コンビニのイートイン:杉作J太狼XE「美しさ勉強講座」連載92
2019.01.18(金)
軟弱な男たちの姿に見かねて、あの先生が立ち上がった!
杉作J太狼XE先生の「男の偏差値がぐんとアップする美しさ勉強講座」
92時限目・コンビニのイートイン
帰宅しない女子中学生や女子高校生を俺は全国のイートインコーナーで見かけた。帰宅できないのか、帰宅したくないのか。彼女たちの横顔は一様に寂しげであった。
(以上、前回までのあらすじ)
というわけで今回、コンビニのイートイン、その話の続きだが。
本当に不思議である。
郊外型あるいは地域基幹店とか、広いコンビニだと喫茶店やファミレスみたいなテーブル席が用意されていてその場合、客層はさまざまだ。暇つぶしの老人もいればビジネスマンもおばさんもカードゲームしてる男子学生もいる。
問題はカウンター席だけの場合だ。
そんなに席数もない、5席から8席程度のカウンター型イートイン。道路あるいは駐車場の窓際に向かって位置するタイプのあれ。よくあるでしょう。あのタイプのイートインに座っているのは女子学生が多い。
弁当とか肉まんとかパスタとかカップラーメンとか、食べようかとイートインコーナーに向かい先客がいる場合。かなりの確率で女子学生である。学校帰りの女子学生である。
と、俺が書くと、女子高校生とかに関心があるもんだから目に付くんだろー、と思われるかもしれないが絶対にそうではない。
まず、俺がコンビニのイートインでなにか食べる時間帯の問題がある。
昼ならラーメンか牛丼かファミレスのランチか、夜はめしやか家に帰って作って喰う。俺は料理するのが好きなのだ。
量的にも値段的にもコンビニの弁当は食事としては中途半端なのだ。
と書いたがコンビニチェーン「ポプラ」の弁当だけは別である。
めしの大盛りが可能である。ある時期などは超大盛も無料であった。ポプラの弁当は炊き立てのあたたかい白米を弁当に詰めてくれるのだ。この超大盛というのが大きなどんぶりに二杯か三杯ぶんぐらいのボリュームがあった。普段の生活時も、長距離移動中もたいへんにありがたかった。感謝しております。
が、ま、一般的なコンビニ弁当はレンジで温めるためということもあるのだろうか、あるいは女性客にも利用してもらおうということだろうか、いや、そもそも男女問わずダイエット時代つまりカロリーの過剰摂取に用心しているからか、要するに量が少ないのである。少ないと思ったらサラダ、おでん、スープ、おにぎり、カップ麺などを買えばいいのだろう。だがそれだと料金が高くなる。
ともかく、俺の場合。
昼や晩は量の問題もあって飲食店か自宅で喰うから俺がコンビニでなにか食べるのは昼飯を食いそびれた午後、夕方、あるいは夜に仕事があってめしを喰う時間がないとき。仕事の前に、たくさんでなくていいから少しでも、現場に行く途中になにか食べておかねばならないとき。
時刻としては。
午後。
夕方。
あるいは宵の口。
この時間がほとんどである。
で、俺は座って食べたいから本当は誰も座っていない、すいている状態が望ましいのだが、世の中、思うようにはならないし、利用者が少なかったらイートインという業態はなくなってしまう。利用者がいることはサービス存続のためにもいいことである。
で、この座っている先客がおっさんやおばさん、男子学生、ビジネスマンとかならなにも気にすることはない。隣に座って食べても、ま、気にならないといえばならない。
「おー、新しい弁当が出たんですなー」
とか話しかけてきたやつもまだいない。
「雨になりそうですなー」
そんなことを小声でつぶやかれたことはあるかもしれないがそれは記憶に残っていない。
というか、餃子の王将や日高屋のタウンターではないので夕方、カウンター席に人が鈴なりになることはまずない。
いてもひとりかふたり。仲間と座っているのもいる。それでも空席がないということはない。座ろうと思えば座れるのだが。
その座っているのが女子学生である確率が実に高い。
冗談でも誇張でもない。
実感として80%以上である。
ちなみにカードゲームしてる男子学生は0%である。あれは横一列では遊びにくいのだろう。または席数の限られたカウンターではさすがに気がひけているのかもしれない。
ま、それはどうでもいい。とにかくそれはそもそも少ない。男子学生には男子学生で別の行動様式があるのだろう。ビジネスマンや職人さんも夕方のカウンター型イートインには少ない。一日の仕事の終わりに向かってそれどころではない。夕方にひといき入れるぐらいなら早く終わらせて飲みに行きたいはずだ。コンビニのイートインはアルコール禁止である。
そして女子学生にも女子学生の行動様式はあるはずで、ほとんどの女子学生がイートインに座っているわけではない。
何人かである。
全国各地の何人かであるが、確実にどこにでもいる。いた。
最初、俺はまったく気になってなかった。
気がついたのはたびたびそういうことに直面したからだ。
近くに座りづらいのである。
時間は夕方。相手は女子学生。俺は男。自分で言うのもなんだが、おっさん。身なりもまともではない。飢えた狼に見えるかもしれない。その飢えた狼または痴漢が弁当喰うふりをして女子学生に接近しようとしている、といかにも思われそうではなかろうか。俺は思慮深い男なのでそう思うのである。
というか、狼や痴漢やブサメンでなくても、なにが引き金になるかわからない。ほとんどの男はその可能性があると思って自分自身を用心するべきだ。それができない、自分は大丈夫だとたかをくくった男こそがいつかなにかやる。罪に問われなくてもDVとかでなくてもなにか迷惑なことをする。すでにしているかもしれない。それに気が付いてない、自分はまともだと思い込んでるから誰かにいやな思いをさせてることがわからない、そんな男や女は世の中にたくさんいる。自分自身を警戒してしすぎることはない。
なので一列の端にひとり座っていれば離れて反対側の端に座ればいいが、端と端、あるいは端と中間とかにそれぞれ女子学生が座っていたりするともういけない。そこに入る勇気は俺の場合、蛮勇である。できない。
なので別のコンビニに向かう。近くに別のコンビニがなければ車の場合は車内に戻り運転席でぼそぼそ喰う。自転車や徒歩移動中の場合は外に出て立ったまま、あるいは歩きながら弁当を食べたこともある。
またか。
あ、またいた。
えー、ここもか。
実録である。
実録として、俺のデータでは女子学生のイートイン率が高いということを身に染みて知っているのだ。
それ自体は構わない。
もちろんだが恨んでもいない。
あたりまえである。
小さい男かもしれないがそこまで小さくない。その修業だけはしてきた。
だが、あたりまえの話とは別の感慨が俺にある。
それは冒頭に記した。
彼女たちの雰囲気は暗い。
さみしげ? 不安? 悲しい? つらい?
おおげさな話ではない。
ことの重大さに戦慄しそうになった。
(この項、つづく)
<隔週金曜連載>
写真:場所◎東京青山
前回 コンビニのイートイン、女学生、その序
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【杉作J太狼XE:プロフィール】
すぎさく・じぇいたろうXE
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める男の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。
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