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サブカルチャー

山口真帆は悪くない:ロマン優光連載126

2019.01.11(金)


ロマン優光のさよなら、くまさん

連載第126回 山口真帆は悪くない

 NGT48の山口真帆さんがファン二人に部屋に押し掛けられ暴行を受けたとされる事件。なぜか、被害者である山口さんが謝罪させられるという、有り得ないことが起こりました。本来であれば、メンバーを守るべき立場である運営が、自分たちの責任を色々と果すことなく陰に隠れて、被害者である山口さんに重圧を押し付ける姿勢は普通に許されないものだと思います。
 そもそも、12月に起こった事件を山口さん本人がネット上で告発するまで黙っていたことにも疑問が残ります。山口さんの自宅の情報漏洩にメンバーが関与したことを運営は認めていますが、その説明も「道であった犯人に山口さんの帰宅時間を教えた」という意味がよくわからないもので納得ができるものではありません。
 事態をマスコミに発表しなかったことに関しては、山口さんに好奇の目が注がれることを防ぎたかったという理由も考えられなくはないですが、責任を上や世間から問われることを避けたかっただけのようにも思えます。山口さんのことを気遣ってのことならば、山口さんが納得いくような処置をうちうちにしているでしょうし、それがないから今回の告発に至ったわけで。事件の背景の詳細な解明をして、山口さんに納得がいく説明をすることも、関与したメンバーに対する相応な処分もちゃんとしなかったために、こういう事態になったのでしょう。
 今、情報漏洩の当事者だとネットで見なされてるメンバーが実際にそうなのかはわかりません。その根拠が基本的にはSNS上のフォロー解除というだけであり、山口さんの彼女たちへの不信や不仲が推測されるものであっても、それ以上のものではありません。山口さんがはっきり指摘したわけではないですし、関与してるかどうかわかりません。運営が真実追求に動かなければ、山口さんだって本当のことを完全に把握できないでしょう。SNS上では、その中には全く無関係のメンバーが含まれているという指摘もあり、こういった指摘は、メンバーと繋がってる界隈から流れてきている可能性もあります。変な話ですが、聞き取りをしたとしても保身のための言い訳を聞かざるを得ない立場、事態を大きくしたくないので掘り下げたくない立場である運営よりも、私的な関係である繋がってるオタクの方が真実を知ってる可能性があります。
 起訴猶予ですらなく不起訴になっている時点で、暴行目的の悪質な犯行だったとは警察は判断しなかったということです。玄関先でトラブルになってから、もう一人が駆けつけているという状況からも、犯人が繋がり目的で山口さんの自宅に押し掛けた結果、当たり前のことですが、拒絶されて揉み合いになり、外で待ってた連れがあわてて駆けつけたという感じなのではないでしょうか。家の中までは入りこんでないので家宅侵入にはならなかったのでしょう。また、情報漏洩をした人間はいても、何らかの危害を加えるように犯人に示唆した人間がいなかったのだとも思います。とはいえ、助けがこなかったら、何がおこったかはわかりません。何より、家の場所も知らないようなファンに家を突然訪ねてこられた時点で、山口さんの恐怖は計り知れないものがあったと思います。自分もバンドをやっているのですが、いつもライブに来てくれるお客さんでありがたく思っていても、その人が教えてもない家に突然来たら単純に怖いですよ。男の自分だって怖いのに、女性だったら、なおさらです。

オタクとの繋がり問題

 繋がりという言葉をだしましたが、今回の事件の背景には繋がり問題が見え隠れします。 犯人の一人は、山口さんのいわゆる「強いオタク」らしいという話もあったり、山口さんからレスとかそれなりに貰ってるうちに変に勘違いをしたのかもしれません。もしそうなら、その勘違いは、周りに繋がっているオタクがいることから、「自分もいけるんじゃないか」という感じからも補強されていったような気がします。情報漏洩の件から考えても、繋がっているオタクが周囲にいて、その関係があるからこそ情報を得ることができたと考える方が自然だと私は思います。
 偶然に道ばたで出くわしたり、SNSにアップされた飲食店の情報や、接触のさいの何気ない会話によって、アイドルの居住エリアを何となく知ってしまうことはよくあります。普通はそれ以上詮索しないものですが、さらに探ってしまう人もいます。知人の話ですが、ある店のことをたまたまTwitterで書いたら、偶然その店の近隣に彼の通ってたアイドルグループのメンバーが住んでいたらしく、他のオタクたちに叩かれたという話があります。そのアイドルの家を知ってるオタクが多数存在したということです。
 東京ですら、こうですから、狭い地方都市ならより簡単に特定することができるはずです。アイドルが地元の出身なら、学校だって特定しやすいし、地元の友人を使ってコンタクトをとるのも容易いでしょう。偶然を装って居住エリアをうろついて、メンバーと接触するのだって、狭い地域ならそこまで不審ではありません。非常に繋がりやすい環境です。
 結局、この事件の遠因は繋がりが横行する可能性がある環境を放置していた運営にあるといわれても仕方ないでしょう。情報漏洩が起きるような環境を放置していた、メンバーの管理が出来ていなかった運営の責任が問われるのは当然のことであり、それを恐れた運営が隠そうとしてたとしか思えません。この事件によってスポンサーが離れたり、企業協賛がなくなることも考えられますし、それは48グループ全体に及ぶ可能性もあります。少なくとも、内部から個人情報の漏洩が起こる48グループは安心して働ける職場ではないというイメージは避けられませんし、世間の風当たりは強くなります。保身にも走りたくなるでしょう。しかし保身のために真実を隠し、事件が明るみに出ると山口さんを矢面に立たせて、責任者である今村支配人は前に出てこない。最初に事実を明らかにして、山口さんに納得してもらえるような処分をしなかったために、ああいった形で告発をせざるをえないような形に追い込んだこと。事件の詳細が隠されていたため陰謀論めいた噂が囁かれるようになったこと。結果として無責任な犯人探しがネット上で横行していること。今さら、適切な処分を下しても、疑いの目は消えないし、無責任な噂も消えないでしょう。これら全ては運営が保身のために真実を隠したことから起こったことです。保身のためにメンバーを守るという責任を放棄するのは、さすがに許されないのではないでしょうか。
 繋がりというのは、恋愛禁止とかいう話とはまた違う話で、職業人としての自覚とかコンプライアンスの問題に関わってくると思うんですよね。でも、やるなと言われていても、やる人は出てきてしまうわけで、どうせやるなら、せめてオタクもアイドルも色々な意味で上手いことやってほしいもんだと思います。

(隔週金曜連載)

イラスト:「共謀のイラスト」いらすとや

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【ロマン優光:プロフィール】
ろまんゆうこう…ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『日本人の99.9%はバカ』『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。現在は、里咲りさに夢中とのこと。twitter:@punkuboizz

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