. 百田尚樹の新書よんでみた:ロマン優光連載38 - ブッチNEWS(ブッチニュース)

エンタメ・サブカル・生活情報のニュースサイト

ブッチNEWS

■ブッチNEWSのメルマガ(※認証あり)


PC表示はこちら 連載バックナンバーは(外部)






[PR]


サブカルチャー

百田尚樹の新書よんでみた:ロマン優光連載38

2015.08.21(金)


ロマン優光のさよなら、くまさん

連載第38回 百田尚樹の新書よんでみた

 人生の中で、これほどまでに苦しい読書の時間があっただろうか…。百田尚樹氏の『大放言』は私の人生で読んだ中で1、2を争うぐらい心に響かない本だった。何度となく、途中で投げ出そうかと思った。仕事でなければ絶対に投げ出してる。物理的には何度か床に投げ出してしまってはいる。せめてね、「たかじん騒動」について語ってくれれば、それがどんなに筋の通らない言い訳だろうと、それなりに楽しめるとは思いますけど、それに関しては全然ない。「右でも左でもないただのバカの人」が書いた、興味深いオリジナリティのある視点もなく、文体に面白みがあるわけではなく、ユーモアのセンスに欠け、自己弁護に終止し、現実認識のない、突っ込みを入れて笑いとばすそうにも面白くしようがない、こんな本を読まねばならない義務を与えられるとは、私は前世でどんな悪事をはたらいてしまったのでしょうか。私の前世は、平松伸二先生の漫画『ブラック・エンジェルズ』に出てきた、自分たちの悪事を目撃した一人暮らしのお婆さんをさんざん痛めつけた上に乳房に焼きゴテをあてて自殺に追い込んだ中学生だとでもいうのでしょうか。神様、お許しください。

セコい人間性が溢れたスカスカの文章

 百田さんの政治的スタンスに関しては特にここで触れる気はないのですが、南京大虐殺や麻生ナチス発言に触れている部分を読んで思うのだけど、右寄りであれ、左寄りであれ、ネット上でこれらの問題を検証しているブログ中に明らかに百田さんの原稿よりも読み応えのあるものが幾つもあるわけで、ネットによく書かれてるようなことが書いてあるというよりも、ネットの孫引きくらいの内容しかないのだなと改めて思いました。また、「マスゴミは反語や皮肉がわからない」などと揶揄し、自分は言葉を大切にしているといった姿勢を見せる一方で、「有田芳生議員が百田さんの人間のクズ発言を糾弾していたのに、自分は某議員のことをかんなクズと揶揄していた。かんなクズとクズとどう違うのか」という内容を書いて得意気にトンチンカン発言 。どう考えても、かんなクズとクズでは悪意の濃度が全然違うでしょう。かんなクズは薄っぺらい奴ぐらいのニュアンスにしかならないけど、人間のクズは完全に人格の全否定だし、悪の烙印を押しているようなものですもの。言葉を大切にしているはずの小説家が本気でこんなことを言ってるとしたら全然大切にしてないとしか言えないし、あげ足とりだとしたら品性に疑いを持たれるような話で。まあ、だいたい百田さんの話は「あいつらだってやってるから私は悪くない」とか「私がやってることは正しいけど、あいつらがやるのは悪」みたいなことが多いので、まあ平常運転の百田さんですね。

(現憲法のままでは)「嫌なケースを考えると、日本人を殺そうとしてる他国民を撃ち殺した場合、彼は国内法により殺人罪で告訴される。そんなバカな、と思われるかもしれないが彼を告訴する人権派弁護士が現れる可能性は100パーセントある。」(「」内、本文215Pより)ということを書かれていた百田さん。こんな極論言っても意味ないし、バカでしょ。現在の憲法下でそういうことが起こるシチュエーションを考えてみるに、さすがに他国に侵略行為を受けて交戦中の出来事なら、どう考えたって受理されるわけがないし、そんな頭のおかしな弁護士は世間の怒りをかうだけでしょう。日常で起こった出来事だとしても、別に弁護士が訴えるような話ではなく、司法警察が扱うでしょう。本気で言ってるなら、日本の司法をなめすぎです。「冗談だ。」とか言うかもしれませんが、百田さんは感情にまかせて思いつきレベルのことを声高に言いたてて、それが世間に受け入れられたら論客ぶって、非難されたら「冗談や。冗談のわからんやつやな。」みたいなことをいって逃げてるようにしか思えないんですよ。私はそういう百田さんのセコさがうかがえるところが嫌いなのです。

 この本にも一カ所だけ感心したところがあります。34Pに書いてある「もしあなたが、自分が悪いように誤解されていると思っているなら、その自己認識そのものが間違っているのではないかと思い直してみることを勧める。」という一文です。私自身は誤解や曲解からくる悪評価というものは存在すると信じていますが、百田さんがそう思ってらっしゃるなら、ご自身に対する批判的評価を全て受け入れることをお勧めしたいですね。

【ロマン優光:プロフィール】
ろまんゆうこう…ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っている。好きなアイドルは、イニーミニーマニーモー。

おすすめ書籍:「日本人の99.9%はバカ」/ロマン優光(コア新書)
http://books.rakuten.co.jp/rb/13104590/

『日本人の99.9%はバカ』購入特設ページ
http://www.cmz.jp/roman/

連載バックナンバー(最新10件)はこちら
http://bit.ly/1ftyqHH (コピペして検索窓に)

おすすめ書籍:大放言(新潮新書)百田尚樹
http://books.rakuten.co.jp/rb/13338884/


 


スポンサーリンク

 
■更新情報をいち早く通知するブッチNEWSメールマガジン




Powered by Vivvo CMS v4.6