の中にたくさんあった。メガチェーン以外ほとんど消えた。冒頭に「むかし」と書きましたがまだ20~30年ぐらい前の話である。
 レンタルビデオが隆盛を迎えていた、その頃。蟹江敬三さん主演の『ゴースト刑事』は世に出たのだ。

『ゴースト刑事』(1992年・日本クラウン)
出演/蟹江敬三、石橋保、松下京子、津村鷹志、坂西良太、石田太郎、不破万作
撮影/加藤正幸
音楽/津島利章
監督・脚本・企画/水川淳三

(この項、つづく)

<隔週金曜日掲載>

写真:おすすめDVD/『ゴースト刑事』(発売元:徳間ジャパンコミュニケーション)※写真はVHS版。

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【杉作J太郎:プロフィール】
すぎさく・じぇいたろう
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める(男の墓場改め)狼の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。

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