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サブカルチャー 2015.10.14(水)

「まれ」総括と「あさが来た」~エスム的「朝ドラ」論・その2:ドラァグクイーン・エスムラルダ連載72

 


エスムラルダの「勝手にワイドショー!」

連載第72回 「まれ」総括と「あさが来た」~エスム的「朝ドラ」論・その2

 新しい朝の連続テレビ小説「あさが来た」が始まったわね。
 というか、ついこの間「まれ」が始まった、という記事を書いたばかりなのに、もう半年たったのね。時の流れが早すぎるわ……。

 さて、今回の朝ドラのヒロイン・あさを演じるのは、本田翼との違いが、今まであまりよくわからなかった波瑠(ババア、若い娘の認識能力低すぎ)。あさの姉・はつを演じるのは、二階堂ふみとの違いが、よくわからなくなりつつある宮﨑あおい(ただ、17歳の役を演じてもまったく違和感のない、あおい29歳の若々しさには、あらためてびっくり……)。
 福士蒼汰と中川大志といい、最近の芸能界は、そっくりさんがブームなのかしら……。

 ちなみに「あさが来た」は江戸時代後期スタートで、現在明治維新直前、大河ドラマ「花燃ゆ」は現在明治維新後が描かれており、朝ドラと大河の時代が丸かぶりするという、ちょっと珍しい現象が発生(大河が近現代路線に走った3年間を除く)。
 でも「あさが来た」の方は今のところ評判がよく、視聴率も好調、ということで、「花燃ゆ」がますますかわいそう。かくいうアタシ自身も、「あさが来た」は毎朝楽しみに観てるけど、「花燃ゆ」は録画したまま、ずっと放置しているわ……。

 それにしても前作「まれ」は、すごかった。
 半年前、このコラムで「現代ものの朝ドラは、中盤以降破綻してしまいがち」と書いたんだけど、「破綻」という言葉ではおさまらないくらいのしっちゃかめっちゃかぶり。
 「みんなで主題歌を合唱する」という赤面もののシーンが何の脈絡もなく出てきたり、ヒロインが結婚して何年も経ってから、突然「姑」が登場したり、まったくハラハラ感のない、似たようなトラブルが次から次へと発生したり。
 「もしアタシが書いてて、行きづまったら、こういう風にしちゃうんだろうなァ」と思うような展開のオンパレードで、観ていて胸が苦しくなったわ……。

 で、最近気づいたんだけど、朝ドラのうち、「時代物で、ヒロインが(その時代にしては)新しい仕事にチャレンジする」という作品は、(少なくともアタシ的には)当たりが多いのよね。髪結いとして洋髪に取り組んだり、戦後いち早くスーパーマーケットを立ち上げたりする「おしん」とか、昭和初期に美容師を志す「あぐり」とか、やはり昭和初期に洋裁店を立ち上げる「カーネーション」とか。
 一方、現代物の場合は、ヒロインが看護師になる「ちゅらさん」とか、落語家になる「ちりとてちん」とか、古典的な職業を扱ったものに名作が多い印象。

 逆に、現代物×新しい職業(パティシエとかダンサーとか)だと、ヒロインがタダの、底の浅いミーハーにしか見えないのよね……。
 もちろん、新しい職業には新しい職業なりに、奥深さとか大変さとか悩みとかが、絶対にあると思うのよ。それなのに朝ドラって、なぜかそこに正面切って踏み込もうとせず、新しい職業ほど軽やかに……というか、表面的に描こうとするのよね。だから、行き当たりばったりで薄っぺらな物語に見えてしまうし、ヒロインが仕事とか恋愛とかに悩んでいても、ついつい「ハァ? 世の中には、もっと大変な思いして生きてる人がたくさんいるんだよッ」と、素直にヒロインを応援できない気分になっちまうのよ……。

  今回の「あさが来た」は、時代物で主人公が新しい職業にチャレンジしていくという、名作の王道パターン。
「ヒロインがおてんばで男勝り」というのは、ちょっとベタすぎる感もあるし、ちょこちょこご都合主義的な展開もあるけど、一応史実に基づいているし、それほど大きな破綻はないはず。
 モデルとなった女性(広岡浅子さん)は相当な女傑だったみたいだし、今後が楽しみだわ!

【エスムラルダ:プロフィール】
えすむらるだ…1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。
twitter:@esmralda001

エスムラルダ

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おすすめ書籍:あさが来た(part 1) 連続テレビ小説 (NHKドラマ・ガイド) NHK出版
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