連続強盗犯『ルフィ』の生い立ちを追う：ドラァグクイーン・エスムラルダ連載452

2023.02.03(金)

連続強盗犯『ルフィ』の生い立ちを追う：ドラァグクイーン・エスムラルダ連載452

エスムラルダの「勝手にワイドショー！」

第452回　連続強盗犯『ルフィ』の生い立ちを追う

　スシローペロペロ事件、宮台真司さん襲撃事件犯人のまさかの自殺、岸田首相の「（同性婚は）社会が変わってしまう」発言……。今週も世間ではいろいろな出来事があったけど、アタシ的に気になっているのは、やはり「ルフィ」たちによる（『ワンピース』作者の尾田栄一郎先生、ほんと、いい迷惑ね）連続強盗事件。

「なんだか最近、強盗事件のニュースをよく目にするなあ」とは思っていたけど、それらが全部つながっていたなんて。しかも、犯人がフィリピンの収容所から日本に指示を飛ばしていたなんて、びっくりよ。

　こういう事件があると、ついつい犯人の生い立ちに関する記事とかを見ちゃうんだけど、犯人グループの一人、「ルフィ」こと渡邉優樹容疑者には特に興味津々。北海道の酪農家に生まれ、高校時代までは剣道に打ち込み、成績も優秀で仲間思いの少年だったそう。札幌の大学に入り、すすきのでバイトをするようになってから変わっていったみたいだけど、多くのお金が入るようになり、裏社会に惹かれていったのか、最初は誰かに命じられて、もしくは周りの雰囲気に流されて犯罪に手を染めているうちに、価値観が狂っていったのか……。詳細なノンフィクションとかが出たら、アタシ、つい読んでしまいそう。

　ただ、一連の強盗事件、本当に渡邉たちが大ボスなのかしら。なんとなく、さらなる黒幕がいそうな気もするんだけど……。

　さて、そんな渡邉容疑者の「かつての強盗仲間だった」といわれているのが、お笑いコンビEXITの兼近大樹くん。なんでも10年ほど前、渡邉容疑者がホストクラブ従業員の男性宅に侵入し、現金1000万円が入った金庫などを盗んで逮捕されたとき、兼近くんも共犯として逮捕されたそう。もっとも、兼近くんはこの件に関して「当時、働いていたバーのオーナーが渡邉容疑者であり、あるとき渡邉から『女がさらわれたっぽいから、確認のため、知り合いの家の鍵を開けてきてくれ』と言われたため、業者を呼んで玄関の鍵を解錠した」と著書に書いており、実際に不起訴になったみたい。

　アタシ、EXITについても兼近くんについてもあまり詳しくなくて、兼近くんが過去にいろいろあったこと、それをすでにオープンにしていたことは初めて知ったんだけど……。本人にとっても周囲の関係者にとっても、今回の件、本当に悩ましいわよね。「ただの昔の知り合いで、今は関係ない」「10年前は騙されて利用されただけ」というのが事実でも、相手と事件のイメージが悪すぎる……。

　もし今後も芸能界での活動を続けるなら、いっそ、こうした事件に関して、犯人側の心理や人々がとりうるべき対策などを語るコメンテーターとかになるのも、一つの手かも……と思うんだけど、ご本人的にはどうなのかしら。

＜水曜連載＞（※今回金曜更新）

【エスムラルダ：プロフィール】
えすむらるだ…1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。著書に「同性パートナーシップ証明、はじまりました。」（ポット出版、共著）
twitter：@esmralda001

エスムラルダ