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芸能・エンタメ 2016.03.30(水)

「スキャンダル後のふるまい方」についての一考察:ドラァグクイーン・エスムラルダ連載96

 

エスムラルダの「勝手にワイドショー!」

連載第96回 「スキャンダル後のふるまい方」についての一考察

 引き続き、「クリーンなイメージが強い人(もしくはクリーンさを求められる立場の人)」のスキャンダルが続出している2016年。元のイメージとのギャップが大きければ大きいほどスキャンダルとしては面白いので、クリーンイメージの人がメディアに狙われやすいのは確かだけど、それにしても今年は多すぎ……。

 さて、スキャンダルによってイメージを損なわれた人にとって大事なのは、その後のふるまい方。選択肢としては、「『そのうちみんな忘れるから』とタカをくくり、ほとぼりがさめたころに元のイメージを保ったまま、しれっと表舞台へ戻る」「スキャンダルを機にクリーン売りに見切りをつけ、イメージチェンジを図る」の二通りがあるわけだけど……。アタシが「面白いなァ」「うまいなァ」と思うのは、やはり後者。ちょっと例は古いけど、尾崎豊との不倫が取り沙汰された後、それまでのクリーンなイメージをかなぐり捨て、ドラマ『同窓会』で「毛じらみに感染したり、行きずりの男とやっちゃったりするヒロイン」を演ってのけた斉藤由貴なんて、実にあっぱれだったわ……。

 世の中なんでも、片側に大きく振れると、その後必ず逆側に振れるもの。そして人は無意識のうちに、クリーンなものからはダークな点を、ダークなものからはクリーンな点を探し出そうとするもの。なので、それまでクリーン(なイメージが強)すぎた人が、スキャンダルなどによってダーク方向へ振れた場合、あえて一時的にダーク感を強めちまった方が、逆にクリーンイメージを取り戻しやすくなるのよね(中にはダーク方向へ針が振りきれてしまい、戻れなくなる人もいるけど)。
 あと、女優や歌手にとって、「振れ幅の大きさ」は大きな武器にもなるわ。「清純派アイドルがスキャンダルまみれになり、一時的に汚れ役や汚れイメージを引き受けた結果、クリーンからダークまで幅広い役柄をこなせる女優(もしくはさまざまな曲を歌える歌手)になる」なんてのは、昔からちょくちょくある話じゃない?

 もちろん、「何があっても、クリーンなイメージにしがみつき続ける」というのも一つの方法だけど、傍から見ていて滑稽な感じもするし、「それが虚像であると人々に知られながら、なおもクリーンを演じ続けるのって、本人的には辛くないのかな」って気持ちになるのも確か。
 最近だと、香里奈がスキャンダル後の復帰第一作に『結婚式の前日に』なんて選んだのは、やっぱり失敗だったんじゃないかしら……。香里奈って、もともとそれほど清純イメージじゃなかったし、例のスキャンダルだって(不倫だの薬物だのに比べれば)全然大したことないけど、彼女が「結婚式を前に、病に冒されたヒロイン」を演じるのを観ながら、「いやいや、アンタ、そんなタマじゃないだろ」と心の中で突っ込んだ視聴者は、少なくなかったハズ。香里奈には、あのタイミングで、めちゃくちゃ計算高い女の役とか、性に奔放な女の役とかを演じてほしかったわ。

 一方、女優でも歌手でもないけど、「スキャンダルを逆手にとって、うまくやったなァ」と思うのは、いま、『マツコ&有吉の怒り新党』降板で話題になっている夏目三久。「ベッドで、コンドームの箱を持って笑っている写真が流出」なんて、「さわやかさが売りの女子アナ」にとっては致命的。でも、日テレを退社してフリーになった彼女は、気の強さを隠そうともせず、下ネタも解禁し、再び人気を獲得。
 ちなみに、このコラムの担当編集者は「夏目三久はアイドル売りしていた局アナ時代より、今の方が、清楚なイメージがある」と言っているんだけど、もし多くの人が同じように感じているなら、夏目アナのイメージ戦略、大成功ね。

 というわけで、今年スキャンダルにみまわれた人……たとえばベッキーには、(演技力とか妖艶さとかを身につけたうえで)いずれ「愛人役」や「人の男を寝取る女」を全力で演じてほしいわ。どうせCMもなくなっちまったんだから、ヘタにクリーンなイメージを保とうと頑張ったり、あるいはヌード写真集とかを出して一気に「消費」されたりするより、よほどいいと思うんだけど……どうかしら。

(水曜連載)

写真:「怒り新党」を降板した夏目三久(左)(降板前のテレビ朝日番組ホームページより)

【エスムラルダ:プロフィール】
えすむらるだ…1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。著書に「同性パートナーシップ証明、はじまりました。」(ポット出版、共著)
twitter:@esmralda001

エスムラルダ

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おすすめ書籍:「同性パートナーシップ証明、はじまりました。渋谷区・世田谷区の成立物語と手続きの方法」エスムラルダ、KIRA著(ポット出版)
http://books.rakuten.co.jp/rb/13507222/


 


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