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サブカルチャー

素人ギャル店の奇跡とアイドルの関係:瀬名あゆむ連載6

2015.08.31(月)



瀬名あゆむのAV vs アイドル
~もし元AV女優がローカルアイドルのプロデューサーになったら

第6回「素人ギャル店の奇跡とアイドルの関係」

 皆さまこんにちわ! 仙台&千葉のローカルアイドル『2ねん8くみ』プロデューサーの瀬名あゆむです。
 今回は前回から引き続き、私が自分で始めたお店・初代2ねん8くみについて書かせて戴きます。

 私が深夜テレビ番組のレギュラー出演を終えて、同時に耳かきギャルも辞めて、次に思ったのは「お店をやりたい! それも可愛い女の子がいる楽しいお店がやりたい!」ってことでした。ちょうどそのとき札幌市に〝平岸ゴールデン街〞って飲み屋街が新開発されて、新規店舗の募集があったので思い切って申込んだら、運よく出店できることになったんです。私はそれまでメイド喫茶と耳かき屋さんでアルバイトをしていましたが経営者は大人の男性の方々でした。だから普通に考えれば、お店を出すならそのような周囲の経験者の大人たちにアイドバイスを戴いたり、協力をお願いするのが一番安全ですよね。でもどうしても自分だけでやりたかったんです。開店資金も貯金を全てつぎ込みました。その上で、どんな店にしようか必死で考えました。
「夜のお酒だけの店だと競争が激しいから、昼も夜もやれる形態にしよう」「だったらやっぱり可愛いメイドさんが接客するカフェ&バーがいいな」「けどメイドさんだけってインパクトないよねえ」「20歳そこそこの女の子たちだからこそやれることってなんなんだろう……」

 そうやってお店のコンセプトで悩んでいるうち、なんかこれって文化祭の出し物や模擬店のアイデア考えてるの同じだなぁって思えてきたんです。「文化祭…学校かぁ…あ! いっそ本当に女子高の文化祭の教室でやる模擬店みたいにすればいいかも!」
 きちんとしたカフェ&バーを女の子たちだけでやってもどうしても素人っぽくなります。だったらいっそ文化祭ノリのお店にしたら逆に個性が出せるかもしれないって思ったんです。店の内装もカフェやバーじゃなく、学校の教室にしてしまえば面白い。平岸二条八丁目にある教室だから、名前は「2ねん8くみ」にしよう。そして店員のメイドさんも私のギャル友達を誘うことにしました。

ギャルたちが全て手作りしてました!

 ただ「教室のようなお店にする」って決めたはいいけれど、それからが困難の連続でした。よく考えたら、お店をカフェ&バーの内装に仕上げるより、学校の教室に変身させることのほうが手間もお金も何倍も必要なんですよね。まずは学校で使う机と椅子。机を15台に椅子を24脚を手に入れて。通常の業務用のテーブルや椅子よりずっと高価でした。そして黒板! 教室といえば大きな黒板ですけど、それが売ってないんです。小さい黒板とか大きいホワイトボードならあるんですけど、学校で使ってるようなチョークで書く大きな黒板はもうすでに販売されてないようでした。でもどうしても欲しくてネットオークションとか官公庁オークションを探しまくって、どうにか沖縄の小学校で使わなくなった黒板が見つかりました。価格は4万円くらい。「やった~!それならどうにか買える!」と思ったら、なんと沖縄から北海道への配送料が10万円以上かかるといわれて……。 迷いに迷ったあげく、最後はもう「えいやあっ!」って気合いで購入しました。

