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ろくでなし子問題:ロマン優光連載44

2015.11.13(金)


ロマン優光のさよなら、くまさん

連載第44回 ろくでなし子問題

 なんといいますかね、本当にもう勘弁してください。私は前世に何をしでかしたのですか? こんな苦しい人生はもう嫌だ。編集氏から「今回、ろくでなし子さんの騒動でお願いしますー。」というメールが来たときに私の脳裏をそんな言葉が駆け回りました。なんで俺がバカの祭典みたいなのについて、わざわざ考えなきゃいかんのだ! 勘弁してー!

 なんでしたっけ、あの「おっぱよー」みたいなやつ。「おっぱよー」といえば、KOTOちゃんの挨拶ですが、KOTOちゃん本当に可愛いですよね! とさっそく現実逃避してるのですが、いい年こいたおっさんがあんなマヌケなリプを年下の女性に送りつけるのは確かに気持ち悪いし、一般的にバカにされるのは仕方がないことです。若い女性を○○さんとさん付けで呼ぶことよりもはるかに気持ち悪い行為かもしれません。まあ、世間が感じるアイドルヲタクの気持ち悪さと似てる質感ですよね。私も気をつけたいと思います。が、多分どうあがいても私も気持ち悪いです。それはさておき、本来真面目に話されるべき問題がある時に、こんな本題と関係ないことで相手をやたらバカにしたり、からかったりするのは、非常に下品で卑しい感じがしますよね。バカにしてる方も世間の好感はなかなか得られないのではないでしょうか。
 確かに、面白くてしようがないし、からかいたくなるような出来事ですよ。リアルの知り合いがやってたら、私も弄りたくて仕方がないと思います。しかしですねえ、対立する一方の陣営が相手を攻撃するための手段として使ってる以上、そこにのっかっちゃうとそれに間接的に荷担することになっちゃうんですよね。自分の敵を攻撃したり、バカにしてくれる人が現れたら、その人がどんな人であれ(今まで敵と見なしていた人間であれ)、喜ぶ人間というのは多いものです。公の場で面白がったりしたら、そこの対立に組み込まれちゃうのは当たり前じゃないですか。めんどくさい! なんで、わざわざめんどくさいことをするのか理解できません。だいたい喜んでるのは今まで自分を攻撃してたような人たちなわけで、自分だったらそんな人を喜ばすようなことをしたくはないものです。まあ、ろくでなし子さんの場合はからかってるつもりもなく、語感が最高に面白かったというだけだと思いますけど、対象が対象だからそこに組み込まれちゃうじゃないですか。そこは考えた方がよかったと思いますよ。まあ、こういうその場の衝動で発言するような感覚優先の人に言っても通じないだろう話ではあります。

本来の問題はバカの祭典で覆い隠されてしまった

 さらに、ろくでなし子さんを「レイシスト」だと認定してる人。やりすぎでしょ。ヘイト表現を規制すべきかどうかの話でろくでなし子さんの現状認識が甘いとかいう議論ならわかりますよ。それを理由にレイシスト呼ばわりしだしたら、普通の感覚ではドン引きです。ろくでなし子さんは無邪気なバカで、真面目な話の時に相手にしては絶対にいけないタイプというだけの話ですよ。右の人が珍発言して語感が面白かったら、あの人それはそれで面白乗っかりするような人なんだから。
 本来ね、表現の自由とは何かとか、やられたらやりかえすのが人の常なんだから、そこを考えてやらなければ泥沼化していく問題とか、公開されてる情報を何らかの意図で晒す場合はどこまでがグレーゾーンなのかとか、真面目に考える問題は色々あるじゃないですか。それがあんなバカの祭典に覆い隠されてしまうとは。実際、まともな人がほとんどだと思いますよ。でもね、バカの方が声がデカく目立つんです。そして人間は自軍のバカの声より、敵のバカの声が聞こえやすくなってるものです。相手のバカを怒るより、自分とこのバカを怒らないとダメなんだと思います。本当に世界を変えたいのなら。これでは「どっちもバカだ…」と中間層が絶望して政治からますます遠ざかることにもなりかねません。そうすれば日本の社会は崩壊してしまう危険が…。それを狙った右でも左でもない第三の勢力…なんかミケーネ帝国とか邪魔大王国みたいなやつの陰謀かもしれませんね。はい。あとね、ああいう世間的に気持ち悪いことをやってしまう人なんて腐るほどいるんですよ。今回、相手に最終的に嫌われたからこんなことになってるけど、そういう人はいくらでもいるんです。自分の側にも相手の側にも。一生の中でああいうことを一切してない人の方が珍しいかもしれません。今までやってない人もこれからの人生わからないもんです。そういうところをいじってたら、いつかブーメランで返ってきますよ。
 ネットでああいうのが悪目立ちするだけで、真面目に動いてる人が大半だとは思いますが、やっぱりバカを見ちゃうと悲しくなりますね。自分の敵を叩いたと思えば誰でも絶賛し、気に食わないことを言えば誰でも敵判定する、しかもその時その時で手のひらを返すようにコロコロとやっていくようなバカは左右関係なくいるわけで、これは左右ではなくてバカの問題なのです。それはそれとして、アイドル時代からエキセントリックで性格のキツいことで知られるあの人に対してあんな感じで接していくのって凄い! というのが私が今回一番驚いたことなのでした。

(隔週連載)

おすすめ書籍:ワイセツって何ですか? (「自称芸術家」と呼ばれた私)/ろくでなし子(金曜日)
http://books.rakuten.co.jp/rb/13196647/

【ロマン優光:プロフィール】
ろまんゆうこう…ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『日本人の99.9%はバカ』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。少女閣下のインターナショナルの里咲りさに夢中らしい。

おすすめ書籍:「日本人の99.9%はバカ」/ロマン優光(コア新書)
http://books.rakuten.co.jp/rb/13104590/

おすすめCD:『蠅の王、ソドムの市、その他全て』/PUNKUBOI(Less Than TV)
http://books.rakuten.co.jp/rb/13292302/

連載バックナンバー(最新10件)はこちら
http://mensbucchi.com/rensai-bn/20160322204147 (コピペして検索窓に)


 


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