
暴走する一部ネットアンケート「社会のため」のつもりが…

テレビでおなじみのネットアンケートだが…
最近、テレビのバラエティ番組で見るアンケートグラフはほとんどがネットアンケート。またネットで発表される300人から1000人規模の調査もほとんどがそれらのネットアンケートサイトから集められたデータだ。「会員」の調査なのでテーマによっては多少回答の偏りは出るものの、提供企業としては民意を社会に反映でき、参加者はポイント還元など利益があると、双方収まりが良いはずだったこれらのサイトだが、一部にはいくつか問題点が露呈している。
●アンケート依頼主がいつごろかから匿名化しているのに、答えたくない情報を多く収集している
あまり公にはしたくない病歴や細かい資産、特定商品の契約年数、会社の購買担当か否かなどを聞かれることが多くなっている。しかも依頼者が匿名化していることから、どこに情報が行っているかがユーザーからは見えない。
●単なるアフィリエイトが増えている
体験アンケートなるものが増えてきている。これらは物販が割安で買えて、アンケートに答えればその分ポイントでユーザー還元をするなどで、依頼者にも購買者にも利点がある。しかし、最近は販売会社への問い合わせも禁じているものがあり、よく見るとアフィリエイト。こうなると、もはやアンケートではなくただの「商売」でしかない。
●他サイトとのアンケート相互乗り入れが多くなり、責任の所在がはっきりしない
これについてはもっとはっきりとさせたほうがいいのではないだろうか? ユーザーは特定のリサーチ会社と契約しているのであり、知らない間に他社のアンケートに答えているという感覚はないはずだ。海外サイトからの乗り入れリサーチも多くなってきており、国内法の及ばない範囲で個人情報が適正に取り扱われているかが心配になる。
このような説明不足な点があるにもかかわらず、口外禁止等の条項から、これらの情報が表沙汰になることはない。 アンケート業界は社会問題化する前に、説明を十分にするなど自浄努力をする時期に来ているのではないのだろうか。
ちょっとしたヒマな時間にカンタンな作業でお小遣いが得られる楽しいアンケート。これからも、ユーザーが楽しくいられるように注意してほしいものだ。
※特定の会社の問題ではありません。
(文/楠尾袋)写真: designsoliman / 123RF
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