エスムラルダの「勝手にワイドショー！」

連載第284回　田代まさし逮捕で改めて薬物の怖さを知る

　元アイドルの菊池桃子さんと経産省の新原局長、グラビアアイドルの倉持由香さんとプロゲーマーのふ～どさん、いずれも「美女と野獣」と評されそうな二組のカップルが、立て続けに結婚を発表した今週。というわけで、「最初の結婚はちょっと失敗（？）したけど、その後、憎らしいほど着実に地歩を固めている菊池桃子の生き方や、変わらぬ美しさ・かわいらしさ」について書こうと思った矢先に飛び込んできた、スノーボード元五輪代表の國母和宏選手（大麻密輸の疑い）&マーシーこと田代まさし（覚せい剤所持の疑い）逮捕のニュース。

　おそらく多くの人同様、「え？　あの人が？」といった驚きは皆無だったけど、なぜ同じ日に、ビッグネーム（？）二人が逮捕されたかは気になるところ。今、政府が隠したくなるような大きな事件ってあったかしら。思い当たる節がありすぎて、逆にわからない……。

　それはともかく、覚せい剤取締法違反では9年ぶり5度目の逮捕となるマーシーに対しては、「呆れた」という声とともに、「さすがにかわいそう」「一度ハマるとなかなか抜け出せない薬物の恐ろしさを、身を持って証明してくれている」という声も。ここ数年、せっかく「覚せい剤をやめ続けようと努力している人」としてメディア等に出演していたのに、せつなすぎる……。

　実はアタシにも、1年ちょっと前に薬物使用で逮捕され、現在収監されている知人がいるの。その子、薬物で体に深刻なダメージを受け、懲りているはずなのに、そして一度逮捕されてから、自助グループに参加するなど、やめる努力をしていたのに、心にふと隙間ができたときに、手を出してしまったみたい。

　ちなみに、収監前に、LINEで本人に「どうしたら（薬物を）やめられるのかねえ」と訊いたら、「さあ。刑務所に行ったら変わるんじゃない？」という返事がかえってきたわ。そのときは「自分のことなのに、なに他人事みたいに言っているんだろう」と思ったものだけど……。それだけ、自分の力でやめ（続け）るのは難しいということなのよね。

　なお、その子の場合は、20代の頃、体の関係を持った年上の相手に勧められたのが、薬物にハマるきっかけになったとのこと。もちろん「勧められて断れなかった、本人の弱さに問題がある」ともいえるけど、アタシはやっぱり、勧めた側のあまりの身勝手さに、猛烈に腹が立つわ（もっとも、勧めた人も判断力を失っている可能性が高いけど）。

　本人の心身の健康や社会生命を奪うのみならず、家族や身近な人の生活にもさまざまな影響を及ぼしてしまう薬物中毒の恐ろしさ。みなさんも「持たない！」「やらない！」「近寄らない！」を徹底させてちょうだい！

＜水曜連載＞※今回木曜公開

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【エスムラルダ：プロフィール】

えすむらるだ…1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。著書に「同性パートナーシップ証明、はじまりました。」（ポット出版、共著） 
twitter：@esmralda001

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