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生活・知恵

AV女優を守る新法にフェミニストが猛反対 他人のセックスに介入したがる女たち

2022.06.02(木)



AV出演者の権利を手厚く守る新法が、今国会で成立の見込みだ。参院選を控えて手柄をほしい議員にフェミニストが働きかけた成果だが、フェミ同志から「本番の合法化にノー」と反対の声が。政治闘争の具にされたAV業界はどこへ漂流するのか──。6月2日発売の実話BUNKA超タブー7月号より転載。文・中山美里

 今年4月1日から改正民法が施行されたことにより、成年年齢(親の同意なしで契約行為をできる年齢)が18歳に引き下げられたのは、読者諸兄もご承知だろう。その直前の3月23日に、「高校生AV出演解禁を止めてください」と題した集会(主催:NPO法人ぱっぷす)が国会内で開かれ、与野党の国会議員が参加し、テレビカメラまでもが入って注目を集めた。
「18歳未満の男女にお金を払ってセックスなどの性行為をすることは、刑法の児童買春の罪にあたる。AV出演契約を結べるのは18歳からですが、未成年者が親の同意を得ずに結んだ契約は、民法5条の未成年者取消権によりほぼ無条件でキャンセルできる。そんなリスキーすぎる契約はできないから、大手AVメーカーは、ここ数年は18歳、19歳の女性がデビューしたいというときは親の同意書を出すようプロダクションに義務づけていた」(AV業界に詳しい記者)
 その状況が4月1日から一変するぞ、18歳の現役女子高生が出演するAVが解禁されるぞと叫ぶ集会は、各界に波紋を投げかけた。元グラドルとしてAVの近隣で活動していた経歴を持つ塩村文夏参院議員(立憲民主党)が3月28日の国会質問でさっそく取り上げ、「未成年者取消権と同等の効果のある施策を、4月1日以降も存続できるようにすべき」と訴えた。すると岸田総理も前向きな答弁を返し、一気に事態は動いたのである。
「AV業界にとっては晴天の霹靂。まず自民党と公明党が4月26日に法案の骨子案をとりまとめて野党に示しました。5月13日には、与野党の相乗りで、AVを規制する新しい法律(仮称/略称は、AV出演被害防止・救済法)の素案ができちゃった」(前同)
 7月には参院選を控えており、こうした時期には政治家がスタンドプレーに走りがちだが、そのあおりを食った形のAV業界は、突如現れた〝AV新法〟の内容に戸惑うばかりだ。

「条文を見ましたが、これはすでに我々の業界では実施されていることばかりなので、いまさら法律をつくる必要があるんですかね。ただ、唯一しんどい規定があって、それが、『作品の公開から1年間は無条件で契約を解除できる』というところ。出演者の自由な意思で適正に契約を結んだにもかかわらず、『気分が変わったから販売はやめてほしい』という一方的な言い分が通るわけです」(AVメーカー社員)
 しかも、議論の入り口は、世間知らずの18歳と19歳の男女を成年扱いするのは危険だから守ろうという話だったが、条文では全年齢の出演者が対象になっており、AVメーカーの事業に負わせるリスクはきわめて大きなものになる。この無条件解除条項こそ、AV新法の本丸と言っていいだろう。

