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社会・経済 2015.12.24(木)

中国人が伊勢丹好きな本当の理由


ホンモノだけが集まっているから

 外国人観光客が日本を多く旅していることは、今年よく聞くようになった「インバウンド需要」という言葉や、テレビで話題になった「爆買い」というキーワードでもおわかりのことと思う。特にアジア系外国人には、東京だと銀座や新宿が人気だ。

 中国人をターゲットとした免税店が増えている新宿地区でも、人気なのはデパートの伊勢丹。プラネット社の調査によれば、訪日中国人の行きたい店は「伊勢丹」が52.7%で1位。2位も「三越」の44%だ。どちらも三越伊勢丹HDの店で、まるで訪日客を独占しているようにも見える。しかしなぜ中国人は伊勢丹を特別なブランドに思うのか? そもそも上海や天津など、中国にも伊勢丹はあるのに…。わざわざ日本で行く理由は? 中国人事情に詳しい編集者に聞いてみた。

中国ではニセ包装紙が出回っていた

「中国ではニセモノ流通が多いため、常に本物を売っている日本『伊勢丹』のブランド自体は非常に信頼されていますし、現地店舗も人気です。しかし、街中に出れば、包み紙や紙バッグ・テープの模造品が一部で売られていたんです。私もある在日中国人に、5年ほど前上海で売られていたニセ包み紙の現物を見せてもらいましたが、中国では他店で買ったものを詰め替えるビジネスが闇で行われている。自分でお店で買えば本物で間違いないんですが、贈答品の場合、たとえ伊勢丹の包み紙であっても他店の商品がニセ包み紙に詰め替えられた可能性もあり、真贋が見抜きづらいですね」(在日中国人事情に詳しい編集者)

 だから自分の目で見て選べる「本物」が価値を持つ、ということか。日本で伊勢丹に立ち寄り、商品を買えばまずニセモノが混じる可能性がないわけで、贈答するにしても旅行したことで「ホンモノ」証明ができる。それは爆買いもするだろう。

「三越・伊勢丹は2013~14年にどちらも包装紙を変更しています。表立っては一切言いませんが、これらの対策もあったんじゃないですかね」(前述の編集者)
 2014年には、伊勢丹地方店舗の催事場にとあるブランドのニセモノが混入した疑惑も起こったが、
「それでも大々的に報道されたということは、それ以外はホンモノということ」(伊勢丹常連の中国人女性・50代)
と、ちょっとしたトラブルが起ころうが、中国人からの信頼は依然として高いようだ。
 日本が誇る伊勢丹のいっそうの成長に期待したい。

(文・楠尾 袋)




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