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生活・知恵

【後編】新歓コンパで調子に乗る大学生たちを未成年飲酒で通報してみたよ

2019.04.18(木)


 大学の新歓コンパでは、どう見ても未成年者飲酒禁止法に違反している新歓コンパが横行している。断じて許すわけにはいかない! ということで、週末、高田馬場駅前、夕方6時。新歓コンパの後をつけ、居酒屋で乾杯したところを見計らって110番通報してみた。



(前編より続き)  すぐに、という言葉は本当だった。わずか5分後におまわりさんが2人、店に入ってきたのだ。店員との会話に耳をそばだてる。
「未成年がお酒を飲んでると通報があったんですけど」
「いや、それはないです」
「学生さんのグループいらっしゃいますか?」
「……ええ、いますけど」
「20歳未満の学生がお酒を飲んでますか?」
「いえ、身分証明書をチェックしてますので……」
 そんなことしてないじゃないの。嘘はだめよ、嘘は。
 警察官が学生たちのほうへ。何が起きたのかわからない様子の連中は無言だ。けっ、いい気味だ。
「幹事さんいる?」
 女子学生が1人呼ばれ、代表して話を聞かれている。
「通報があったから来たんだけどね、未成年の子にもお酒飲ませてる?」
「いえ、飲んでるのはハタチを超えてる学生だけで」
「未成年の子は何を飲んでるの?」
「ソフトドリンクです」
 なんだその見え透いた嘘は。いまこの瞬間も、1年生女子の前にビールのグラスが置いてあるじゃん。
 続けて警察官が2人ほどに声をかけ、身分証を確認して帰り支度を始めた。いや甘過ぎない? 全員の身分証チェックと飲酒運転のチェックみたいにスーハーやらせなさいよ!
 外に出た警察官を追いかけた。
「あの、未成年はお酒を飲んでなかったんですか?」
「え? いや未成年にはソフトドリンクを飲ませてたみたいなので。まじめな学生さんたちでしたよ」
「でも1年生が飲んでるとこ見たんですけど……」
「今後もやましいことをしないように注意しましたから」
 そのまま去っていくポリスたち。店に戻ると、学生連中もぞろぞろと出口に向かっていた。
「2次会はなしにしようか」
「なんかテンション下がっちゃったね」
 ……ふむ。誰も連行されないのには納得いかないけど、ヤツらの興を削ぐことには成功したみたいだし、ここらで勘弁してやるか。

まさに「新歓潰しテロ」だ!

 再び駅前に戻れば、学生たちの狂乱は勢いを増していた。ったく……。
 1人がどういうわけかパンツ一丁になっており、周囲の学生がそれを見て笑いながら写メをパシャパシャやっていて、この空間には知的な人間が1人もいないことを確信する。
 そんな中でまた、学校名と学年の書いた胸シールを貼った子たちの集団を発見。様々な学校名があることと、サッカーのユニフォーム姿がちらほらいることから、フットサルのインカレサークルであると思われる。全部で30人はいるだろうか。未成年も間違いなくまぎれている。
 彼らについていくと、チェーン居酒屋の座敷席に入っていった。と、上級生らしき男子学生が、店員と親しげに話している。
「今日は休みもらっちゃってすいません。大人数ですけど騒ぎ過ぎないように注意しますんで」
「いいんだよ。今日は楽しくやってくれな」
 どうやら彼、ココでバイトをしてるようだ。店長かなんかに媚びるために、新歓の団体客を連れてきましたってか。いつもお世話になってるお礼ですってか? 偉いねぇ。学生の団体客なんてどうせ安いコースなんだし、騒ぎまくってうるさいし、トイレは汚すだろうし。あー、トイレでいちゃこく奴もいるだろうな。他の客に迷惑だわ。店長さんもかわいそうに。ったく、これだから学生さんは。
 さっそくピッチャーに入ったビールと安ツマミが席に運ばれていく。
「それでは○×△の新歓に来てくれた新入生のみんなに、カンパーイ!!」
 よし、飲酒チェックといきますか!! どれどれ、うんうん、1年生の中にはソフトドリンクの子もいるけど、明らかにビールを飲んでる幼顔もいる。はい、条件は満たしましたね。もうちょっと盛り上がってきたタイミングで通報してあげるとしましょう。
 それにしても、コイツらの席順はなんだ。新入生の女の子を先輩男子数人が囲んでいる。美人の周りに男が群がるのはわかるけど、片桐はいり激似の新入生女子にまで男子がガツガツしてるじゃないか。どんだけ猿なんだよ。片桐も嬉しそうに飲んでんじゃねーよ。
 新入生男子の周りには先輩女子だ。なにこれ、すごい楽しそうじゃん。コイツらじゃ先輩女子を持ち帰るなんて芸当は到底できないだろうけど、家に帰ったら絶対この状況を思い出してシコるんだろうな。それはそれで楽しそうで腹立つ。
 30分ほどアホどものくだらない飲み会を観察し、ゲロが出そうになったところで110番。今度も5分と経たずにおまわりさんがやってきた。