 そしてさらに食事メニューに「給食」を出すことにしました。「教室でメイドさんが給食配るって面白いよね!」って。ところがこれがまたむちゃくちゃ大変で。まずは昔懐かしいアルマイトの給食用のお皿にボウルや先割れスプーン。これは割と簡単にネット通販で手に入ったんですけど、問題は給食の中身です。教室の内装を実現すること以上に給食を再現するのは大変でした。なにしろ内装は一度造ればいいけれど給食は毎日日替わりで出さないといけないわけですから。結局、学校給食のメニューを調査して、全部自分たちの手作りで再現することにしました。「スパゲッティミートソース」「クリームシチュー」「肉じゃが」「カレーライス」「カレーうどん」「揚げパン」「ホットドック」……。牛乳はテトラパックにして、コーヒー牛乳やフルーツミックス牛乳も選べるようにして。一番こだわったのはソフト袋めんです。あれをできる限り再現したくて、一番味が似たスパゲッティを一度茹でてからわざわざ一食分づつビニール袋にいれて封をしました。袋の端を割り箸で挟んでライターで炙って封をする……そんな原始的な方法でやっていましたね。揚げパンにしても出来合いの物じゃなく、コッペパンを自分たちで揚げて、お砂糖をまぶして。だから週のうちに何日かは給食の仕込みで徹夜でした。休みも全くとれない。でもなぜか平気で楽しかった。それはやっぱり店のコンセプトそのままに、毎日がまるで文化祭の前の日状態だったからかもしれません。

もしかしたらアイドルの原点だったかもしれない

 ただ、周囲の人たちからはコンセプトをかなり反対されました。
「メイドカフェなんだから食事メニューなんて冷凍食品でいいんだよ」とか、「教室の内装なんかにしたらお酒の注文が減るよ」とか。
 給食もセットメニュー600円の価格にしたら、「そんなんじゃ儲けがでない。メイドが食べさせてあげるとかにして倍の1200円は取らなきゃ」とも言われましたね。でも、どんなありがたい忠告も、そのときの私は聞きませんでした。だって文化祭なんだから、先生や大人の言うとおりにやったら面白くないでしょ。

 そうやって全くの飲食経営素人の私が始めた初代の『かふぇあんどばぁ~ 2ねん8くみ』でしたが、なんといきなり大繁盛してしまったんです。お昼12時に開店して午前0時に閉めるまで、夕方以降は常に連日満員状態、給食メニューも毎日完売でした。特別な宣伝とか全然しなかったのに、常連になってくださるお客様が日に日に増えていって、正直、自分でも驚きでした。「なんでこんなにお客さんが来てくれるんだろう」って。
 実際、メイドカフェといってもメイドは私と私のギャル友達だから、メイド好きのお客様が喜ぶような〝萌え〞な感じとか最初はなかなか出せなかったんです。全員茶髪や金髪だし。アニメとかのオタトークをふられてもギャルだから「え、あ、なに? アタシしらないっす」とか言っちゃうコまでいて。お客さんが笑ってウケてくれたからよかったですけどね。さらに給食メニューもいろいろ工夫もしましたけれど、調理してるのはプロのコックさんでもない私たちなわけで。本当になんでこんなに繁盛するんだろう、奇跡だよねって、私も店のコたちもいつも不思議がっていました。

 でも今振り返って考えれば、あの初代2ねん8くみって、実は一種のグループアイドルだったのかな、と思うんです。
 プロじゃない女の子たちがとにかく一生懸命に頑張る。
 お客様はそんな女の子たちの成長を見守りながら応援してくれる。
 そう、初代2ねん8くみのお客様たちは、まるでファンのように私たちを「推して」くれていたんだと思います。そして茶髪のギャルメイドだった私たちは、札幌の片隅の飲み屋街の小さな店で、自分たちも気づかないまま「アイドルの原点」をやっていたのかもしれません。

 本当に奇跡のようなお店でした。
 しかし1年後、私はある決断をして店から離れてしまいます。
 その結果、それから半年で店は閉店に追い込まれてしまうのですが、それについてはまた次回で……。

【次週予告】
 奇跡的な大繁盛店となった初代『2ねん8くみ』はなぜ閉店してしまったのか? 瀬名あゆむがした決断の中身とは……?

【瀬名あゆむ:プロフィール】
仙台&千葉のローカルアイドル『2ねん8くみ』プロデューサー。10代の頃に北海道のローカルアイドルとして活動し、メジャーデビュー寸前で挫折。その後、地方局TVレギュラー出演等を経てAV女優となり500本以上に出演した。1985年生まれ・さそり座・A型。

★2ねん8くみ仙台店 http://www.2-8cafe.com/

★2ねん8くみ千葉店 http://2nen8kumi-chiba.com/

※東京のイベントにも出演しています。ぜひチェックしてください!

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