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映画チョコレートデリンジャー初公開最終日:杉作J太狼XS「美しさ勉強講座」連載48

2017.05.05(金)


軟弱な男たちの姿に見かねて、あの先生が立ち上がった!
杉作J太狼XS先生の「男の偏差値がぐんとアップする美しさ勉強講座」

48時限目・映画チョコレートデリンジャー初公開最終日

(※編集部注:2017年5月5日をもって映画「チョコレートデリンジャー」は初公開を終了していますが、1日限りの再上映が決定しました。松山シネマルナティックで2017年5月23日午前10時30分より。なお今後の上映予定は『映画「チョコレートデリンジャー」twitterアカウント』〈URLは記事の後に明記〉をチェックしてください。)

 二週間前に始まった映画「チョコレートデリンジャー」の初公開が今日で終わる。

 四国、松山の映画館、シネマルナティックだけ公開した。

 主演の松本さゆきさんが公開三日目に松山に来た。いや、来る予定だったが二日目にはもう来ていた。いてもたってもいられなくて来てしまったと彼女は笑っていた。

 男の墓場プロダクション第一回作品「任侠秘録人間狩り」の主演、飯島洋一さんは初日の一日前、つまり公開前夜に松山に来ていた。突然ふらっと来た。

 遠い町から見に来たお客さんも多かった。千葉、東京、大阪。瀬戸内海を渡った中国地方からもたくさんのお客さんが来た。

 わざわざ来てもつまらなかった人もいると思う。

 しかたがない。一生懸命、芯から真剣に作った本気の映画でも見た感想を強要することはできない。

 今日、このあと、町の散髪屋で髪を切る予定だ。従来の坊主頭にする。映画が完成するまで切らないように決めて伸ばしてきたが初公開も終わるのでもういいだろう。

 なぜ十年かかったか。

 映画「チョコレートデリンジャー」の制作は2007年の秋にスタートしたが公開は2017年になった。主演の松本さゆきさんは十年前にはまだはたちになったばかりだった。のではないか。記憶もぼんやりしている。

 十年かかりたくてかかったわけではない。

 山あり谷ありの一言ではたりない山や谷があったのだ。

 この間、世の中全体を見てもたいへんな出来事があった。大地震だ。直接間接の影響もあり信じられない貧乏もした。55年生きてきて最大最強の貧乏だった。貧乏の原因は自分にあるがそれだけではない。どれだけ気を付けていても通り雨に濡れるように貧乏に直面する。ずっと家の中にいれば雨に濡れることもないがそうもいかない。

 そして、いまも俺は裕福ではない。

 だが、金が欲しくて生きてきたわけでもないので当然と言えば当然である。

 物書きでも金が欲しくて人が興味を持ちそうなことや書いてはいけないことばかり書くやつがいる。雑誌でも書かれた人が困ることや知られたくないスキャンダルばかりを書くものがある。それを知りたがる買い手がいちばん悪いのかもしれない。誰も買わなければ出版社も商売だから路線を変えるだろう。

 金がないと生きていけない。

 だが俺はそれでもやりたくないことはやりたくない。やれないことはやれない。

 さきごろ亡くなった俺の好きな映画俳優について、破天荒な生き方についてしゃべってくれというテレビ番組の依頼があった。別にその俳優は暴力団員でも人格破綻者でもない。断るつもりだが、いや、断るが、断ったからと言って企画が変わるわけではないだろう。誰かがその番組のプロデューサーだかディレクターだか知らないがその誰かの、たいして映画に興味もない、視聴率だけが欲しい誰かの思惑の通りにしゃべるのだろう。うんざりだ。

 俺は映画が作りたかったのだ。

 それで1980年に上京して大学に行きながら映画の学校にも通った。それはたいして役に立たないものだったが、やるんだという気持ちは強くなった。

 その後、漫画を描いたのも映画を作るためだった。

 漫画でも映画でも生計が立たないからいろんなことをやった。それでもやりたくないことはやらなかった。自分自身が汚れることならいいが、自分以外の誰かを悪く言ったり書いたりするのはいやだった。スターならなにを書かれてもいいわけではない。スターにも親や子、身近なひとたちはいるのだ。書かないほうがいいことは書かないほうがいい。それを止めるのが胆力だ。

 いまの時代、胆力がなさすぎる。

 書くほうも読むほうも。

 見るほうも作るほうも。

 聞くほうも語るほうも。

 止めるところは止めたほうがいい。

 公金の使途や政治の汚職とは問題が違う。

 食いつぶしていく連中だらけだ。

 そこには品性も人間味も慎みもない。

俺の書いてることは極端かもしれないし間違っているかもしれない。だがいま、俺が思っているのはこんなことである。

 上映は今日までだ。

 夜20時。四国松山湊町のシネマルナティックだ。

 まだ間に合う。遠くからでも見に来てほしい。その価値のあるものを作ったつもりである。

<隔週金曜連載>

画像◎映画「チョコレートデリンジャー」(監督/杉作J太狼XS)2017年4月22日-5月5日まで午後8時より愛媛・松山市シネマルナティックにて公開
(火曜休映日以外全日程舞台挨拶あり)

詳細:シネマルナティック
http://movie.geocities.jp/cine_luna/

映画「チョコレートデリンジャー」twitterアカウント
https://twitter.com/choco_derri2017


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【杉作J太狼XS:プロフィール】
すぎさく・じぇいたろうXS
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める男の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。

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