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サブカルチャー 2014.12.10(水)

祝・復帰! 今だからわかる、中森明菜のすごさ:ドラァグクイーン”エスムラルダ連載28

 


エスムラルダの「勝手にワイドショー!」

連載第28回:祝・復帰! 今だからわかる、中森明菜のすごさ

 8月に発売されたベストアルバムが、2作品合わせて25万枚を超える大ヒットとなり、11月15日にNHKで放送された「SONGS 中森明菜特集」は「錦織圭vsジョコビッチ戦」の裏だったにも関わらず、5.7%の視聴率を記録(※「SONGS」の通常の視聴率は3%台)。最近、少しずついい話題が増えてきた中森明菜が、2015年1月に、5年4か月ぶりにシングルを発表するらしいわ。

 今、10代とか20代の子に「中森明菜って知ってる?」と尋ねると、「誰?」とか「名前だけなら知ってます」とか「バーで、ババアオカマが中森明菜の曲を歌っているのは聴いたことがあります」とか「親が好きだったので知っています」とか、数々の衝撃的な答えが返ってくるけど、アタシたち世代にとって、明菜と聖子は特別な存在。他にも素敵なアイドルはたくさんいたけど、あの二人だけはやっぱり別格だったのよね。

 ちなみにアタシは、2000年以前のシングルなら全曲カラオケで歌えるけど(40代オカマにとっては、ほんのたしなみ程度)、特にファンだったわけではなく、ベスト盤以外のアルバムはほとんど聴いたことがないし、ライブにも行ったことがないの。
 でも、11月の「SONGS」には圧倒されたわ……。単に、「スローモーション」(1982年)から「難破船」(1987年)までのシングルのうち10曲の、当時の歌番組の映像が次々に流されるだけなのに、あまりにかっこよくて目が離せないの。その日はアタシ、行きつけのバーで何人かで観ていたんだけど、「これ、16歳の声じゃないよね」とか「20歳でこの貫禄、ありえなくない?」とか、みんなで大騒ぎ。
 なお、今回の「SONGS」のラストは、スタジオで尾崎豊の「I LOVE YOU」を歌う映像(2009年に放送されたもの)でしめられていたの。5年前の明菜はガリガリに痩せていて、表情にも生気がなかったんだけど、その姿で声をつまらせながら歌う「I LOVE YOU」があまりにも切なくて、思わず涙。表現者としての明菜の実力を、再確認したわ……。

 一方、女優としても、かつてかなりいい仕事をしていた明菜(作品によるけど)。中でもアタシが好きなのは、1998年に日本テレビ系で放送された「冷たい月」。これは「中森明菜演じる女が、永作博美演じる主婦を逆恨みして、永作一家の隣りに引っ越し、じわじわと追い詰めていく」というストーリーなんだけど、鉄棒を竹刀のように振り回し、遊園地の迷路で永作を追い回す明菜とか、廃工場に永作を監禁し、「『助けてェ!』って叫んでみなさいよ。アッハハハハハ」と、気が狂ったように笑う明菜とか、とにかく、見どころ満載で素敵なの(興味がある人は、動画サイトで検索してみて!)。

 情緒の不安定さやわがままさが災いし、これまで仕事においてもプライベートにおいても、数々のチャンスを逃し、負のスパイラルにハマってしまった(ように見える)明菜。でも、楽曲や役柄がハマりさえすれば、きっとまた素晴らしい歌や演技を披露してくれるはず。何とか体調を整えて復帰し、無理のない程度に仕事をし、アタシたちを楽しませつつ、幸せになってほしいわ。
 そのためにも、まずは1月にシングルが無事発売され、ヒットしますように!

【エスムラルダ:プロフィール】
えすむらるだ…1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。
twitter:@esmralda001

 

連載バックナンバー(最新10件)はこちら → 
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オススメCD:中森明菜シングルス 27(ワーナーミュージック・ジャパン)
http://books.rakuten.co.jp/rb/3792763/








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