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生活・知恵

Twitterフォロワー10万人の女性の「愛し方」とは? 爽快エッセイ『ものすごい愛の、ものすごい愛し方、ものすごい愛され方』

2019.05.20(月)


 今の時代、健康で幸福であることを宣言するのは難しい。なにしろ先行き不透明な時代。バブルも経済成長も、もう来ないことはみんな薄々気づいているし、「不安だ」「不幸だ」と嘆いているほうが、確実にたくさんの「いいね!」をもらえそうなご時世です。
 でも、毒をまき散らしていたら、自分がその毒にあたってしまう、というのもよくあること。あまりに毒、毒いうことで、無害なものも毒に見えたりする危険性が……。健やかに生きていくためのポジティブも、もうちょっと肯定されてもいいのかなと思います。
とはいえ、本書の著者名を見た時には、さすがに「マジか!」みたいな気持ちになりました。なにしろ、著者名が「ものすごい愛」で、Twitterのアカウント名も同様。この、幸せ自慢がフルボッコされるSNS時代に、さすがに大丈夫なのでしょうか? これはもしかしたら、恋愛勝者によるハードルの高いポジティブ恋愛論なのでは?

 と、危惧しながら読み進めましたが、全然違いました。著者の「ものすごい愛」さんは、今のダンナ様とネットで出会い、自分からアプローチして結婚し、幸せな結婚生活を送ります。でも、この本は「愛されるノウハウ」を伝授する本では全くありません。むしろ、タイトルに反して「愛されモテ」とは真逆の人生を綴っているのです。
 著者は書きます。髪を染めたことを気づいてもらいたくて、女の子が彼氏と「なんで怒ってるの?」「怒ってないもん」のやりとりを繰り返し、クイズ形式で自分の不機嫌の理由をわからせようとすることが時間のムダであると。「結婚の話をしてくれない」と彼氏を批判する前に、「私は結婚したいけど、あなたはどう思いますか」と聞いてみたらどうかと。そして、自分をブスと罵るような(おそらく自分を大切にしてくれない)人を気にする必要はない、と断じます。
 Twitterで夫へのラブラブを喧伝するのにも理由があります。人に家族の不満を漏らしてしまえば、「可愛げのある欠点」レベルのことを、許せなくなってしまうから。だから、不満があればちゃんと口に出して、夫婦の間で解決するそうです。自分の毒を自分で浄化することで、周囲に毒を漏らさない。環境にも優しい、ODAのスローガンになりそうなアプローチですよね!

 ふわふわ恋愛エッセイに見えて、実は結構真摯な「現代女性が自分を手放さずに生きていく方法」を書いているような気がします。なにしろ、いまだに「選ばれる女性になる」ノウハウが雑誌の表紙を飾っているような国ですからね。彼女はたまたま会社を辞めて専業主婦になったのですが、そのことを当然としているわけではなく、「今まで自分のために夫が働いてくれたのだから、今度は自分のほうが働いてもいい」と綴っています。自分の判断や感情に責任をもち、相手と対等な関係をもつことに努力している、その姿勢は令和を生きる若い女性にも共感できるのではないでしょうか。
 余談ですが、くるりの岸田繁さんも「面白かった」とTwitterで紹介しておられました。その事実だけでも、女子力全開のありがちエッセイでないことがわかりますよね? ふわっとラブリーな表紙に「おっ!?」とひるんだ人も、ぜひ思い切って手に取ってみることをおすすめします。

(文/吉田直子)

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