人権弁護士が繰り出す三百代言

 文明社会はすべて契約で成り立っており、契約を結んだ両者が互いに誠実に契約を守ろうとするから社会が回っている。特定の事業者に対する契約のときだけ不誠実を許すならば、そこにはよほどの説得力のあるロジックがなければならないはず。それを考える上でのキーマンが、伊藤和子だ。AV新法の成立に向けてアクティブなロビー活動を展開していた弁護士であり、人権団体ヒューマンライツ・ナウの副理事長である。
「今回の話の直接の発端は、2016年3月です。ヒューマンライツ・ナウによって、AV業界で出演者の意志に反した撮影(=出演強要)が横行しているとの指摘があり、大きな社会問題になりました。その流れは警察の背中を押し、同年6月には、業界でも5本の指に入る大手事務所マークスの社長らが逮捕されています。所属女優のF・Hが警視庁に『出演強要された』と相談したのが発端だそうです」(大手プロダクションの社員)
 マークス社長らの逮捕容疑は、労働者派遣法58条違反。「公衆衛生または公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で労働者派遣をした」というものだ。
「F・Hは400本以上に出演していますから、出演を強要されたというのは無理があるでしょ。実際のところは彼氏にAV出演をとがめられて自分の意志じゃないと言い訳した結果、警察に相談して作品を販売停止にさせようという大きな話になったんだとか。強要罪や脅迫罪では起訴しようがない案件ですが、伊藤和子が世間を騒がせていた時期なので、警察もなにか形にしないといけなかったんでしょう」(前同)
 F・Hの他にも、K・SやH・Aといった有名単体女優が声をあげ、さらにはくるみんアロマのように、AV女優としての実績は多くないが、AV出演強要被害者の肩書で活動するユーチューバーまでメディアに躍り出た。
「身内や彼氏にバレたときに、『出演は自分の意志ではない』と言い訳すると、その方が周囲も納得しやすいのでプロダクションも『俺らに騙されたと言えばいい』と女優に伝えていた。理不尽なのは、それを逆手に取る女ですよ。AVを踏み台にして有名になろう、稼ごうと考えてデビューしたのに思ったより売れず、精神の平衡を保つために『自分は騙されてAVを始めた』と思い込む子は多い」(元スカウトマン)
 実際、17年4月にAVメーカーやモデル事務所などは出演強要問題の調査のために第三者委員会(現AV人権倫理機構)を設立しているが、そこでの結論は彼女たちのいずれのケースにおいても「出演の強要はなかった」。筆者もくるみんアロマが所属していたプロダクションや、デビューしたAVメーカーの担当者、グラビアが掲載された雑誌の担当編集者に取材し、「AVと知って事務所に所属している」「性経験は少なかったが、AVへの出演は納得していた」ことを具体的なエピソードとともに聞いている。
 さらに、この第三者委員会が動き出してから現在までの5年間で、出演強要が認められたのは、18年の1件のみだという。AV業界では年間約2000人の女優が新たにデビューしていることを考えれば、伊藤和子の「AV出演強要が横行」との主張は完全に否定されているわけだ。

「出演強要」は販売停止の方便

 ただし、出演契約を結んだこと自体は否定しないが、身内にバレたり、結婚したり、就職したりなどの事情で販売を止めてほしいと考える出演者は、一定数存在する。そこでAV業界では、2018年2月より「取り下げ申請システム」を導入している。
「AV業界側の調査では、出演強要の事実はほぼないに等しい。でも、少なくない数の出演者が人権団体に駆け込んでいる事実もある。ということは、出演者たちが、販売停止させるための方便として出演強要を主張している可能性が高い。ならば、ちゃんと対応する姿勢を見せれば事態は収束すると踏んだんでしょう」(AV業界に詳しい記者)
 前出のAV人権倫理機構のサイトのトップページには、「作品等停止申請」のボタンがあり、ここから申し込みが可能だ。特に、販売が5年以上の長期に渡る場合、本人からの申請により出演作品をファンザなどの販売サイトから、理由を問わず取り下げている。また、「強要された」などの理由がある場合は、5年を経たずとも当然取り下げられる。これにより、「AVに出演していた過去」が現在の生活に影響を与えるような事態は起こりにくくなった。
 過去4年間での総申請数は737件あり、557件について作品が販売停止されている。申請者がやりとりの途中で音信不通になったり、AV人権倫理機構が対応できない無修正作品についての申請といったケースを除外すれば、85%の申請についてAVメーカーは停止に応じているのだ。
「残る15%が申請却下されていますが、これは例えば、彼氏ができたから取り下げを希望していたり、本人ではなく親などが申請している場合は、対応を見送っています」(AV人権倫理機構の河合幹雄理事)
 強要も騙しもなく、適正な手順を踏み、そして成人女性が自分の判断で契約した撮影である以上、無制限に申請を認めてしまうと、それこそが社会的ルールの規範から大きくずれることになる。AV出演のギャラは欲しいが、作品は販売してほしくないという言い分が通らないのは、読者諸兄も納得できるだろう。
 この取り下げシステムは、AVメーカーは作品を売り続ける権利を持っているということが大前提。権利はあるが、出演者がやむをえない事情で困っているのなら、AVメーカー側も対応しようという好意なのだ。

