
エスムラルダからクリぼっちの人へ:ドラァグクイーン・エスムラルダ連載134

エスムラルダの「勝手にワイドショー!」
連載第134回 エスムラルダからクリぼっちの人へ
あと2日でクリスマスイブね。しかも今年は、23日が金曜日、24日が土曜日、25日が日曜日と、「盛り上がってください」と言わんばかりの日程。てか、これから2018年まで毎年、イブは休日なのね……。
ところで、ちょっと小耳にはさんだところによると、近年、「クリぼっち」(一人ぼっちでクリスマスを過ごすこと)なる言葉が浸透しつつあるとのこと。「クリスマスを一人で過ごすくらいで、オタオタするんじゃねえよッ」と言いたいところだけど……。実はアタシ、イブと大みそかと誕生日だけは、ぼっちで過ごしたことがないの。悲惨なクリスマス(初めてゲイの友だちができた年、あまりにも嬉しくて、はりきってイブにクリスマスパーティーを企画したものの、当日の朝めったにひかない風邪をひき、自分だけ欠席……)はあったものの、ぼっちだけはないのよ。
なんせアタシは、バブル期に高校時代を送った世代。あのころは、アイドル歌手は必ず一枚はクリスマスものの曲を出し、10月スタートの恋愛ものの連ドラでは、「クリスマスイブを好きな人と過ごせるかどうか」が、人生でもっとも重要なことであるかのように描かれ、「都内の有名どころのホテルのイブの予約が、一年以上前からいっぱいになる」というバカげた風習が繰り広げられていてね……。おかげで、クリスマス(というか、イブ)が「特別な日」として、強烈に脳にインプットされちまったの。四半世紀経った今でも、街がイルミネーションに彩られるようになると、妙に心がざわつき、イブは「な、何かしなきゃッ」という気持ちになるわ(とはいえ、ここ15年くらいは基本的に「年末の芝居の稽古→行きつけのゲイバーでみんなで騒ぐ」という、色気もへったくれもないイブを過ごしてるけど)。基本、単独行動が大好きで、節分には一人でガンガン豆まきしちまうアタシに、こんな盲点があったなんて……。多感な時代の刷り込みっておそろしい!
というわけで、アタシ自身はまだしばらく、クリぼっちを避け続けると思うけど……。今年、「イブを一人ぼっちで過ごす」「イブもきっと仕事」というみなさん、大丈夫よ! クリぼっちだからって死にゃーしないし、あっという間に新年がきて、クリぼっちだったことなんて忘れるわよ!(適当ななぐさめ)
(水曜連載)※都合により今週は木曜公開
写真:vitabello/123RF
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【エスムラルダ:プロフィール】
えすむらるだ…1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。著書に「同性パートナーシップ証明、はじまりました。」(ポット出版、共著)
twitter:@esmralda001
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http://mensbucchi.com/rensai-bn/20160629200300(コピペして検索窓に)
おすすめ書籍:「同性パートナーシップ証明、はじまりました。渋谷区・世田谷区の成立物語と手続きの方法」エスムラルダ、KIRA著(ポット出版)
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