
「あれっ、揚げ物が小さい」小麦粉値上げで飲食店はこうなる

ビッグダディも愛した「小麦粉」
「粉物」といえば比較的調達コストが安いので、飲食店でも主力になりやすい食材。麺類、パン類、お菓子類の多くにも小麦粉が使われているのは当然だが、低収入だった時代のビッグダディ一家も小麦粉依存系のレシピ中心だったのが有名だし、いきなり黄金生活の「1ヶ月1万円生活」でも定番。貧乏生活の基本である。とりあえず水につけて丸め焼いただけでも、揚げても、簡単に食べられるものとなるからだ。
そんな粉物の王様、小麦粉が今年の7月1日より特定の大手メーカーで約2%~6%相当、値上げになるという。他のメーカーも追随していくだろう。
グルメライターが語る飲食店の安直さ
元々小麦は相場があるため価格変動自体は仕方ないのだが、急な小麦粉値上げに飲食店は対応を悩んでいる。一例として高級料理店では、揚げる魚のサイズを小さくし、衣を減らすなど地道なコストカットで対応するというが、この動きに対して、酒飲み・食べ歩きを専門とする、とあるグルメ系のライターが本気で激怒する。
「原価アップといっても、1回の仕入れでたかだか200円程度の出費増ですよ(※高級料理店の例)。それで質・量を落とした食べ物を客に供給するって意識も低いし、飲食店の企業努力が足りなさすぎませんか。ビールなど、どこから買っても同じものの調達業者を競合させ安い見積もりを引き出したり、固定経費を削減し、食材以外の部分で対処すべきなんです」(某グルメライター)
どうやら出版業界では30%、50%と猛烈な原稿料ダウンが行われているので、2~6%で寝言を言っている業界にお怒りのようだが、確かにわずかなコストの差異は食材に頼らなくとも、広告・清掃業者・電気代・備品の見直し、仕入れ業者の変更などで、吸収はすぐ行えるだろう。
個人店ならタバコ代減らせばいい
お店側としては後に控える消費税アップを見据えなかなか値上げが出来ないという現状、またこれから他の食材(食用油、加工肉など)にも値上がり傾向が見えるので、ここで無理せず…という所なのだろうが、客としてみればこの段階で久しぶりに注文したものが「あれっ、小さくなった!」というのは実に醒めるし、騙された気分だ。しかも理由は小麦粉…。
チェーン店であれば本部次第なので末端ではどうにもならないだろうが、飲食業は個人店が多い。個人営業は懐具合に余裕があるわけではないが、今回程度の値上げであれば店主がタバコを減らすだけでも、相殺できるのだ。
大半の食材が上がるのならば原価が調整されても仕方ないし、値段を止む無く調整しても納得いく。だが、現状の小麦で原価を調整するのは安直すぎると思うのだ。
(文・編集部I)
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