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  • 実話BUNKAタブー 2019年1月号
    実話BUNKAタブー1月号

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サブカルチャー 2018.04.13(金)

ストロングマシーン引退:杉作J太狼XE「美しさ勉強講座」連載72

 


軟弱な男たちの姿に見かねて、あの先生が立ち上がった!
杉作J太狼XE先生の「男の偏差値がぐんとアップする美しさ勉強講座」

72時限目・ストロングマシーン引退

 ストロングマシン(スーパーストロングマシン、ストロングマシン1号)選手が現役引退すると聞いて、長い夢を見ているような気がした。

 私の話である。

 私が思ったのである。

 長い夢を見始めたのは1983年、1984年頃である。

 ストロングマシン選手のデビューと私のデビューはほぼ同時期である。

 当時はストロングマシーンだった。マシーン軍団と呼んでいた。

 私が漫画家デビューした翌年にストロングマシーンがデビュー、というかプロレス界に誕生している。プロレスの世界に私は当時からわりと近くにいた。詳細は省くが私の師匠筋にあたる人物が数名いる。逆に言えば私は師匠を持っていない。見よう見まねである。お世話にはなった。そのお世話になった人、そのほとんどがプロレスの近くにいた。プロレス記者もいた。だから「キン肉マン」がプロレスに登場する、という話は先に知っていた。それほど不思議な話ではなかった。すでにタイガーマスクが大人気になっていた。異常な人気であった。フィーバーであった。あの当時のプロレスをこえるフィーバーを私は知らない。対抗できるものがいまの世にもしもあるとすればカーリング女子チーム、LS北見のみんなのもぐもぐタイムを毎週30分放送すれば拮抗するかもしれない。

 話を進める。キン肉マンは結局プロレス界に登場しなかった。その代わりに成田に降り立ったのがストロングマシーンであった。版権ものの人気者キン肉マンと、見たことも聞いたこともないストロングマシーン。名前もストロングにマシン。あまりにもひねりがなく、気恥ずかしさは確かにあった。それを若干弱めたのがマシンではなくマシーンと単語を伸ばしたことである。

 空港で「ギガガガ」と機械音を発したと東京スポーツが大々的に報じた。だがどう見ても人間であった。もしかしたら、ではなく、いまふうに言えば百パーセント、全力ですべっていた。だが当時はすべるという概念もなかった。

「ちょっとそれは……」

 誰もが見なかったことにしようとしていたのではないだろうか。だが選手の大量離脱などもありストロングマシーンは悪の若松マネージャーとともに新日本プロレスの最前線へ、メインストリームにあれよあれよと押し出された。その頃、中身が平田淳二だということはほとんどのファンが知っていた。要するに、そこまで押し出しても大丈夫な力量を備えていた、そして誰もが認めていたということである。ま、それは置いといて。

 だが置いておきたくない仲間もいて、

「お前は平田だろう」

 とまさかのカムアウトを迫る敵まで登場した。

 当時、私はストロングマシーンの原稿をそりゃよく書いた。今と違って文章にも熱が込められておりかなりの傑作を何本も書いているはずである。勝手に漫画にも描いていた。存在をヒントにして『殺人マシーン』だったろうか、脚本を書いて8ミリの映画も撮った。漫画屋の塩山芳明さんと当時学生だった赤田義郎くんを大雪の神田で撮影した。

 私はストロングマシーンに夢中だったのだ。

 それは漫画家としてデビューしたはいいが、画力もまったくなく、この先、どうなるのかと思っていた不安な気持ちと、ストロングマシーンの持つ不安定な雰囲気がリンクしていたからだといまなら思える。きっとそうだ。

 平田の帰国は私の漫画家デビューの翌年だが、それまでに数年、海外で修業しているので年齢的にはすこし上である。

 カナダでは「サニー・トゥ・リバース」というリングネームであった。日の当たるところへ帰りたい。インディアンをモチーフにしていたのだ。そうした平田のエピソード、そのひとつひとつが効果的に作用せずに、ストロングマシーンは続いた。何度か様々な小休止もあったが2018年まで続いた。本人も、続くと思っていただろうか。機械音でギガガガと話したとも言われたあの帰国時に、引退まで続くと思っていただろうか。そこは私も同じだ。まさか杉作J太郎で続けると思わなかった。

 男の意地だろうか。そんな同期だろうか。

<隔週金曜連載>

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【杉作J太狼XE:プロフィール】
すぎさく・じぇいたろうXE
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める男の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。

おすすめ本:Jさん&豪さんの世相を斬る!(残侠風雲編)@ロフトプラスワン(ロフトブックス)
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