フェミに背後を撃たれたフェミ

 察しの良い読者はもう想像がつくはずだ。AV新法をめぐる動きは、AV業界側が実施してきた、人情型の作品取り下げシステムを逆手に取った形なのである。
「出演強要が横行しているAV業界はけしからん、というロジックが崩壊しても、伊藤和子はまったくめげなかった。今度は、18歳や19歳がAVに出演すること自体が将来の被害を生みかねないと、問題をすり替える形でのロビー活動を展開し、それが功を奏したのがAV新法なんです」(AV業界に詳しい記者)
 かくして、冒頭のぱっぷす集会で伊藤和子と同席していた金尻カズナなど、法案成立に向けてロビイングを頑張ってきた人権派の闘士たちが祝杯をあげているだろう頃、しかしここで意外な伏兵が飛び出した。仁藤夢乃(Colabo代表)が「本番の性行為を撮影することを合法化する内容になっている」と異を唱え、「#AV新法に反対します」というハッシュタグが突如拡散されたのだ。
「仁藤夢乃は、繁華街を徘徊する少女たちに声をかけ、食事や居場所を提供している社会活動家です。2020年に伊藤和子がAV制作会社社長から名誉毀損で提訴された際は、『AV出演強要被害にあった方々を支え、問題を表沙汰にし続けてきた伊藤和子弁護士。みんなで応援しましょう!』とエールを送っていましたが、今回は、伊藤和子のやり方では生ぬるいぞということなんでしょう」(フェミニスト業界に詳しいフリーライター)
 伊藤和子よりもさらに左上を突っ走る仁藤夢乃は、5月22日に新宿駅前で「AV業界に有利なAV新法に反対する緊急アクション」なる集会を開催し、気勢を上げた。同志の顔ぶれも多彩で、集会の呼びかけ人には、北原みのり(作家/ぱっぷす副代表理事)や、角田由紀子(弁護士)なども名を連ねた。

職業差別と女性蔑視ではないか

 そんな尖った彼女たちの主張は、ジャーナリストの郡司真子が5月1日に発表した『撮影被害当事者声明』という文書を見るとわかりやすい。危険思想があふれる箇所を中心に要約してみよう。
「性的画像記録出演に関する被害者の多くは、強要されていない、自らすすんで従事していると思い込まされている。みずから出演を志願した人であっても、発達障害、ASD、ADHD、LD、境界知能、知的障害、逆境体験、DV、性暴力被害者と契約してはいけないという縛りが必要。性犯罪を誘発するので、乱交や口淫、肛門挿入、異物挿入、顔射、ぶっかけ、ナンパなどの犯罪フィクションのコンテンツを禁止せよ。本番行為、粘膜接触は、心身ともに後遺症が大きく、性的感染症の危険性があるので絶対に禁止にすべき」
 AV出演者が自分の自由意志で出演を決めたとしても、その意志がすでに間違っているというのだから、出演者を子ども扱いするにもほどがあるし、障害者への差別意識も凄まじい。口淫を犯罪視する宗教的厳格さを振りかざす人間とは、ルール作りの話などできないし、本番行為も粘膜接触も、一般の男女が日々やっていることではないか。
 たしかに、AVに出演すること自体が、出演者の人生において大きな影響を及ぼすというのは正しい。だが、業界団体の調査によると、いまや女優の51・5%がみずから応募して業界入りしており、その動機は1位「お金を稼ぎたい」、2位「AVへの好奇心」、3位「AV作品が好きで出演したかった」、4位「芸能界で活躍したい(有名になりたい)」と続く。筆者はこれまでに多くのAV女優にインタビューしているが、「紗倉まなちゃんに憧れて応募した」「橋本ありなさんをインスタで知り、ファンになった。同じ事務所に入りたくて応募した」といった声は多い。大金を稼ぎたい、有名になりたい、憧れの女性と一緒に働きたい。AVは、そんな夢を叶える場所にもなっているのだ。
 だからこそ、AV業界は出演者の権利を最大に尊重する「適正AV」という理念を掲げ、業界内の業務の改善に取り組んでいる。日本で流通しているアダルトコンテンツの中には、同人AVや個人撮影モノ、違法業者による無修正動画があるが、適正AV製作者は彼らとはまったく別の方向を向いて仕事をしているということだ。今回のAV新法が、適正AVのみに網をかけ、その他のアダルトコンテンツがすり抜ける事態となれば、それは多くの出演者たちにとって不幸なことだろう。(文中敬称略)

[本記事は発売中の実話BUNKA超タブー2022年7月号に掲載しております。図版・写真や他の記事をごらんになりたい方は、同雑誌をコンビニ、書店・ネット書店でチェックしてみてください。]

【プロフィール】
中山美里(なかやま・みさと) 
1977年東京都出身。フリーライター。編集プロダクション株式会社オフィスキング所属。自らの経験を元にした処女作『16歳だった~私の援助交際記』(幻冬舎文庫)がヒット。性風俗や女性の生き方などを中心に雑誌、WEBなどで取材・執筆を行う。著書に『漂流遊女』(ミリオン出版)、『高齢者風俗嬢』(洋泉社)、『副業愛人 年収300万円で囲えるオンナの素顔28』(徳間書店)など。

Twitter:@misatonakayama Youtube:https://www.youtube.com/channel/UC5g-hHp0r_GKNI8qPhD0w4g

写真:TicTac/写真AC

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