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社会・経済 2013.08.16(金)

ショップ店員「デニムは臭そう」不人気の裏にある現場の空気

 


衰退しまくりのジーンズ産業

Gパンが売れない――現在、デニム工場がどんどん閉鎖、廃業続きの真っただ中だということをご存知だろうか。
国産ジーンズブランドがもっとも盛り上がっていた1980~1990年代前半ごろ。街ゆく若者のほとんどは、エドウイン、リーバイス、ビッグジョン、ボブソン、ラングラーらのジーンズで下半身を覆っていた。だがしかし、今や、日本初の国産ジーンズメーカーであるビックジョンは国内自社工場生産打ち切り。日本デニム産業の本山・岡山の雄、ボブソンは昨年末に自己破産を申請(現在は創業家がブランドを買い戻したものの、あまり旗色はよろしくない)。さらには、ブラッド・ピットの「503」なCMが懐かしい、国内最大手のエドウインは、昨年に年商レベルに巨額な損失隠しが発覚。粉飾決算は10年以上続いていたという。リーバイ・ストラウス・ジャパンも国内の独自企画をほとんど打ち切り、もはや米国本社の傀儡企業…などなどと、まさに惨憺たる現状なのだ。
いったいどうしてデニム業界はこんなに激しく衰退してしまったのだろうか。 ユニクロをはじめとする低価格ファストファッションが打ち出す、1000~3000円程度のデニムが市場を圧迫しているとの説が一般的だが、ここでは、洋服のトレンドを現場で眺めてきたショップ店員たちに、話をきいてみた。

普通の若者はジーンズを穿かない

「まず、最近の若者ってジーンズをいてないですよね。ここんところずっと、ぜんぜん流行ってないです」(33歳、男性、某セレクトショップ勤務)
「とはいえ、デニムシャツとかデニムジャケットとかは着てるんですよ。でも、確かにジーンズは微妙ですね。まぁ、普通に、パンツの1アイテムとして使ったりはしますけど、チノパンや軍パンの方が、ずっと使い勝手がいいでしょう。僕らが高校生のころにいたような、年がら年中ジーンズを穿いている人ってのは、あまり想像できない」(29歳、男性、某国内ブランド勤務)
「古着マニアは?」(31歳、女性、某セレクトショップ勤務)
「そんな人、今どきいないでしょ?」(前出・29歳男)
「じゃあ、変なヴィジュアル系バンド流れの中2男が、奇妙なダメージ加工がしてあるダサいジーンズを穿いてたりするのは?」(前出・31歳女)
「いるな(笑)。後はおっさんでしょう。今の50~60代なんですかね。あの、オヤジのGパン信仰は。ブヨブヨの腹を無理矢理、固い生地に押し込めてるのって、辛そうにしか見えません」(前出・33歳男)

経年劣化が早く機能性も最悪

「あまり色の落ちてない生ジーンズを清潔に穿いてるのって、格好いいんですけどね」(前出・31歳女)
「そうね。あれは確かに格好いいよ。でもさ、ノンウォッシュのジーンズって金がかかるんだよな。『ジーンズって育つズボンなんです』みたいなこと言うじゃない。それって正直、バリバリ色が落ちて劣化します』ってことじゃない」(前出・33歳男)
「ああ、判るかも。あれって小綺麗に保つのが難しいんですよね。小綺麗に穿き続けるためには、すぐ買い替えなきゃいけないから金がかかる」(前出・29歳男)
「逆に、色落ちしたジーンズが似合う日本人なんてほぼ皆無なんですよ。よっぽど細くて脚が長くなきゃ無理。チャレンジする方が無謀」(前出・33歳男)
「わぁ(笑)。ま、若くて貧乏な学生からしたら、ただでさえ貧乏なのに、なんでもっと貧乏に見えるズボンを穿かなきゃいけんのだって話なわけですね」(前出・29歳男)
「ちなみに機能性もかなり低い。梅雨の季節なんかに、ジーンズが雨で濡れると、なにより重くて貼り付くし、冬は寒く、夏は暑い。日本の気候に合ってませんよ」(前出・33歳男)
「ジーンズってあまり洗ってなくて、臭そうなイメージもありますしね」(前出・31歳女)
「笑」(一同)

ジーンズ=ダサイという現場の空気

かつてはジェームズ・ディーンやらなんやらと、カウンターカルチャーの象徴的アイテムだったデニムジーンズ。ありていに言えば、デニムとはまさに「格好よいもの」の象徴でもあった。
しかし、今回、30歳前後のショップ店員たちがデニムを語る様子からは、決して「格好よいもの」に対する温度は感じとれず、「時代遅れの鈍重なもの」に対するかのような嘲笑さえも感じるほどだった。そりゃ衰退、しますよね。

(文・編集部)※2013.08.22 一部誤記などを訂正いたしました

写真:denim detailsfour / buddhjeans (From Flickr CC-BY-SA)

▲いまやジーンズはオジさんたちの懐古趣味になったのか。
おすすめ書籍:「デニムバイブル」(Lightning特別編集)表紙より








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