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『ベルセルク』未完:ロマン優光連載187

2021.05.21(金)


ロマン優光のさよなら、くまさん

連載第187回 『ベルセルク』未完

 ゾッドが好きだった。いや、今でも好きなことに変わりないのに、なんで過去形で書いてしまったのだろう。別れの知らせはあまりにも唐突すぎて、整理が全然できてないようだ。このペースで物語が進んでいると『ベルセルク』が未完に終わるかもしれないというようなことは冗談混じりにネットで語られることはあったが、三浦先生と初期の頃からの読者が老境に入っても物語が終わってないかもという話であって、こんな風に三浦建太郎という漫画家と『ベルセルク』という物語に別れを告げることになるなんてことは、これっぽっちも思っていなかった。
 Twitterのタイムラインに流れてきたPENPALSの『TELL ME WHY』を出来心で聞いたら泣いてしまった。誰だ、あんなの貼ったの。
 一冊だけ読むと続きが読みたくなってつらくなるので、5巻ぐらい溜まるのを待ってから、まとめて読む。できるだけネタバレを避けようとはするのだけど、ついつい気になってしまい、うかつに先の展開を知ってしまう。ここ何年かそうやって読んできたのだけど、それも後一回ぐらいだ。
 初期のコズミック・ホラー臭のするヒロイック・ファンタジーが、鷹の団篇あたりから物語がうねりだし大河ダーク・ファンタジーになっていくわけだが、ここまで壮大なものになるとは、あの頃は思っていなかった。ファンタジーというものは、現実の世界にはない別の因果律に支配された世界を描いたものであり、世界それ自体を造りこむことが大切だと思っているし、その世界の設定と物語が分かち難く絡み合っていた方がいい。既成の「ファンタジー世界」の影響をストレートに反映させた作品、物語に世界の設定があまり関わってこない作品も多い中、『ベルセルク』は自分が思うファンタジーらしさがしっかりある作品だった。
 なんというか、『ベルセルク』について話すことはいっぱいある。いっぱいあるのだけれど、今はちゃんと話せるような気がしない。話したくないのか、話せないのかわからない。それもよくわからない。わかるのは今話しても楽しい気持ちになるわけがないということだ。
『ベルセルク』には、親、あるいは保護者であるべき大人に棄てられ、虐待され、搾取された子供たちが多く登場する。ガッツをはじめ、本当にしつこいくらいに。
 存在しないかのように扱われるもの。人間扱いされないもの。乗り越えて「人間」になろうとするもの。乗り越えるために「人間」をやめようとするもの。運命に抗うもの。運命に飲み込まれるもの。
 ガッツがどんな最期を迎えるにしろ、人間らしい心で迎えてほしいと、私は思っていた。運命に抗った結果、人でなくなるなら、あるいは物理的には人でも人の心を失ってしまうとかいうのでは哀しすぎるから。実際どうなったのかを確かめる術はもうないのだけれど。ただ、先生がハッピーエンドにするという話をしていたというのは読んだ。そうなったら、よかったなと思った。
 ただただ、混乱していて何を書けばいいのだろう。「モズグスの連れてる六人のうちの誰が好き?」みたいな話を他人としていたかったし、したいはずなのに全然する気にもなれず、自分が今も驚愕したままなのか、悲しいのかもよくわからず、ぼんやりと落ち着かない気持ちのまま、過ごしている。

(隔週金曜連載)

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【ロマン優光:プロフィール】
ろまんゆうこう…ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『日本人の99.9%はバカ』『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。現在は、里咲りさに夢中とのこと。twitter:@punkuboizz

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楽天ブックス
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