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都知事選の泡沫候補:ロマン優光連載164

2020.07.03(金)


ロマン優光のさよなら、くまさん

連載第164回 都知事選の泡沫候補

 東京都知事選挙という都民にとってババしか入ってないトランプをやらされてるかのような暗鬱たる気持ちにならざるを得ないイベントがやってきた。現職である小池百合子氏は実績よりも「やってる感」を出すことに長けた人物であり、コロナ対策にしても、防疫対策として適切な処置をとってきたのか、それに関わる経済支援を迅速に行ってきたのか、疑問が残る。東京アラートとはなんだったのだろうか? しかし、氏が一番都知事の座に近い場所にいる人物なのは事実として否めない。
 青島幸男氏以来、タレント知事のような人物しか都知事になることはなく、知名度で知事が選ばれるような結果が続いてきた。地味でも地道にやってきた政治家が都知事になるようなことは久しくないし、各党も世間的な知名度で候補を立てるような事態がずっと続いている。政策云々ではなく、知ってる人だから票を入れるような人が多いということ、政党側・政治家側がそう思っているということなのだろう。そういう中で政治的な期待を込めて誰かを選ぶことは本当に難しい。
 知名度がある人が勝つし、誰がなっても同じという気分は都民の間にずっと続いてきているのだろうし、それが投票率の悪さに拍車をかけているのもあるのだろう。

 今回の泡沫候補を見ていると、よけいにうんざりしてくる。売名の場として都知事戦を考えているようにしか見えない人が多いように感じる。ウケ狙いで「面白い」ことをやって耳目を集めたいだけに見える人が多い。
 かつての奇妙な泡沫候補たちの多くは少なくとも本気だった。東郷健はゲイの地位向上という政治的な信念をもって都知事戦の場で意識的に耳目を集めるパフォーマンスを行い、問題提起をしようとしていた。又吉イエスも主張はともかく、本人は本気で世のため人のために政治を変えようとしていた。そういった候補の中で例外的に内田裕也に関しては、よくわからない。売名というわけでもないし、特に政治的なビジョンがあったわけでもないだろう。あの人は、多分やってみただけなのだ。今回だって本気の泡沫候補はいるのだが、大半が地味で目立たない。 主張に独自性などあまり見られないような、露骨な人種主義者とか、ありふれた陰謀論を振り回す陰謀論者みたいな人ばかりが目につき、イヤな気分にさせられるだけだ。
 政治的な主張をアピールするための意図的なパフォーマンスを面白がること、オブセッションにとらわれた真面目な奇人を笑い者にすることの二つが混同された状態で泡沫候補を笑って楽しむ文化が90年代には悪趣味サブカルの一つとしてあったわけだが、そういうものが未だに残ってるのはツラい気分になるもので、はしゃいだ同年代のおっさんがTwitterで泡沫候補の街頭演説のレポをあげたり、サブカル系の変わった個性が売りの地下アイドルが面白くも何ともない目立ちたいだけの泡沫候補に「大好き! 投票する!」とか言ってるのを見ると、ほんとに失神しそうになる。自分たちの生活がかかってるんだから、少しは真面目にやらないと(泣)。
 今回の泡沫候補たちに見られる傾向は、政治を変えようとか本気では思っていない、本気で主張していない、自分が注目を浴びる場として都知事戦を使っている候補が増えているということだ。香港の住民が命がけで守ろうとしていた権利を単におふざけのために使っている。それを見ているのは本当に辛い。
 おふざけで売名して承認欲求を満たしたいだけなら、まだいい。政治自体をバカにするような、法律の裏を欠くような悪フザケをしながら、話題性を使って特定の身内に利益誘導するために選挙や政治を利用しているような連中に比べたらマシだとは思う。こういう連中は選挙で勝つことを目的にしているわけではなく、この悪フザケにのせられてしまうような人間を鴨にして、世間をバカにして得た優越感と金で喜んでるような連中だ。真面目な人が怒っても炎上ビジネスに利用されるだけなので相手にしないのが一番。そんな連中が、自分が作った本の宣伝のために悪フザケな手法で選挙を利用するとか言い出しても止めたりしないような編集者とか本当に何なんだろう。
 売名で都知事戦に立候補したが、選挙活動を通じて政治の大切さに目覚め、目立つ街頭パフォーマンスと共に若い世代が選挙に参加する大切さを訴える活動をするようになったスーパークレイジー君・西本誠氏なんかは、真面目なんだろうし、投票に参加することは確かに大切なのだが、本当は都知事に立候補する前に気づいてなければいけないことではないだろうか…。いや、彼個人が悪いとかそういうことではなく、選挙が自分たちの生活を左右する大事なものであり、参加することが大切だということを、この国が教育の中でちゃんと伝えようとしてこなかったという実情が如実に現れているということなのだが。

 とにかく、政治という人の生活や生死に直結しているようなもので悪フザケ(しかも面白くもない)したり、それを面白がって支持したりするの、ろくなことにならないし、それやってると間違いなく今より悪くなるだけだから、せめて本気でやってほしいものです……。

(隔週金曜連載)

写真:5月31日・N国六本木演説

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【ロマン優光:プロフィール】
ろまんゆうこう…ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『日本人の99.9%はバカ』『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。現在は、里咲りさに夢中とのこと。twitter:@punkuboizz

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