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POSAカードの落とし穴 登録期限・有効期限があるものに注意! もらって放置すると紙くずになることも

2016.04.27(水)


贈答に便利なコンビニで買えるギフトカードだが…

 3年P組金髪先生「贈るカード」のテレビCMでもおなじみのPOSAカード。POSAは(point-of-sale activation)の略で、要はコンビニでよく売られているギフト・プリペイドカードのこと(よく専用棚があることから、目にしている人も多いのではないだろうか)。販売店のPOSレジを通さないと有効化されない仕組みのため、万引きや不正使用を防止でき、売る側としては高額商品を小さい面積で売ることができる(在庫リスクが低いメリットもある)。また買う側も行きやすいコンビニで、ゲームやデジタルコンテンツ費用の決済、ネット通販サイトなどのポイント充填を楽に済ますことができるという、双方に利点がある仕組みなのだ。最近筆者の周囲では、送別会でのとっさのプレゼントでよくそれらのカードを目にすることが増えたが、テレビCMが贈答にターゲットを絞っているのでもわかる通り気軽なプレゼントに向いており、最近はカードのみならず贈答用の袋を一緒に販売しているコンビニもある。
 しかしこの便利なPOSAカード、カード仕様の都合ではなくメーカー側の都合もあるのだが、一部のソフトウェアや、一部のプリペイドカードには「登録期限」が設けられており(期限がないものも存在する)、その「期限」をこえるとただの紙切れに戻ってしまうこともあるという問題がある。いまでこそ、一部ソフトウェアメーカーでは以前はあった登録期限を廃止したり、あっても期限表示を大きめするようには改訂されているが、初期商品の多くは期限表示は微細な文字で裏面に小さく書いてあるだけだった。この登録期限、POSAの仕様ではなく、資金決済法によるものとしている業者もある。

メーカーサイドの都合が幅を利かす

 どうやら「サーバ型前払い式支払い手段」は資金決済法対象となり、未使用残高の半額を供託する必要があり、その制約を受けないためには期限が6ヶ月以内でなければならないというルールがあるらしい。利用メーカーが多額を供託するのはキツイ…という事情はわからないでもない、だがそれはメーカーサイドの都合であって、ユーザー保護ではない(資金決済法の対象とさせないためには、救済手段等をもうけられない。有効期間が延長できると形骸化しているとして、資金決済法対象になるという仕組みのようだ)、そこで頑固にメーカー側も一度切れたカードを再度有効にすることは不可能とすることが多く、どうもこの法律自体に問題があると思わざるを得ない。実際、これらのギフトカードは人から受け取った場合、半年くらい放置してしまうことなどざらにあるはず。もちろん、買う段階で誰もが見逃さないようになっていれば、問題はないのだが、豆粒のような文字では、誰もが納得はしないはずだ。
 このような重要な注意書きは、裏面に小さくではなく、一律な可読性のあるサイズで掲示するような仕組みは必要なのではないだろうか? 
 登録期限により生じる問題はさらにある。たとえば、ソフトウェアの場合。レジを通した日から発生するPOSAの期限を知らずに一部大手通販サイトのマーケットプレイスや、大手オークションを利用して入手したユーザーは、(転売により時間が経過した商品が)期限切れで使えず詐欺同然の目にあってしまい、問い合わせてもメーカー側も期限後は一切使用できない、正規POS販売店で直接入手したものではないと冷たい対応をされ泣き寝入りしていた。ネット販売店のコメント欄でわかったのだが、知らずに買ってかわいそうだ(筆者自身も、PC購入時に添付されてきた便利なソフトのPOSAカードをいつか使おうと思って所持していたらただの紙切れになっていて千数百円ほど損をしたため、調べたところ前述のケースがあり、あきれたのが本稿を起こした動機である)。

 さらに追い打ちをかけるように、登録期限のほかに「有効期限」が設定されているものもある。これも一律ではなく、有効期限がないカードもあれば、有効期限はないものの2年利用しないだけで残高が消滅するもの、発行1年以内に使い切らないとポイントが消滅するものなどさまざまな形態があるようだ。
 確かに、ちゃんと分かっていて、すぐに使えばとても便利なPOSAカードだが、カードという陳列サイズの小さなものであるが故に明らかに説明不足感があり、タンスの中で権利消滅している人はかなりの数にのぼるのでは…。

小さいサイズ故に、重要な表示は大きくすべき

 まだ声を上げている人は多くないのか、ネットで見る限り、消費者団体などはPOSAの問題点をそもそも認知していないと思われる。それもカードの種類が多岐にわたることが原因でクレームは各業者止まりのはずだ。これからもPOSAカードの認知・普及は進んでいくと思われるが、業界が発展を望んでいるのであれば、【登録期限・有効期限の一定サイズ以上の掲示】【登録期限・有効期限のある程度の業界統一】は必須だろう。
 もし同じように損をしている方がいるようであれば、ツイッターでもFacebookでも、あるいはブログでもいいので声を上げてはいただけないだろうか。「知らないほうが悪い」と言われてしまうかもしれないが、裏面に他の文に紛れて2ミリ角くらいで書かれていた期限設定など、気が付かないほうが普通ではないだろうか。POSA自体はこれからも明確に伸長すると思われるだけに、ユーザーサイドからわかりづらい隠し表現はやめてほしいものだ。

(写真/文・楠尾 袋)

写真説明:期限切れで紙くずになったPOSAカードの一例(全体にモザイクをかけています)。下部のバーコードで有効化が管理され、上のスクラッチを削るとアクティベーションコードなどが出現する。


 


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