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芸能・エンタメ

伊調馨選手パワハラ報道を考える:ドラァグクイーン・エスムラルダ連載197

2018.03.08(木)


エスムラルダの「勝手にワイドショー!」

連載第197回 伊調馨選手パワハラ報道を考える

 3月1日発売の「週刊文春」で報じられた、日本のレスリング女子の宝・伊調馨選手をめぐるパワハラ問題。内閣府に告発状を提出したレスリング関係者は「伊調選手が日本レスリング協会や同協会の栄和人強化本部長からの不当な圧力で練習場を追い出されている」「伊調選手の指導を辞めろという栄本部長の忠告に従わなかった田南部コーチを協会の理事から外した」と主張。一方、日本レスリング協会はパワハラの事実を否定し、栄本部長は8日発売の「週刊新潮」で、「今回告発されたのは、かつて伊調選手の従兄弟と確執があったせいかもしれない」と語っているそう。

 今も昔もこの手の揉め事は後を絶たないけど、「どちらかに肩入れする」のがどんどん難しくなっていくなあ、と感じる、今日この頃。歳をとってくると、たいていの揉め事はどちらにも「正義」があり、どちらにも「悪い」ところや落ち度があるというのがわかってくるから、一方だけを正しいと思ったり味方したりしづらくなるのよね。
 かといって、全ての揉め事が「両方とも正しく、両方とも間違ってる」で片付くわけではなく、どちらか一方に圧倒的に問題や原因があるケースも少なくないというのも、また事実。しかもメディアの報道なんかだと、問題がある人の方が(パフォーマンスだけは上手くて)被害者に見えてしまったりしがちだから、タチが悪いのよね。

 あと、たまに「『一次情報』(噂でなく、本人から直接聞いた情報)以外は信じない」と言う人がいるけど、それはそれで危険。世の中にはいるのよ。無意識のうちに都合の悪い記憶を塗り替えてしまったり、都合の悪い情報を完璧にシャットアウトしてしまったりする人が(まあ、ほとんどの人は、自分が見たいものだけを見る傾向があるけど)。そういう人って、「嘘をついている」という意識がない……どころか、自分が認識しているものこそ「真実」だと強く思い込んでいる分、言葉に妙に説得力(というか迫力?)があったりするから、たとえ「事実」とまったく違うことを聞かされても、事情を知らない人は、うっかり信じちまったりするのよね。

 さて、すっかり話がそれたけど、伊調選手をめぐるパワハラ騒動。もちろん栄本部長側にも筋の通った言い分はあるだろうけど、アタシは「『パワハラ』と言われても仕方のない行動は多かれ少なかれあったんじゃないかな」「それを『パワハラ』だと自覚していないんじゃないかな」と推測しているわ。おそらくご本人は、「指導」「しごき」「チームの秩序を保つ(もしくはチームを強くする)ためのやむをえない行動」くらいにしか思っていないんじゃないかしら。
 ただ、「無意識のうちに記憶を塗り替える」のと同様、「自覚がない」というのも、実に厄介。自分が「悪い」ことをしたという自覚があるなら、いくらでも改めようがあるけど、自覚がない人って、本人にも何が「悪い」のか理解できないし、わかろうともしないから、永遠に「改善」されることがなく、同じことを繰り返すのよね。そう考えると気の毒ではあるけど、周りにとって迷惑なことには変わりなかったりするし、ほんと、人間って難しい……。って、これらはすべて何の客観的証拠もない、タダの勝手な憶測に基づいた考えであって、実際に栄本部長がどうなのかは知らないわよ!(無責任)

 なお今回の件、大好きな吉田沙保里選手にも飛び火し始めていて、ちょっと心配。さおりんの悪い評判なんて聞きたくない……。って、ハッ! アタシまさに今、見たくないもの聞きたくないものをシャットアウトしようとしてる!

<水曜連載>(※今回は木曜更新)

おすすめ新書:『一日一日、強くなる 伊調馨の「壁を乗り越える」言葉』 (講談社+α新書/講談社)https://books.rakuten.co.jp/rb/14341917/

【エスムラルダ:プロフィール】

えすむらるだ…1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。著書に「同性パートナーシップ証明、はじまりました。」(ポット出版、共著)
twitter:@esmralda001

エスムラルダ

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http://books.rakuten.co.jp/rb/13507222/

 

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