もうすぐ56歳:杉作J太狼XS「美しさ勉強講座」連載55
2017.08.11(金)
軟弱な男たちの姿に見かねて、あの先生が立ち上がった!
杉作J太狼XS先生の「男の偏差値がぐんとアップする美しさ勉強講座」
55時限目・もうすぐ56歳
前回の続きになります。
室田さんは俺と握手をしてくれた。
そして大ファンだという俺の手を両手で包んでくれて、何本も、何本も、本当に何十、何百本の映画、テレビで見た悪役、いい役、どちらもはまるのが室田さんだが、そのどちらにもあてはまる、よく耳にした声、イントネーションで、
「ちゃかさんでください」
そう言って俺の手をぽんぽんと叩いたのである。
で、さて。俺はいったいぜんたいなにを書こうとしていたのだろうか。室田日出男さんと握手をした、そしてお言葉をいただいた、もちろんそれは記して残しておきたいことだけれども。ネットで遡って数回前に俺が記したことを見ればわかるのかもしれないが、そこに立ち戻ることに意味がないような気もしてきた。というか、なんか、それって普通である。
俺はもうすぐ56歳になる。
まだ独身である。
20歳の頃の自分に言ったら信じるだろうか。信じないだろう。俺は結婚したくない派ではなかった。その頃の俺はまだ童貞だったが好きな女性とほのぼのとするような、こころあたたまる恋愛をして、家庭を持つと思っていた。
だが高く上がったバレンティンの打球が風に流されたのであろうか。
あるいは飛びすぎて場外に飛び出していってしまったのだろうか。
いや、球場の中かもしれない。平凡なレフトフライだったかもしれないが夕暮れ、あるいはドーム球場だと球の行方を見失ってしまうことは珍しくない。俺の思いは、俺の結婚願望は流れ流れて見失ってしまったのだろうか。
もはや、流れ流されて俺は普通ではないのだ。
というか、普通ではどうにもならないのだ。
普通ではないからなんとか生きていけているのだ。
普通ではないからまわりのみんなも許してくれているのだ。
なにを書こうとして室田さんのことを書いたかはもういい。
世の中すべてのものに整合性が必要ではない。
間違ってていい。
ごまかしていい。
なかったことにすればいい。
そんなこともありましたかねとうそぶけばいい。
いまが大切なのだ。
過去にしでかしてしまったことはもうどうにもならない。
ここからがたいせつなのだ。
俺ももうすぐ56歳だがまだ現時点は55歳である。
どんな56歳になるか。まだどうにでもなる。どうにもならないこともあるがそれはむしろ少ない。どんな生き方だってある。
撮影場所◎よるのひるね
杉作J太狼XS監督作品 映画「チョコレートデリンジャー」twitterアカウント
https://twitter.com/choco_derri2017
【中部地方初公開】「チョコレートデリンジャー」刈谷日劇(愛知県刈谷市御幸町)2017/9/30〜10/6まで特別レイトショー公開
◎初日9/30は杉作J太狼XS舞台挨拶+ティーパーティーあり
舞台挨拶詳細:http://www.slowtown.info/2017/spin_5.php
刈谷日劇:http://kariyanichigeki.com/
お知らせ
杉作先生のLINEスタンプが発売中です。なんと、キャラクターが動くのです。これは衝撃!
「動く!杉作J太郎のあなたに捧げるスタンプ」
https://store.line.me/stickershop/product/1293340
動かないほうがいいという方はこちら。
「杉作J太郎の あなたの笑顔が見たいスタンプ」
https://store.line.me/stickershop/product/1295630
【杉作J太狼XS:プロフィール】
すぎさく・じぇいたろうXS
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める男の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。
おすすめ本:不良番長 浪漫アルバム(徳間書店)
http://books.rakuten.co.jp/rb/14632710/
おすすめ本:Jさん&豪さんの世相を斬る!(残侠風雲編)@ロフトプラスワン(ロフトブックス)
http://books.rakuten.co.jp/rb/13832873/
連載バックナンバーはこちら→
http://mensbucchi.com/rensai-bn/20160323181300(コピペして検索窓に)