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内館先生へ、愛をこめて。:ドラァグクイーン・エスムラルダ連載59

2015.07.16(木)


エスムラルダの「勝手にワイドショー!」

連載第59回 内館先生へ、愛をこめて。

 先週から始まった、内館牧子先生脚本、武井咲主演の新ドラマ『エイジハラスメント』。みなさんはご覧になったかしら?

 『白虎隊』とか『塀の中の中学校』あたりを除くほぼすべての作品に、女性同士(親友、姉妹、しまいには母娘まで)の濃いドロドロバトルを投入。さらに『昔の男』では藤原紀香に「顔とスタイルだけで便利使いされていることは、私が一番よくわかっています」、『年下の男』では稲森いずみに「このごろ、私の肌は水を弾かなくなった」と言わせ、どこまでも容赦のない作風でオカマたちを熱狂させてきた内館先生。そんな先生が『汚れた舌』以来10年ぶりに手がける連続ドラマ……ということで、「内館牧子の新作放送決定」の第一報が流れた時から、アタシの周りは『エイジハラスメント』の話題で持ちきりに。第1話の二丁目界隈の視聴率は、おそらく、97%くらいだったと思うわ。

 かくいうアタシも、17歳の時に先生の出世作『想い出にかわるまで』の洗礼を受けて以来、大の内館ファン。先生のドラマはほぼ全部観ているし、エッセイも読み漁ってきたわ。アタシが青山にあるシナリオの学校に通い始めたのも、もちろん内館先生の影響……。

 ちなみにアタシは、『想い出にかわるまで』『クリスマスイブ』『…ひとりでいいの』『都合のいい女』あたりの、脚光を浴び始めた頃の先生の作品が好き。「人生短いのよォ。イヤなこと我慢してる暇なんかないし、どうでもいいなんて言う暇もないの」とか「ひとりで生きていける女なんてステンレスみたいなものよ。 強くて、固くて、変に光ってて、 いくら煮込んでも味が染みないの」とか、グッとくるセリフ満載で、女子のネガティブな心理を鋭く描きつつもストーリー展開に無理がなく、演出にも適度な品の良さがあったのよ。

 でも『週末婚』あたりからは先生の筆が走りすぎてしまったのか、演出サイドが悪ノリしてしまったのか、やりすぎ感が前面に。それはそれで、オカマたちはネタドラマ的に楽しんでいたんだけど、ドラマとしてはやや破たん気味だったので、「先生、本当はもっときちんとしたドラマを書かれるんだけどな……」と、アタシは複雑な気持ちになったわ。

 でもって、『エイジハラスメント』。これはタイトル通り、「武井咲演じるヒロインが、就職した商社で、エイハラやセクハラ、パワハラなど、さまざまなハラスメントと戦う」という内容で、しょっぱなから稲森いずみに「ほんっとにあなた、嫌わればい菌まき散らしすぎなの」「若くてきれいってだけで不愉快なのよ」と言わせるなど、牧子節炸裂。
 ただ、第1話放送当日の『徹子の部屋』に出演された先生は、「ハラスメントされるケースに対して反論できないことが多いのに、彼女はバチっとやりますから、最後に。溜飲がさがるんじゃないでしょうか」とおっしゃっていたんだけど……。アタシの周りでは「ヒロインが、入社4か月の新人社員のくせに態度が大きくて、最後に職場の人たちに思いをぶちまけるのも、逆ギレにしか見えない」との意見多数。あと、ハラスメントのあり方も、ちょっとあからさますぎるような……。最近は、表向きはみんな気をつけるようになっている(そしてそれゆえに、新たな問題が起こっている)ような気がするんだけど……。

 とまあ、若干の不安要素はあるけど、大丈夫! ヒロインのキャラ設定含め、先生にはきっと何かお考えがあるはず! いや、たとえヒロインの啖呵が毎回逆ギレにしか見えなかったとしても、アタシは最後まで観続けるわ! だって今、「ただ若いだけの女には言えないセリフ、いいね」「たくさんの女に鍛えられないと言えないセリフ、いいね」なんてセリフを役者に言わせられる脚本家先生、そうはいないもの……。
 どうか『エイジハラスメント』の視聴率が好調でありますように。そして、先生が、今後もドラマを書き続けてくださいますように!

【エスムラルダ:プロフィール】
えすむらるだ…1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。
twitter:@esmralda001

エスムラルダ

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イメージ:番組HPより


 


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