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芸能・エンタメ 2016.04.20(水)

視聴率不振の「OUR HOUSE」を救え!:ドラァグクイーン・エスムラルダ連載99

 


エスムラルダの「勝手にワイドショー!」

連載第99回 視聴率不振の「OUR HOUSE」を救え!

 野島伸司脚本。シャーロット・ケイト・フォックスが民放連ドラ初主演。そして加藤清史郎、芦田愛菜、寺田心、三世代(?)の子役たちが共演――。話題になりそうなさまざまな要素を詰め込み、鳴り物入りで始まった、フジテレビ系のドラマ「OUR HOUSE」。
 日曜21時のドラマ枠を3年ぶりに復活させるとあって、局としては「絶対に失敗するわけにはいかない」という思いが強かった……はずだけど、初回視聴率は4.8%と、あまりふるわない結果に。

 そしていま、「芦田愛菜『OUR HOUSE』大爆死」と書かれるなど、視聴率不振の矢面に立たされている感のある愛菜ちゃん。シャーロット共に主演扱いだし、かつて「マルモのおきて」(愛菜ちゃんが出演した、同時間帯のドラマ)が高視聴率をとっただけに、注目されているのはわかるけど、この書かれ方はちょっとかわいそう……。

 ちなみに今回のドラマ、アタシはリアルタイムでは観なかったんだけど、数字と評価があまりに低くて、逆に気になってしまい、後追いで第1話をチェックしてみたわ。
 ご存知ない方のために軽く説明しておくと、「OUR HOUSE」は「山本耕史演じるミュージシャンの父親が、ラスベガスのカジノで出会った、シャーロット演じるアメリカ人女性と再婚。それに対し、芦田愛菜演じる中学生の娘が猛反発し、なんとかシャーロットを追い出そうとする」という内容。

 「気の強い前妻の娘vs後妻」という構図は、1987年に放送されたTBS系のドラマ「ママはアイドル」と同じだし、「張り合いながらも、いつしか二人の距離が縮まっていって、最終的には、何らかの事情でアメリカに帰ろうとするシャーロットを、愛菜が止めるんだろうなァ」といった具合に、今後の大まかな展開も読める気がするし、セリフの言い回しや演出の節々に、野島ドラマらしい(あえての?)古臭さは感じられたけど……。アタシ的には結構楽しめたわ!
 その大きな要因となったのは、ほかならぬ愛菜ちゃんの演技力。成長した分、以前よりもさらにうまくなっていて、ついつい見入っちまうのよね。もっとも、達者すぎて、「半年前にお母さんを亡くした」という設定(余談だけど、愛菜ちゃん、「お母さんがいない役」がやたら多い気が)なのに、もはや健気な感じがしないのも確か。ってそれ、このテのドラマとしては致命的な欠陥?

 しかし、最近の子役たちの「大人っぽさ」はどうしたことかしら。世の中全体としては「年齢は6~7掛けで考えるのがちょうどいい」という風潮なのに、彼らはむしろ6~7割増しなイメージ。
 「OUR HOUSE」第1話放送当日の朝、「ボクらの時代」という鼎談番組に、愛菜ちゃん、兄役の加藤清史郎くん、弟役の寺田心くんが出ていたんだけど、最年長として会話をリードする清史郎くん(14歳)も、「微生物には無限大の可能性があるらしいので、化学者になって研究したい」とか発言しちゃう愛菜ちゃん(11歳)も、すでに10代後半から20歳くらいの落ち着きと貫録。かといって、無理に背伸びしている感じもなく、発言の一つひとつにちゃんと説得力があったりするの。アタシより精神年齢高そう……。

 一方で、「大人っぽい」という言葉では片づけられないのが、心くん。たどたどしい口調や、時々見せる妙に子どもっぽい言動と、「(泣く演技のとき)声で泣いてる感じがある」「20歳になったら、3人で飲み会しましょう」といった、7歳らしからぬ発言のギャップ。そして、うっすら涙を浮かべつつ「お母さんやおばあちゃんが応援してくれてるから、(仕事で)怒られて悲しくなっても、勇気をもって『ありがとう。頑張るよ』って……」と言ったときの、思いつめ感。見ていて、やっぱり胸がざわつくわ……。早々に破たんが生じて芸能界を引退するか、狂気をはらんだ、すごい役者になるか、どちらかの道を歩みそう。

 とまあ、話がだいぶ拡散しちまったけど……。やたらちやほやされたり、やり玉に挙げられたり叩かれたり、大人でさえまっとうな精神状態を維持するのが難しいほどの経験をしているであろう、人気子役たち。どうか彼らがみな、幸せな人生を歩めますように。そして「OUR HOUSE」の視聴率が、少しでも上昇しますように……。

(水曜連載)

写真:番組ロゴ引用

【エスムラルダ:プロフィール】
えすむらるだ…1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。著書に「同性パートナーシップ証明、はじまりました。」(ポット出版、共著)
twitter:@esmralda001

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おすすめ書籍:「同性パートナーシップ証明、はじまりました。渋谷区・世田谷区の成立物語と手続きの方法」エスムラルダ、KIRA著(ポット出版)
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