
全国の変わったお葬式 日本列島は狭くて広い?

県によってこんなに違うお葬式
お葬式は生きている人が亡くなった人を見送るための儀式。気持ちの表し方は、それぞれですよね。そのせいか、日本全国にさまざまな習慣があり、地方によって独自の風習があるようです。特徴のあるものを調べてみました(※編集部注:県単位で区切っていますが、県内一部地域のみの風習もあります)。
◎北海道
北海道では、なんとお香典に領収書が出るそうです。お通夜やお葬式に列席すると、その場で不祝儀袋を開き、領収書を書いてくれるとか。その代り、お香典返しもありません。合理的な道民らしいエピソードですね。
◎岩手県
三途の川の渡し賃は、「六文」と決まっていますよね。葬儀の際も、棺に紙の六文銭を入れたりもします。でも、岩手のお葬式では「100万円」と書いた紙を入れるそうです。これだけ高額だったら、三途の川もらくらく渡してもらえそうですね。
◎福井県
一部地域で、長寿のかたが亡くなったときなどに、お赤飯を出す習慣があるようです。お赤飯は通常お祝いの席で食べるものという印象がありますが、「天寿をまっとうした」と考えると、不自然ではないかも。
◎大阪府
ほかの地方の出身者がびっくりするのが、お香典に「黄白」の水引を使うこと。黄色と白の水引なんて見たことない人が多いので、驚いてしまいますよね。関西の、なぜか都市圏で行われている風習だそうです。
◎愛知県
出棺のとき、棺をかつぐ人は小さな白い三角の布を頭につけるそうです。「うらめしや~」の、あの幽霊の頭についているヤツですね。個人が旅立つ直前まで寄り添うという気持ちが込められているそうです。
◎福岡県
一部の地域に、出棺のとき、近親者が持ったお棺を3回まわすという風習があるそうです。高齢化の進む今、この習慣を維持するのは大変そう……。
◎沖縄県
沖縄で驚くのは、お墓が建物のように大きいことでしょう。これは、フィリピンなど東南アジアの国にもよく見られるものです。以前は風葬の習慣があったので、複数の棺を置けるように大きくなったのだとか。4月には「清明(シーミー)祭」といって、お墓掃除をしたあと、この大きなお墓の前でみんなで食事をする風習があります。
番外編:アメリカ
アメリカでは日本のようなお寺と葬儀社が連携したシステムがないので、葬儀は生前に本人が準備するそうです。予算の相談や、棺に入るときに着る洋服なども、事前に決めておくのだとか。生前葬みたいで楽しそうですね。
以上、日本列島は広いな~と思わずにはいられないお葬式の風習の違いでした。最近では全国規模の葬儀社が、ネットで各地のお葬式の違いをまとめたりしているようです。こういう習慣も次第になくなっていくのかな、と思うと、ちょっと淋しいですよね。
(文・プル子)
[PR]