 店の外に呼ばれた店長が対応している。
「いや誰っすかそんな通報したの。迷惑だわ!」
「未成年に飲ませていたらお店も問題になりますよ」
「そんなことはしてねー、いやしてないですけどね、お店に警察が入ってくるのは迷惑なんで」
 店長、焦っている。これは未成年に飲ませてるとの自覚があるんじゃないの?
 警察が店内に入り、一目散に学生たちのもとへ。すると、幹事が話を聞かれている間に、1年生たちが席を立って店の外に出て行くじゃないか。待て、逃げるなよ。
 人の少なくなった座敷席で、警察が身分証チェックを始めた。どうやら未成年はその中にはいなかったようで、警察官が帰ろうとしている。待て待てぃ!
「あの、未成年らしき子たちは先に出ていっちゃいましたよ。先輩たちが逃がしたんですよ!」
「ん? アナタ通報してきた方ですか?」
「そうです。ほら、帰った1年生たちを追いかけてくださいよ」
 警察官はめんどくさそうに幹事に話を聞いている。
「逃がしてないんでしょ? それならいいけど、これからは注意してくださいね」
 なにそれ! 職務怠慢!
 このままでは終われない。そうだ、店長。
「あの、未成年にお酒を提供してたんですよね? それって法に触れますよね?」
「なに? そんなことしてないよ。ウチは身分証明書を確認してるんだから」
「そんな光景見なかったですけど」
「確認したから。言いがかりはやめてくださいよ」
 絶対してないじゃん! なんかオレが迷惑な客みたいになってんじゃん! キー!!
 学生たちは無言のままで店を後にした。今宵の楽しかったはずの時間を強制終了させるのには成功したのだが……。警察は適当すぎないか? 泥棒に対し「泥棒したか?」なんて聞いても首を縦に振るはずがないじゃないの。どいつもコイツもアホか!
 ……まあいい。リア充大学生がオレの目の前で、イチャイチャし始める前に消えてくれたのだから、とりあえずは良しとしよう。
 帰り際、先ほど店にいた学生たちが見えたので横を通ると、なにやら名言めいた言葉が聞こえてきた。
「誰だよ通報したの。マジでテロだよな。新歓潰しテロ!」
 テロか。テロで結構。オジサン、これからも正義のためにテロし続けますから!

(文/建部博)

※写真:実話BUNKAタブー2017年7月号(部分)

(この記事は『実話BUNKAタブー2017年7月号』に掲載したものをウェブ用に再構成したものです。『実話BUNKAタブー』は各電子書籍販売サイトにて販売中です。)

前編はこちら
http://bucchinews.com/life/6458.html

日本では、「未成年飲酒禁止法」により未成年に酒類を提供してはならず、未成年は飲んではいけません。なお現行法は2022年4月より「20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律」に変更となります。

 


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