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芸能・エンタメ 2016.02.04(木)

オボちゃんの手記刊行に思う:ドラァグクイーン・エスムラルダ連載88

 


エスムラルダの「勝手にワイドショー!」

連載第88回 オボちゃんの手記刊行に思う

 新年早々、事件続きの2016年。今度は清原が薬で逮捕……。おかげでネタに事欠かないかと思いきや、なんとなく過剰報道感や「いじめ」感があったり(ベッキーの件とかS●APの件)、薬物がらみだったり(A●KAブログの件とかお塩先生の件)、どれも微妙にいじりづらくて困るわ……。
 「オボちゃんこと小保方晴子が、1月28日に、手記『あの日』を刊行」というニュースも、その一つ。
 STAP細胞ネタってそもそも、わからないことが多すぎるのよね。理系の人たちは口を揃えて「小保方論文の手順でSTAP細胞ができることはありえない」と言っているんだけど、ド文系のアタシには、それがどの程度「ありえない」ことなのか、全然わからない(まあアタシ、文系の範囲のこともよくわかってないけど)。
 世の中には、びっくりするような嘘を平気でつく人(というか、その嘘を自分で信じてしまう人)もいるし、オボちゃんももしかしたら、そういうタイプの人なのかもしれない。ただ、「小保方論文の手順でSTAP細胞ができることが、どのくらいありえないのか」がわからない以上、アタシ、「自分には、オボちゃんを『嘘つき』と決めつける資格はない」と思っているの(そもそも、科学的に「ありえない」とされていたことが、後に「ありえた」と証明されることもある……という例は、地動説をはじめ、昔からしばしばあったし)。
 確かに、論文には数々の不手際やごまかしがあったかもしれないし、手記の内容も、自己弁護だらけで信頼性が低いかもしれない(読んでないけど)。でも、それらはいわば「状況証拠」にすぎず、「だからSTAP細胞は存在しない」とは言い切れないのよね(もっとも、「STAP証明が存在しない」ことを証明するのは、まさに「悪魔の証明」であり、ほぼ不可能なんだけど)。

実はアタシ、以前、オボちゃん同様、某メディアによって「嘘つき」と断定され、日本じゅうの人々からつるし上げられた、ある人の取材をしたことがあるの。その際に聞いた、本人および(本人となんの利害関係もない)第三者の話、話の内容を裏付ける資料などから判断すると、むしろメディアの方が、大嘘をついている可能性が高いのよ……。もちろんその人も、ある部分では嘘をついていたんだけど、メディア側が、人々に「それ以外の部分も全部嘘だ」と思わせるよう、事実を捻じ曲げたり、事実の中に憶測を紛れ込ませたり、都合の悪い事実を隠したりして、巧みに情報を操作していたのも確かなのよね。
なので、「ある人の話の半分が嘘だったから、もう半分も嘘に違いない」と決めつけることに、どうしてもためらいを感じてしまうのよ。

ネットが普及したおかげで、メディアが報道しないことが広く知られるようになったり、メディアがついた嘘が暴かれたりする機会は確かに増えた。それはいいことだけど、ネット情報の中にはもちろん、真実に見せかけた嘘もたくさんあるし、メディアがついた嘘や、メディアが「話題にしたい」と考えたことがそのままネットによって拡散されることも増えているわ。

 アタシたち一人ひとりが、あらゆる出来事の当事者から直に話を聞いたり、真相を知ったりすることはもちろん不可能。なので、メディアやネットをはじめ、「自分が実際に見聞きしたこと」以外の情報に基づいて何かを論じたり評価したりすることが多くなるのは仕方のないことだけど、せめて「真実かどうかわからない情報を前提に話をしているのだ」という自覚だけは常に持っておきたいな、とアタシは思うのよ。

【エスムラルダ:プロフィール】
えすむらるだ…1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。著書に「同性パートナーシップ証明、はじまりました。」(ポット出版、共著)
twitter:@esmralda001

エスムラルダ

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http://bit.ly/1KS18O2
(コピペして検索窓に)


おすすめ書籍:「同性パートナーシップ証明、はじまりました。渋谷区・世田谷区の成立物語と手続きの方法」エスムラルダ、KIRA著(ポット出版)
http://books.rakuten.co.jp/rb/13507222/

おすすめ書籍:あの日/小保方晴子(講談社)
http://books.rakuten.co.jp/rb/13692074/








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