コンビニのイートイン、女学生、その序:杉作J太狼XE「美しさ勉強講座」連載91
2019.01.04(金)
軟弱な男たちの姿に見かねて、あの先生が立ち上がった!
杉作J太狼XE先生の「男の偏差値がぐんとアップする美しさ勉強講座」
91時限目・コンビニのイートイン、女学生、その序
コンビニのイートインコーナーをよく利用する。
イートインコーナーができる前からコンビニには沸騰式の保温ポットが置かれていてカップラーメンを作って食べたりしていた。その頃は店内でお湯を入れ、店の外に出て、コンビニの表で立って食べていた。
おでんなんかも立って食べていた。
現在製作中『チョコレートデリンジャー』の途中経過報告で原作者の吾妻ひでお先生にお会いした日の帰り道、コンビニでおでんを買って店の表で食べた。もう10年も前になる。
その頃はまだイートインコーナーというものがなかった。あったのかもしれないがほとんどなかった。
その後、俺は住居を四国の愛媛県に移した。
事務所は相変わらず東京の新宿にあるが住居は愛媛県の松前町である。そしてスタジオは愛媛県の松山市にある。
10年ぐらい前から北海道、東北、中京、近畿、中国、九州の仕事が増えてもちろん四国には住居とスタジオがあるので全国を行ったり来たりするようになった。それを俺は基本、自動車を自分で運転してこなしていた。
『トラック野郎』『アイアンキング』といった全国を自動車で行ったり来たりする映画や特撮ものが好きだったこともあり、それはまったく苦にならなかった。が、経済的には飛行機や鉄道に比べると割高なのである。ひとりだと。
自動車がお得になるのは大人数が乗った場合である。東京松山間で考えれば高速代、燃料代、その間の飲食費とでだいたい片道3万円ぐらいかかる。JALやANAだとそれより高くなるが早めに予約すれば1万円ぐらいになる。だから車に4人以上乗ればそれより安くなる。ちなみに鉄道だと2万円よりすこし下。長距離バスで1万円。やはり4人以上乗れば自動車が最強である。途中途中もたのしいし、疲れたら運転を交代することもできる。
が、俺の場合、たまには墓場プロのスタッフが同乗することもあったが、あまりに頻繁に行き来するためひとりのことが多い。長距離運転、長距離移動はひとりのほうがたのしいこともあるのだ。それはひとりで酒を飲むたのしみにも似ている。自問自答。自分と向き合ういい機会になるのだ。
以前、韓国の映画監督と対談したとき、彼も長距離運転が趣味であった。そして「ひとりでなければ意味ないでしょう」とも言った。通訳を介していたので交わした言葉は少なかったかもしれないが完全に理解できた。ちなみに彼は日本のアニメが好きだと言っていくつか作品の名前をあげた。俺は交わす言葉の中で感じた彼の好奇心旺盛かつ孤独ななにかに、
「もしかして、聖闘士星矢も好きではないのか」
と尋ねると、彼は大きくうなずいて笑顔になった。俺と堅い握手をした。何年か前だ。彼はいまもひとりでハンドルを握って夜の高速道路を走っているだろうか。
で、俺はというと、節約の意味が大きいが、高速ではなく一般道を走ることが多い。
飲食も高速だとサービスエリアが主となるので割高となるが一般道だとコンビニもあればスーパーマーケットも百円ショップもディスカウントショップもある。最近は高速のサービスエリアにコンビニが設置されるケースも増えているがまだまだ少ない。
いや、一般道だとその土地土地の飲食店に寄ることができるので旅情では高速道路など敵ではない。その土地土地のオリジナルな食べ物を食べながらお国訛りに耳を傾ける。いいものである。
で、やはり一般道の場合、コンビニがたいへんありがたい。
道の駅もありがたいが夜間は営業してないところがほとんどで、コンビニとは数が違う。コンビニは日本全国、本当にどこにでもある。こんなところに、というような場所にもある。何時間走って一軒の店もない山間部にもある。
もちろん都市部にはたくさんある。
どんなに疲れていてもたくさんあるのですぐ休める。
たいへんありがたい。
そして駐車場もあれば最近ではイートインスペースが充実してきている。イートインスペースには電源もあるのでスマホ類の充電もできる。
サービスエリアにはいまだに電源もほとんどない。道の駅にもあまりない。コンビニのイートインができるまで、本当に俺のような長距離移動者は不便だった。
で、実はここまでの話は前振り。本論の説明である。本論はここからである。長くなったのでここまでが前編。次回、後編で本論をお届けする。
帰宅しない女子中学生や女子高校生を俺は全国のイートインコーナーで見かけた。帰宅できないのか、帰宅したくないのか。彼女たちの横顔は一様に寂しげであった。
(この項、つづく)
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【杉作J太狼XE:プロフィール】
すぎさく・じぇいたろうXE
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める男の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。
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