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芸能・エンタメ 2016.03.23(水)

批判続出(?)の月9『いつ恋』を擁護する:ドラァグクイーン・エスムラルダ連載95

 

エスムラルダの「勝手にワイドショー!」

連載第95回 批判続出(?)の月9『いつ恋』を擁護する

 3月も下旬に入り、2016年1月期のドラマはほとんど終わったわね。
 ちなみにアタシ、以前このコラムで紹介した『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(以下、『いつ恋』)、『ダメな私に恋してください』(以下、『ダメ恋』)、『ナオミとカナコ』『わたしを離さないで』の4本は、最後までちゃんと観たわ! ただ、それぞれに見どころがあって面白かったのに、意外な健闘を見せた『ダメ恋』(『きょうは会社休みます。』といい、今は「漫画を原作にした、イケメンが二人以上出てくる、ダメなアラサー女子のベタなラブストーリー」が好調なのね)以外は、残念ながら、低視聴率のまま終了……。

 てか、「面白いドラマほど録画して繰り返し観たり、保存したりする」人も結構いるだろうに、そして地デジ化により、正確な数字を把握する手段はいくらでもあるだろうに、いまだにアナログな手法で算出される視聴率が基準とされ、それによってドラマの人気が判断されるなんて、本当にナンセンス。CMを飛ばされる可能性が高い「録画視聴」は、そりゃスポンサーにとっては意味ないかもしれないけど、リアルタイム視聴ばかりが優遇されるこの状況、なんだか釈然としないわ! ってアタシ、なに熱くなってるんだか。

 さて、今期のドラマの中で、放送開始当初から、何かと批判にさらされていたのが、『いつ恋』。「視聴率が低迷」(といっても、10%近い数字をキープしていたんだから、十分合格だと思うけど)とか「月9なのに暗くて地味」とか「ところどころ、会話が古臭い」とか「有村架純演じるヒロイン・音が訪れた病院に『放射能科』があった」とか「音が働いている施設がブラックすぎて、介護労働への偏見を生む」とか。それだけ、まだ「月9」への注目度が高いということなのかもしれないけど、なんだかちょっとかわいそう。

 確かに今回の月9、とってつけたような展開は随所に見られたわ。いい人キャラだった高良健吾演じる練が、突然ダークサイドに落ちてたり(でもすぐに更生)、音が階段から突き落とされて、重体に陥ったり(でもすぐに回復)。
 あと、批判を受けて途中で軌道修正したのか、練が働く引越し会社の同僚や、音が働く介護福祉施設の上司がいきなりいい人たちになっていたり、最終回で、練の親友男子と幼なじみ女子の距離がいきなり縮まっていたり、なんとなく全体的に説明不足な感じも。アタシ、「もしかして、視聴率の低さゆえに、放送時間が短縮されたり、一話カットされたりしたのかしら」とか、ついつい勘ぐっちまったわよ。

 でもね! アタシ、『いつ恋』、嫌いじゃなかったわ! ディテールの描き方とかセリフの言葉の選び方とか、いちいちひねりを効かせているところが、坂元裕二先生(脚本家)らしくて良かったし、手嶌葵の歌う主題歌がすごく美しくてドラマに合ってて、時々泣きそうになったし(ババア涙腺弱い)。明るくてわかりやすくてベタなドラマも好きだけど、そればかりじゃつまらない。地味で暗くて、でも雰囲気があったり会話が面白かったりするドラマも、アタシ、やっぱり観たいのよ。

 そして今回、視聴率低迷の責任を負わされてる感のある有村架純。かわいかったし、いい演技してたのに、やっぱりちょっとかわいそう。
 前にも書いたけど、架純って、『SPEC』シリーズでの野々村係長(竜雷太)の愛人役や、昼ドラの大問題作『ぼくの夏休み』のヒロインなどを経て、ようやく月9ヒロインにまでのし上がったのよね(ゴールデンタイムのヒロインが数年後に昼ドラのヒロインを演ることはよくあるけど、逆は稀)。一度や二度の低視聴率に負けずに、今後も頑張ってほしいわ!

(水曜連載)

【エスムラルダ:プロフィール】
えすむらるだ…1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。著書に「同性パートナーシップ証明、はじまりました。」(ポット出版、共著)
twitter:@esmralda001

エスムラルダ

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