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サブカルチャー

バニラビーンズ解散:杉作J太狼XE「美しさ勉強講座」連載80

2018.08.03(金)


軟弱な男たちの姿に見かねて、あの先生が立ち上がった!
杉作J太狼XE先生の「男の偏差値がぐんとアップする美しさ勉強講座」

80時限目・バニラビーンズ解散

 バニラビーンズ解散。

 たぶん間違いないのだろう。

 まだ直接、本人、関係者に確認したわけではありませんが、そのようです。すぐ本人、あるいは関係者に確認をとろうか、あるいはなにか言葉をかけようか、かけるべきかと思ったが、それはやめた。おそらくたくさんの人からいろんな意見や激励、あるいは撤回してくださいというような声もあるかもしれない。ただ、「おつかれさま」みたいな言葉や、「いままでよく頑張りましたよね」みたいな言葉は、いま、この瞬間にかけるべきではないと俺は思う。俺だけかもしれませんから強要はもちろんしませんが、たとえば俺が、同じようななにか、バニラビーンズの歩んできた険しくも有意義な道とは違うにせよ、似たようななにか、解散、あるいは別れ、断念、中断、卒業、それを発表した瞬間に、「おつかれさま」と言われるのは俺は嫌である。そんな簡単に終わったことにしてくれなくないか、そんな簡単に過ぎ去っていく事柄にしないでもらえないか、そんな簡単におつかれとかご苦労とか、言わないでもらえないかというのが俺はある。

 だからバニラビーンズ解散の報を聞いても、まだ確認はしていない。時間はかけたい。

 解散の危機のようなものはあった。そういう話はまたこのあと、丁寧にしかるべき場所でしかるべき書き手によってなされるであろう。

 ではここでなにを記せばよいのだろうか。

 彼女たちと最初に会ったのは2008年か2009年頃で、その頃、千葉さんという女性がマネージャーだった。俺はたいへんお世話になった。

 申し訳で札幌に行ったときではないかと思うが、その頃、俺はひどい腰痛に喘いでいた。なにをしてもよくならなかったが、千葉さんが患部を丁寧にマッサージしてくれた。そしてその位置を繰り返しマッサージすればいい、と、マジックインキかなにかで特定してくれた。そんなとき、レナさん、リサさんのふたりは決まって、あーでもない、こーでもない、みたいなことを言いながら俺に世話を焼いてくれた。夜にはみんなでジンギスカンを食べに行った。そぼくな小屋のような店だったが画期的においしかった。俺は痛風気味なのでふだんはビールを飲まないのだがその夜はかなり飲んだ気がする。もう何年も前なので細かな記憶はないが、レナさん、リサさん、そして千葉さん、このバニラビーンズというグループはしっかりした大人なんだなと思った。子供子供したアイドルが現代のアイドルイメージだとするならば、バニラビーンズはそれではなかった。男女の差があるからか、俺が劣っているのか、俺なんかよりしっかりしていた。

 若年アイドルたちからはお姐さんと慕われている部分も、イベントによってはまとめ役を任される部分も、それはそれでおさまりのいい部分もあるにはあるだろうがバニラビーンズというユニットとしては難しい部分もあったはずだ。ま、これも俺がいま記すべきことでもなかったと思う。けど、消すのもなんだからこのまま提出することにする。

 去年だったか、都内某所で夜、ジョギング中のリサさんに会った。とぼとぼ歩いている俺に短パン、トレーニングウェアの若い、スタイルのいい女性がこちらに走ってくる。むかし、山手線の車内で完全な冤罪の痴漢騒動に巻き込まれかけた身としては君子、美しきに近寄らず、の寸法で、それとなくそれとなく歩く方向を変えた。こちらに走ってくる女性と出くわさないように走る軌道を変えたのだ。が、女性はさらに軌道を修正してこちらに走ってくる。いかん! それとなく方向を変えたのでは衝突してしまう。妖星ゴラスから我が身をかわした地球のように俺はあからさまに進路を変えた。逃げるように横移動した。

「Jさん、なにやってるんですか?」

 腰を抜かしそうになったが、先に記したようにそれはリサさんだった。汗で顔が光っていた。えらいなー。いつもこうしてトレーニングしてるのか。そりゃそーだよなー、そうしないとスタイルの維持はできないよなー。俺も見習わないといけないなー。そう思った。

 解散して彼女たちが今後どういう道を歩むか、それは明日以後の話なので誰も見たことのない未来であるからここでは記せない。ただ、これだけは言える。いや、安くなるからやめておこう。

 ただひとつ、決定的に残念なのはバニラビーンズの主演映画を撮れなかったことである。実は某キー局がスポンサーのオムニバス映画企画であり、脚本書いたら「いいじゃないですかー」みたいな感じでさらに書いて直して書いて直して会議して、もう少し待ってくれ、もう少し遅れそうだ、みたいに待っているうちにいつしか企画そのものが消えてしまった。雑誌で特報も発表したのだが結局実現しなかった。ベテランの映画監督もオムニバスの他作品を担当する予定で、たいへんたのしみにしていたし、俺も一生懸命作業したのだ。007みたいな諜報員と彼女たちが展開する、湘南を舞台にしたサスペンスコメディだった。残念であり、悔しい。申し訳ない。こういうことはよくあるのであろう。そのベテラン映画監督はいま映画の世界から身を引いている。

(この項、おわり)

<隔週金曜連載>

写真:2014年4月2日、T-Palette Records×コップのフチ子「NO MUSIC, NO FUCHICO?」記者発表会でのバニラビーンズ

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すぎさく・じぇいたろうXE
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める男の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。

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