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芸能・エンタメ

天才作家の光と影 映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』

2020.11.08(日)


20世紀を代表するセレブを貴重な証言&映像で

『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』© 2019, Hatch House Media Ltd.
『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』© 2019, Hatch House Media Ltd.

映画『ティファニーで朝食を』の試写を見た時、原作者のカポーティは激怒したそうです。この映画はニューヨークのティファニー宝石店の前でオードリー・ヘプバーン演じる主人公のホリーがパンをかじって朝食をとるシーンから始まりますが、原作では「ティファニーで朝食をとる」というセリフに暗喩的な意味があり、そこが作家カポーティの真骨頂といえます。トルーマン・カポーティは映画化された「ティファニー~」を始め、数々のベストセラーをもつ20世紀を代表する作家です。本作は、彼の遺作『叶えられた祈り』を主軸とするドキュメンタリー映画です。

『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』© 2019, Hatch House Media Ltd.
『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』© 2019, Hatch House Media Ltd.

『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』© 2019, Hatch House Media Ltd.
『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』© 2019, Hatch House Media Ltd.

カポーティは1924年生まれ。母親にほぼ育児放棄され、親戚に預けられたり、ホテルで1人留守番をさせられたりといった、孤独な子ども時代を送りました。作家になってからは時代の寵児となり、ノンフィクション小説の走りといわれる『冷血』など、数々の名作を発表します。その一方で、あらゆるパーティに顔を出し、派手な言動で世の中を騒がしています。当時としては珍しく、セクシャルマイノリティとしても有名でした。

『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』© 2019, Hatch House Media Ltd.
『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』© 2019, Hatch House Media Ltd.

彼がことさら愛したのは「スワン」と呼ばれる上流婦人たちでした。しかし、自分の取り巻きとして引き連れていた彼女たちのプライベートを新作『叶えられた祈り』で暴露してしまいます。名前は伏せられているものの個人が特定できてしまう小説は、一部が雑誌で発表されただけでスキャンダルに。その経緯や、それまでのカポーティの言動を描いたのが本作です。

『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』© 2019, Hatch House Media Ltd.『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』© 2019, Hatch House Media Ltd.

『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』© 2019, Hatch House Media Ltd.
『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』© 2019, Hatch House Media Ltd.

カポーティを描いた映画ではフィリップ・シーモア・ホフマンが渾身のカポーティ役を演じた『カポーティ』(2005年)が記憶に新しいですが、本作は本物のカポーティの映像や写真を使用した正真正銘のドキュメンタリーです。知人や家族の証言からカポーティ像を探り、天才作家の真実に迫ります。当時の貴重な映像が見ものです。

『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』© 2019, Hatch House Media Ltd.
『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』© 2019, Hatch House Media Ltd.

カポーティファン、アメリカ文学ファンにとってはたまらないドキュメンタリーですが、カポーティをよく知らない人でも、狂騒と絢爛の60年代を体感することのできる、かなり興味深い作品なのではないでしょうか。特に、当時話題となったカポーティ主宰の「仮面舞踏会」シーンは圧巻です。

『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』© 2019, Hatch House Media Ltd.
『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』© 2019, Hatch House Media Ltd.

『叶えられた祈り』はカポーティの死によって未完に終わり、彼が本当に何を描きたかったのかは謎のままです。露悪的にふるまいながらも、「ティファニーで朝食を」のホリーのような無垢な魂を愛し続けた作家は、セレブともてはやされつつ、セレブを最も憎んだ人物だったのかもしれません。

(文・吉田直子)

『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』 2020年11月6日(金)より、Bunkamuraル・シネマほか全国劇場にてロードショー

© 2019, Hatch House Media Ltd.


 


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